報道発表資料

平成29年10月20日
地球環境
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国連気候変動枠組条約第23回締約国会議閣僚級準備会合(プレCOP)の結果について

 10月17日(火)~18日(水)にフィジー・ナンディにて国連気候変動枠組条約第23回締約国会議閣僚級準備会合(プレCOP)が行われましたのでお知らせいたします。

1 会合の概要

(1)日程・場所

10月17日(火)~18日(水) 於:フィジー・ナンディ

(2)出席者等

  • 参加者:約70か国・地域
  • 議長:バイニマラマ・フィジー首相(COP23議長)、メズアール・モロッコ外務大臣(COP22議長)
  • 日本:高橋環境省地球環境審議官、塚田外務省国際協力局参事官、岸本経済産業省大臣官房審議官、外務省、経済産業省、環境省から出席
  • 閣僚出席者:18か国(豪、クック諸島、エストニア、仏、グレナダ、ルクセンブルグ、モルディブ、マーシャル諸島、ニュージーランド、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、シンガポール、ソロモン諸島、南アフリカ、セントルシア、ツバル、バヌアツ)

2 議論の概要

(1)総論

  • 11月6日から開催される国連気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)を控え、COP23で期待される成果、パリ協定の作業計画、気候資金、国内対策と野心の向上、気候リスクと脆弱性等について議論が行われた。
  • 今次会合は、小島嶼国として初めてCOP議長を務めるフィジーが主催するとあって小島嶼国から首脳級が参加するなど、気候変動に脆弱な国の関心事項が大きく取り上げられた。また、フィジー政府も、大統領、首相をはじめ関係閣僚が全面的に関与し、最終日に合わせ島嶼国初となる環境債の発行の署名を行う等国を挙げて本会合を盛り上げた。
  • 米国からは、6月1日のトランプ大統領によるパリ協定からの脱退表明に触れつつ、米国にとって有利な条件が整えばパリ協定に再関与するとの従前の立場に関する発言があった。

(2)COP23で期待される成果

  • 議長国フィジーから、COP23において期待される成果として、"タラノア"精神(注:フィジーの言葉で包摂的・全員参加型で透明性を確保した対話プロセスのこと)に基づく促進的対話のデザインの完成、パリ協定の実施指針の土台の整備が挙げられた。
  • また、その他の議長国としての優先事項として、ジェンダー・アクションプラン、先住民の知見の活用、パリ協定に適応基金を位置づけるに当たっての議論、ロス&ダメージに関するワルシャワ国際メカニズム(WIM)に基づくクリアリングハウスの設置、海洋パスウェイ・パートナーシップの立ち上げ、5つのハイレベルイベント(①気候強靱性、②SDGとの関係を含む国連の政策一貫性、③気候行動と健康の関係、④人権と気候行動に関する技術的概説、⑤2050年道筋プラットフォーム、に関するイベント)の開催が挙げられた。
  • 多くの国が、フィジーが期待する成果や優先事項に賛同を示した。特に、パリ協定の実施指針の策定作業を進展させる必要があるとの意見や"タラノア"精神を支持する意見が多く聞かれた。また、途上国からは、NDCs(自国が決定する貢献)の実施のためには、緩和だけでなく、資金、技術、キャパシティビルディングを含む支援が必要であり、適応及びロス&ダメージが考慮されるべきとの意見や様々な分野における取組をバランスよく進めるべきとの意見があった。
  • 我が国からは、小島嶼国として初のCOP議長国を務めるフィジーを全面的にサポートするとともに、低炭素技術や適応等の分野で気候行動の促進に引き続き貢献していく旨を述べた。また、COP23は2018年までに作成作業を完了するパリ協定の実施指針を進展させるため、技術的な議論を加速させる必要がある旨を主張した。さらに、2018年促進的対話について、政府主体も含め多様な主体が緩和行動のベスト・プラクティス等について対話し、更なる排出削減のための熟考が可能となる生産的なプロセスとすべきこと等を主張した。

