報道発表資料

平成30年3月8日
大気環境
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奄美大島における油状物質の漂着に係る大気モニタリング結果について

 奄美大島等に油状の物が相次いで漂着したことを受け、奄美大島の4地域において大気モニタリング調査を実施し、その結果を取りまとめました。測定の結果、油状の物の漂着が確認された地域において、漂着した油状の物による大気への影響は確認されませんでした。

1.調査地点

(あさ)()地域、今里(いまざと)地域、阿木名(あぎな)地域及び奄美市街地

※油状の物の漂着が確認された地域として、朝仁地域、今里地域を選定

※比較検証のため、油状の物の漂着が確認されていない地域として阿木名地域、漂着が確認された海岸からは離れていて油状の物による大気への影響は小さいと考えられる奄美市街地を選定

                図 大気モニタリングの調査地点

2.試料採取日

 速やかに現場の概況を把握するため簡易調査(予備調査)を実施したのち、定量評価が可能な公定法に基づく本調査を平成30年2月15日(木)~16日(金)に実施しました。   

3.測定項目(公定法に基づくもの)

  漂着した油状の物からの大気への影響を確認するために、一般的に重油等に含まれている以下の(1)から(4)の物質を対象としました。また、参考として、(5)に掲げる有害大気汚染物質(優先取組物質)のちの 一部の揮発性有機化合物を対象としました。

 (1) 芳香族炭化水素

    (ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン)

 (2) 直鎖脂肪族飽和炭化水素

    (n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン 等)

 (3) 多環芳香族炭化水素

    (ベンゾ(a)ピレン、フルオランテン、ピレン、ベンゾ(a)アントラセン 等)

 (4) 重金属類

    (ニッケル化合物、バナジウム、ヒ素及びその化合物、水銀)

 (5) 有害大気汚染物質(優先取組物質)のうち一部の揮発性有機化合物

    (アクリロニトリル、塩化ビニルモノマー、塩化メチル 等)

4.測定結果

 公定法に基づく本調査の大気測定結果は、表1~表5に示すとおりです。

油状の物の漂着が確認された地域(朝仁、今里)の大気測定結果は、漂着が確認されていない地域(阿木名)や油状の物による大気への影響は小さいと考えられる地域(奄美市街)と同程度の濃度でした。

 また、今回の測定は、環境基準や指針値(以下、「環境基準値等」という。)の達成評価に必要とされる頻度(年間12回以上)で行ったものはなく、単純に環境基準値等と比較評価できるものではありませんが、これらが設定されている物質(ベンゼン等)について、すべて環境基準値等を超える測定項目はありませんでした。

さらに、有害大気汚染物質モニタリング調査(平成27年度)の測定結果がある物質について、それぞれの測定結果を全国平均値と比較してみると、概ね同程度又は低い結果でした。

以上のとおり、漂着した油状の物による大気への影響は確認されませんでした。

表1 芳香族炭化水素の測定結果(µg/m3

朝仁

今里

阿木名

奄美市街

(参考)

全国平均

ベンゼン※

0.62

0.43

0.43

0.55

1.0

トルエン

2.3

0.20

0.25

1.1

7.6

キシレン

0.51

0.072

0.18

0.39

2.2

エチルベンゼン

0.44

0.051

0.23

0.27

1.8

※ ベンゼンの環境基準は 年平均値で3 µg/m3以下です。

表2 直鎖脂肪族飽和炭化水素の測定結果(µg/m3

朝仁

今里

阿木名

奄美市街

(参考)

全国平均

n-ヘキサン

0.3

<0.1

<0.1

0.2

n-ヘプタン

<0.1

<0.1

<0.1

0.1

n-オクタン

0.1

0.1

0.2

0.2

n-ノナン

0.1

<0.1

<0.1

0.1

n-デカン

0.1

<0.1

0.1

0.1

※ 「<」の表記は、定量下限値未満であったことを示すものです。

表3 多環芳香族炭化水素の測定結果(ng/m3

朝仁

今里

阿木名

奄美市街

(参考)

全国平均

ベンゾ(a)ピレン

0.022

0.016

0.015

0.014

0.19

フルオランテン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

ピレン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

ベンゾ(a)アントラセン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

クリセン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

ベンゾ(b)フロオランテン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

ベンゾ(k)フルオランテン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

ジベンゾ(a,h)アントラセン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

インデノ(1,2,3‐cd)ピレン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

ベンゾ(g,h,i)ペリレン

<0.1

<0.1

<0.1

<0.1

※ 「<」の表記は、定量下限値未満であったことを示すものです。

表4 重金属類の測定結果(ng/m3

朝仁

今里

阿木名

奄美市街

(参考)

全国平均

(参考)

指針値

ニッケル化合物

(1.2)

(1.5)

<0.8

<0.8

3.6

25

バナジウム

3.8

2.7

3.1

3.6

3.2

ヒ素及びその化合物

1.2

0.83

0.94

0.81

1.6

6

水銀

1.7

1.3

1.5

1.5

1.9

40

※ 「<」の表記は、検出下限値未満であったことを示すものです。

※ ( )の表記は、検出下限値以上定量下限値未満であったことを示すものです。

※ 指針値とは、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値です。

※ バナジウムは、指針値が設定されていません。

表5 その他の揮発性有機化合物(優先取組物質)の測定結果(µg/m3

朝仁

今里

阿木名

奄美市街

(参考)

全国平均

(参考)環境

基準値等

アクリロニトリル

<0.006

<0.006

<0.006

<0.006

0.083

2

塩化ビニルモノマー

(別名:塩化ビニル、クロロエチレン)

<0.0021

<0.0021

<0.0021

<0.0021

0.041

10

塩化メチル

(別名:クロロメタン)

1.9

1.5

1.8

1.7

1.5

クロロホルム

0.18

0.15

0.20

0.16

0.26

18

1,2-ジクロロエタン

0.15

0.12

0.12

0.12

0.19

1.6

ジクロロメタン

(別名:塩化メチレン)

0.53

0.46

0.42

0.59

1.7

150

テトラクロロエチレン

<0.006

<0.006

<0.006

<0.006

0.14

200

トリクロロエチレン

<0.005

<0.005

<0.005

<0.005

0.48

200

1,3‐ブタジエン

0.020

<0.004

<0.004

(0.012)

0.11

2.5

 ※ 「<」の表記は、検出下限値未満であったことを示すものです。

 ※ ( )の表記は、検出下限値以上定量下限値未満であったことを示すものです。

 ※ 塩化メチルは、環境基準値等は設定されていません。また、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンは環境基準値、その他の物質は指針値が設定されています。

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連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
直通 : 03-5521-8295
代表 : 03-3581-3351
課長 : 髙澤哲也(内線6530)
課長補佐 : 田村友宣(内線6572)

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