報道発表資料

平成29年9月12日
地球環境
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「気候変動に関する日中政策研究ワークショップ」の結果について

9月6日(水)~9月7日(木)の間、中国・北京にて「気候変動に関する日中政策研究ワークショップ」が開催されました。環境省から小野洋大臣官房審議官他、中国家発展改革委員会エネルギー研究所(ERI)から高世憲副所長他が出席し、日本及び中国の気候変動政策、長期戦略の検討状況、パリ協定の実施指針等について活発な議論が行われました。特に、中国において今秋導入が予定されている排出量取引制度について活発な意見交換がなされるとともに、両国は低炭素都市構築に向けた共同研究の実施を確認しました。

○概要:

 本ワークショップは、気候変動対策に関する研究面からの知見について、両国の研究者が意見交換を行うため、環境省の支援により地球環境戦略研究機関(IGES)と中国国家発展改革委員会エネルギー研究所(ERI)が協力して開催したものです。

 日中両国をはじめ、欧米各国の政府系・非政府系研究機関等から約60 名の研究者や関係者等が参加し、日本及び中国の気候変動政策の現況、長期戦略の検討状況、2020年以降の透明性枠組みやグローバルストックテイクのあり方、低炭素都市構築に向けた日中韓共同研究等について、活発な意見交換を行いました。

○開催地:

 中国・北京

○開催日:

 平成29年9月6日(水)~9月7日(木)

○主な出席者(所属機関):

(日本)環境省、電力中央研究所、東北大学、地球環境戦略研究機関(IGES)の研究者

(中国)中国国家改革開放委員会エネルギー研究所(ERI)、国家気候変動戦略研究・国際協力センター(NCSC)、自然資源防衛協議会(NRDC)等

(その他)スタンフォード大学、グローバルグリーン成長研究所(GGGI)、在北京各国大使館(日本、豪、EU、加、ノルウェー)、Climate Works等

○議題ごとの結果:

(1)中国及び日本の気候変動政策の現況

 日中両国共に国を挙げて気候変動問題へ取り組んでおり、日本のGHG排出量が2013年以降減少傾向にあることや、中国でもここ数年CO2排出量が横ばいになるなど、これまでの政策実施が一定の成果をあげていることが共有された。中国の排出量ピークの時期と絶対量についてはいくつかの異なる意見が示された。また、中国ではETSの導入が今年の秋から冬にかけて予定されており、その期待される効果について議論された。

 中国の気候変動政策の鍵となる石炭については、電力需要の抑制や再生可能エネルギーの拡大により、発電所の稼働率の低下が起きていることが報告された。

 また、日本国内の電力部門が発電から供給まで完全自由化に向け、構造変動が進んでいることや、日中の気候変動政策目標策定と実施のプロセスの違いについても発表された。

(2)長期戦略の策定状況

 日中及び米国の長期目標(2020年、2030年、2050年)とパリ協定下の2度と1.5度目標、及び目標達成への施策(例 長期低GHG排出発展戦略、再生可能エネルギーの導入等)とそのシナリオが紹介された。

 長期目標達成のためには、中国が早いスピードで産業や社会の脱炭素化していくことの重要性が指摘され、そのためには、再生可能エネルギーのGHG排出量削減に果たす役割が大きいことが共有された。また、具体的なロードマップの策定や国際協調が重要であることが共有されるとともに、国内での政策策定や国際協調に関しては、経済政策や開発政策の文脈に気候変動政策を組み込んでいくことの重要性等について活発な議論が交わされた。

(3)2020年以降の透明性枠組みやグローバルストックテイクのあり方

 パリ協定を実施していく上での透明性枠組みとGSTのあり方について、両国の研究者による活発な議論がなされた。また、世界のGHG排出量の約85%を占める国々(日中米EU印等の主要経済国)による排出削減対策の重要性が高まる中で、残りの15%の国々に対してどのような支援(資金や技術等を含めて)をしていくのか等についても議論された。

(4)低炭素都市構築に向けた日中韓共同研究等

 日本、中国、韓国の都市レベルの気候変動政策の実施状況が紹介された。日本の研究者からは、AIMモデルの紹介とその適用、中国の研究者からは都市レベルでの政策策定手法や低炭素都市のパイロットプロジェクトの構造と実施状況、韓国の研究者からはソウルや韓国での革新的な都市の取組みを紹介し、効果的なエネルギー消費量削減の成功例を共有した。また、日中韓の共同都市プロジェクトの提案について議論され、今後具体的なプロジェクト実施やその研究結果についての期待が示された。

以上

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策担当参事官室
直通 03-5521-8330
代表 03-3581-3351
参事官 竹本明生(内線6772)
主査 寺岡裕介(内線6774)

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