(3)パリ協定の作業計画

  • COP23でパリ協定の実施指針の進展をどう測るかが議論された。COP24における実施指針の採択に向けて早期にテキストが必要であるとの点では見解の一致があったが、その時期については必ずしもCOP23である必要はないとの見方があった。また、テキストの作成方法や交渉の進め方等についても議論があった。
  • 我が国からは、早期にテキストに基づく交渉を開始することの重要性を述べた上で、まずは各指針の技術的な要素について見解を収束させることに集中し、COP23では必ずしもすべての指針について一律の成果を求める必要はない等を述べた。

(4)気候資金

  • 2020年までに年間1000億ドルの資金支援目標の達成について、主要先進国からは、同目標達成に関するこれまでの実績等を説明の上、引き続き同目標達成に向けた取組を継続する旨言及があった。これに対し、多くの途上国から各国が掲げているコミットメントの早急な実施や適切に資金を運用するメカニズムの確立等を求める旨の意見があった。
  • NDC及びNAP(国別適応計画)における資金のスケールアップについて、主要先進国から各国の民間資金動員に関する取組を説明しつつ、NDCの着実な実施による低炭素排出社会への移行及び将来的な気候変動の強靱性強化には民間資金の動員が不可欠との言及があった。他方、島嶼国をはじめ多くの途上国から、NDCの実施において適応が重要な要素であり、民間資金の動員が必要であることから、GCF等の気候資金への更なるアクセス改善を求める意見があった。

(5)気候リスクと脆弱性

  • 先進国からは、COP21決定に基づきCOP24におけるクリアリングハウスの設置や移住に関するタスクフォースの設置が必要であるとの主張や各国の途上国支援について紹介があった。
  • 途上国からは、気候変動に強靱な開発を加速させる観点から、緑の気候基金(GCF)や適応基金等の資金へのアクセス向上等が必要との主張が多くみられた。また、国別適応計画やNDC・長期戦略の策定・実施、アクション・アジェンダ、SDGs、地域的な支援枠組、優良事例の共有等の重要性が挙げられた。また、ロス&ダメージに関して、SBにおける議論が不可欠との主張や技術・能力開発・資金を含む支援や優良事例の共有、多様な主体の関与が重要との主張があった。
  • 我が国からは、リスクコントロールによる気候リスクの低減が重要であり、科学的知見に基づく適応計画の策定・実施が不可欠である旨を主張した。また、この取組の促進のため、適応委員会やGCFの取組の重要性に触れつつ、我が国は二国間事業や「アジア太平洋適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)」を2020年を目途に整備することを通じて貢献する旨を述べた。さらに、WIMを効果的に機能させるため、同執行委員会(Excom)が条約内外の組織との連携を強化しつつ、五カ年作業計画の策定・実施を着実に実行することの重要性を主張した。

(6)国内対策と野心の向上

  • 野心向上にあたっては、途上国からは、国内的な取組と同時に向上させるための国際的な環境(enabling environment)が不十分との意見があった。野心向上のための効果的な方法として、太陽光などの再エネ導入、民間セクターや自治体などの幅広いセクターの巻き込み、政府内の事業実施省庁との連携、カーボンプライシング、市場メカニズムを活用した協力的アプローチ、石炭火力投資からの転換といった政治的・政策的な対応や、技術やイノベーションが必要という意見があった。
  • また、カーボンニュートラルを加速化するためのアプローチとしては、グローバルストックテイクの強固な実施、排出ゼロへ向けた投資を含めた長期戦略の実施をあげる国があった。その他、NDC進捗確認や支援の透明性向上が重要といった意見もあった。
連絡先
環境省
地球環境局国際地球温暖化対策担当参事官室
代表  03-3581-3351
直通  03-5521-8330
参事官 竹本 明生(内線6772)
交渉官 永森 一暢(内線6773)
担当  小俵 大明(内線6789)

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