報道発表資料

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2018年04月17日
  • 地球環境

平成29年度環境省補助事業「木材利用による業務用施設の断熱性能効果検証事業」における採択事例のご紹介

 環境省では、直交集成板(Cross Laminated Timber;CLT※)等に代表される新たな建築部材を用いた建築物の省エネ効果等を定量的に評価し、低炭素建築物の普及を通じた業務その他部門の大幅な低炭素化を図ることを目的とし、平成29年度に「木材利用による業務用施設の断熱性能効果検証事業」を実施しました。
 今回、本補助事業を活用してCLTを用いた建築物を建設した事業者のうち九州旅客鉄道株式会社の事例をご紹介いたします。今後3か年にわたり温湿度や設備のエネルギー消費量等を計測し、CLTを用いた業務用建築物の省エネ・省CO2効果を検証し広く展開することで、低炭素型業務用建築物の普及を図るとともに、CLTの利用促進を促していきます。

※CLTとは、引き板を並べた層を、板の方向が層毎に直交するように重ねて接着した大判のパネルであり、寸法安定性の高さ、厚みのある製品であることから高い断熱・遮音・耐火性を持つこと、また、持続可能な木質資源を利用していることによる環境性能の高さなどが特徴として挙げられます。

1.環境省補助事業「木材利用による業務用施設の断熱性能効果検証事業」について

 2030年の削減目標達成のためには、業務その他部門においてCO2排出量の4割削減が求められている中、CLT等に代表される新たな部材による建築技術は確立しつつあるなか、CLT等の使用が建築物の省エネ・省CO2に与える影響について、定量的なデータは得られていません。そこで、CLT等を用いたモデル建築物を建設し、その断熱性能をはじめとする省エネ・省CO2効果について定量的に検証を行うことを目的として本事業を実施しました。

 今回、平成29年度に採択した事業者のうち、建設が完了した九州旅客鉄道株式会社熊本支社の事例についてご紹介いたします。

2.平成29年度 採択事例の紹介

九州旅客鉄道株式会社熊本支社(熊本県熊本市) 

 九州旅客鉄道株式会社熊本支社では新社屋に九州産木材を積極的に利用したCLT工法を一部に採用しております。

平成30年度以降、CLT造の居室と併せて鉄骨造の居室でも温湿度を計測してくこととしており、今後CLT造と鉄骨造について比較検証することでCLTの建築物としての断熱性・省エネ性の検証を行っていくとともに、会社パンフレット等を通じCLTの普及啓発を促進しています。

項目

内容

名称

建物用途

構造

階数

延床面積

新築/改築

九州旅客鉄道株式会社熊本支社

事務所

CLT造、S造

地上1階

3,097m2

新築

CLT量

省エネ設備

233.9m3

空調設備(ビル用マルチエアコン)

照明設備(LED)

高性能窓(Low-Eガラス) 等

※九州旅客鉄道株式会社によるプレスリリース

 -九州産材100%!CLT工法を用いた新熊本支社が熊本駅高架下に誕生します!-

http://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2018/03/14/180313Newsreleasekumamoto.pdf

3.平成30年度補助事業について

お問合せ先: 公益財団法人北海道環境財団 

http://www.heco-hojo.jp/cat-01/competition.html

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室
室長    水谷 好洋 (内線6771)
室長補佐  市川 善浩 (内線6759)
係長    西山 卓也 (内線6729)
担当    葛岡 義和 (内線7739)
担当    前田 修二 (内線7720)

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