報道発表資料

平成29年9月7日
自然環境
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種の保存法に基づく緊急指定種の指定について

 我が国に生息する爬虫類の一種、「Goniurosaurus kuroiwae sengokui(ケラマトカゲモドキ)」を種の保存法に基づく緊急指定種に指定することとし、昨日公示しましたので、お知らせいたします。
 指定期間は、公示の2日後である平成29年9月8日から平成32年9月7日までの3か年です。緊急指定種に指定されると個体の捕獲・殺傷、譲渡しなどの行為が規制されます。
 これまで緊急指定種として、平成6年12月にワシミミズク等3種、平成20年3月にタカネルリクワガタが指定されており、約9年ぶりの指定となります。

1.緊急指定種に指定する理由

Goniurosaurus kuroiwae sengokui(ケラマトカゲモドキ)は、平成27年に種の保存法に基づき国内希少野生動植物種(※)として指定されたGoniurosaurus kuroiwae orientalis(マダラトカゲモドキ)と同亜種と考えられていたが、2017年6月に公表された学術論文により、新たに別亜種として記載された。

本亜種については、既指定のGoniurosaurus kuroiwae orientalis(マダラトカゲモドキ)として、これまで種の保存法の規制対象とされていたことから、捕獲や国内におけるネットオークション上での流通は確認されていない。しかし、海外でのGoniurosaurus kuroiwae(クロイワトカゲモドキ)種群の各亜種(本亜種を含む)等の販売は活発であり、本種の野外捕獲個体と称するものが、海外の業者によりインターネット販売がされていた実例もあるため、規制対象から外れると乱獲される可能性が高いことから、緊急的に規制を行うもの。

(*)国内希少野生動植物種:我が国に生息・生育する絶滅のおそれのある野生動植物種であって、種の保存法施行令で定めるもの。捕獲・採取、譲渡し等が原則禁止となる。現在ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコ等210種の動植物を指定。

2.ケラマトカゲモドキについて

分類  トカゲモドキ科の一亜種

和名  ケラマトカゲモドキ

学名  Goniurosaurus kuroiwae sengokui Honda et Ota, 2017

Goniurosaurus kuroiwae(クロイワトカゲモドキ)内の一系統として2017年6月に新たに記載された亜種。

形態  成体の頭胴長は普通75~85mmほどで、指下板がなく、眼には瞼があるという原始的な形質をもつ。生体の虹彩はふつう赤色から桃色だが、個体によってはオレンジ色を帯びることもある。背面の地色は暗褐色で、胴部には桃色がかった明色の横帯が3~4本あり、少なくとも部分的に同様の色の縦条成分がある。これらの横帯や縦条に囲まれた暗色部には不規則な小斑がある。それらの模様の色は個体によって変異があり、中には鮮やかな桃色やオレンジ色のものが見られる。腹面は淡褐色で、偏平な鱗が瓦状に並ぶ。他の亜種同様、背面の模様に横帯と縦条成分を持つものの、本種は背面の模様や虹彩が赤色から桃色を帯びること等で他の亜種と区別できる。

分布  沖縄諸島の渡嘉敷島及び阿嘉島のみに分布する。

生態  常緑広葉樹の自然林や回復の進んだ二次林及びその周辺の石灰岩地などに生息する。そのほか、植生の発達が良くない草本類や低木、あるいはリュウキュウマツなどが卓越した環境でも見られることがある。主にクモ類や昆虫類、ミミズなど地上性の小型無脊椎動物を補捕食するとされており、6月~7月にかけて輪卵管卵をもったメスが現われ、通常一度に2個、稀に1個産卵すると考えられている。主に4~9月の夜間に活動中の個体が確認されるが、それ以外の季節にも特に気温の高い日には見られることがある。

写真:ケラマトカゲモドキ

ケラマトカゲモドキ (提供:自然環境研究センター)

3.緊急指定種の概要

○緊急指定種は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」第5条に基づき、環境大臣が指定するもの。

○特にその保存を緊急に図る必要があると認められる種について、捕獲・殺傷、譲渡し、輸出入、陳列等を禁止する緊急的な措置。

○指定の期間は、3か年が限度となる。

○これまで、緊急指定種に指定した種は、ワシミミズク、イリオモテボタル、クメジマボタルの3種(平成6年12月指定)、及びタカネルリクワガタ1種(平成20年3月指定)の合計4種。

※このうちワシミミズクは、平成9年11月に国内希少野生動植物種に指定されている。イリオモテボタル、クメジマボタル及びタカネルリクワガタについては、指定後の調査から科学的知見が集積され、国内希少野生動植物種への指定は必要ないと判断された。

参考

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)抄

(緊急指定種).

第五条 環境大臣は、国内希少野生動植物種及び国際希少野生動植物種以外の野生動植物の種の保存を特に緊急に図る必要があると認めるときは、その種を緊急指定種として指定することができる

2 環境大臣は、前項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)をしようとするときは、あらかじめ関係行政機関の長に協議しなければならない。

3 指定の期間は、三年を超えてはならない。

4 環境大臣は、指定をするときは、その旨及び指定に係る野生動植物の種を官報で公示しなければならない。

5 指定は、前項の規定による公示の日の翌々日からその効力を生ずる。

6 環境大臣は、指定の必要がなくなったと認めるときは、指定を解除しなければならない。

7 第二項、第四項及び第五項の規定は、前項の規定による指定の解除について準用する。この場合において、第五項中「前項の規定による公示の日の翌々日から」とあるのは、「第七項において準用する前項の規定による公示によって」と読み替えるものとする。

連絡先
環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室
直通 : 03‐5521‐8353
代表 : 03‐3581‐3351
室長 : 番匠 克二(6677)
係長 : 田邊 依里子 (6687)

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