報道発表資料

平成30年2月16日
地球環境
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「緑の気候基金(GCF)へのアクセス促進のための国際ワークショップ」の開催結果について

 環境省、タイ国天然資源環境省天然資源環境政策計画局(以下、「ONEP」という。)は、平成30年2月13日に、タイ・バンコクにおいて、「緑の気候基金(GCF)へのアクセス促進のための国際ワークショップ」を開催しました。
 本ワークショップは、開発途上国の緑の気候基金(以下、「GCF」という)へのアクセス促進を目的とし、また、GCFの投資基準にある「パラダイムシフト」をより深く理解することで、より優れた案件形成につなげることを目的として開催しました。日本側からは、GCFへのアクセス促進に向けた環境省が実施中の複数のアプローチによる取組の全体像と、日本の民間事業者による案件形成状況等が紹介されました。開発途上国の国家指定機関(National Designated Entity: NDA)や国際機関等の認証実施機関(Accredited Entity: AE)、プロジェクト形成に携わる民間事業者から、パラダイムシフトとGCFを活用したプロジェクト形成についての活発な議論が行われ、様々な立場からの課題や意見が共有されました。また、タイとブータンのNDAから、カントリープログラムの概要や策定状況が紹介され、参加した多くのNDAにとって重要な経験共有の機会となりました。

1.会合概要

日程 平成30年2月13日(火)
主催(順不同) 日本国環境省、タイ国天然資源環境省天然資源環境政策計画局(Office of Nature Resources and Environmental Policy and Planning, MoNRE, Thailand: ONEP)
協力 (一社)海外環境協力センター(OECC)、(公財)地球環境センター(GEC)、アジア工科大学(AIT
開催場所 The Sukosol(タイ・バンコク)
参加者

アジア地域の行政官、国際機関等の担当官等 約35名

民間事業者等関係者(事務局含む) 約35名

合計 約70名

2.結果概要

  • 開会に当たり、OECC、ONEP及びAITの代表者から、開催への祝意と実りある成果への期待が表明され、本ワークショップにおけるパラダイムシフト等に関する議論を通じてより深い理解促進に期待する旨を述べられました。

  • 日本から、GCFと6つの投資基準についての概説、GCF事務局による採択済みプロジェクトに関する基本情報が共有されました。また、GCFへのアクセス促進に向けた環境省が実施中の複数のアプローチによる取組の全体像が紹介されました。そのなかで、国内における関係者を交えた議論において、GCFによる革新性のあるファイナンス、リスクの受容性のあり方や、AEやNDAなどプロジェクト参加者間の情報共有や相互理解等が重要なトピックになっていることが紹介されました。その後の議論において、GCF事務局自身もパラダイムシフトについての具体的な定義を持ち合わせていないとのコメントや、また、現在のパラダイムの状況とともにパラダイムシフトについての意見の共有がされました。また、GCFプロジェクトにおけるローカルガバメントやコミュニティの関与といった要素も重要であるとの意見が出されました。

  • インドのダイレクトアクセス機関である、全国農業農村開発銀行(National Bank for Agriculture and Development: NABARD)の活動の現状、国連環境計画アジア太平洋地域事務所(UNEP-ROAP)からはGCFの投資基準で求められるパラダイムシフトがどのようなものかを、具体的な事象をもとに例を挙げ、また、レディネス支援の事例についても触れました。AITからは、AITが取り組んでいるGCFへのプロポーザル作成のためのキャパシティ・ビルディングの概要や今後の計画等が紹介されました。

  • タイ・ONEPからは、カントリープログラムの紹介と、そのフレームワークについての紹介がなされ、6つの投資基準に対してスコア化してプロジェクトのレビューを実施していることや、NOL(Non-Objection Letter)の発出の際のプロセスについての紹介がされました。また、ブータンのNDAからは、カントリープログラムの策定に際しては国家五か年計画等のブータンにおける様々な戦略や計画に基づく点が紹介された一方で、複数セクター間の関与や調整の難しさ、キャパシティ・ビルディングの不足などが課題として触れられました。

  • 午後のセッションでは、GCFへのアクセスのための準備調査を行っている日本の民間事業者等から登壇し、保有技術等についての紹介がされました。その後の質疑応答において、GCF活用に対するモチベーションや、スケールアップにつなげるための戦略などについての議論が交わされました。それに続き、AE、日本とタイの民間事業者などが参加したパネルディスカッションにおいても、それぞれの立場からGCFを活用することのメリットやモチベーション、他の多国間支援機関の支援スキームの違いについてのコメントなどが出されました。

  • 最後のパネルディスカッションでは、モルディブ、カンボジア、ラオス、UNEP-ROAP、OECCから登壇があり、パラダイムシフトをより促進するために、パラダイムシフト等の投資基準を明確化することによる申請上の障壁の軽減や、キャパシティ・ビルディング、プライベートセクターへの支援、参加型プロセスの確保などの重要性が指摘されました。また、AEの取組方針や国それぞれで状況の異なるNDA等との間のコミュニケーションの促進についてもコメントされました。さらに、ファイナンスとプロジェクトの革新性を担保するためには、様々な立場の複数のプレイヤーが協力して取り組むことが重要であり、それこそがGCFの本質であるとの意見が述べられました。

  • 最後に、パネルディスカッションでファシリテーターを務めた竹本OECC理事長から、本ワークショップの総括とともに、閉会の挨拶がなされました。また、ONEPからも、本ワークショップに開催における日本国環境省への感謝の念とともに、さらなる取組の強化に向けての期待が寄せられました。

【参考】

緑の気候基金(GCF)

開発途上国の温室効果ガス削減(緩和)と気候変動の影響の対処(適応)を支援するため、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)に基づく資金供与の制度の運営を委託された多国間基金。

連絡先
環境省地球環境局国際連携課国際協力室
代 表  03-3581-3351
直 通  03-5521-8248
室 長  杉本 留三(内線 6765)
担 当  井上 彩子(内線 6767)

環境省地球環境局国際地球温暖化対策担当参事官室
直 通  03-5521-8330
参事官  小川 眞佐子(内線 6772)
主 査  寺岡 裕介(内線 6774)

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