報道発表資料

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2017年08月04日
  • 自然環境

名古屋港におけるヒアリの確認について

 平成29年8月2日(水)に愛知県弥富市において事業者により発見されたアリについて、専門家による種の同定の結果、8月4日(金)に、特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)と確認されましたので、お知らせします。
 当該ヒアリは、中国・廈門(アモイ)港より出港した貨物船にて、名古屋港鍋田ふ頭(愛知県弥富市)で陸揚げされ、陸路にて同港飛島ふ頭(愛知県海部郡飛島村)の事業者敷地に運ばれた後、鍋田ふ頭に戻されたコンテナ(1個)内より発見されたものです。
 発見時に確認された個体については、すでに全て殺虫処分していますが、確認地点付近やコンテナが一時的に留め置かれた地点周辺では、名古屋港管理組合等と協力して殺虫餌等を設置しています。

1.経緯

7/10 中国・廈門(アモイ)港から当該コンテナを積載した貨物船が出港。

7/12 愛知県弥富市の鍋田ふ頭に入港。当該コンテナを陸揚げ後、7/28までコンテナターミナルで保管。

7/28 陸路にて鍋田ふ頭から同港飛島ふ頭(愛知県海部郡飛島村)の運送事業者敷地内へ移動し荷物を搬出。

7/31 当該コンテナを、鍋田ふ頭に返却。

8/2 当該コンテナのメンテナンス作業を行うため、コンテナを開けたところ、内部に約20個体のアリを発見。運送事業者が環境省中部地方環境事務所(以下、中部事務所)に通報。中部事務所職員は、運送事業者に、発見した個体をすべて殺虫処分すること、当該コンテナが留め置かれた場所及び当該コンテナ周辺にベイト剤及びトラップを設置することを指示。

 中部事務所が運送事業者から入手したアリを詳細に確認した結果、ヒアリである可能性が高かったため、専門家に同定のためサンプルを送付。

 事業者はベイト剤等を設置するとともに、当該コンテナを密封し、燻蒸消毒を実施。

8/3 事業者、名古屋港管理組合、中部事務所が当該コンテナを確認したところ、当該コンテナ内部で約80個体のアリの死骸を発見したことから、中部事務所が事業者に対し、確認地点付近やコンテナが一時的に留め置かれた地点周辺に殺虫餌、トラップを設置するように指示。

8/4  専門家が、サンプルがヒアリであることを確認。

 

2.今回の確認されたヒアリについて

 確認されたヒアリは、中国から輸入された貨物コンテナの中で、約100個体が発見されました。現段階では陸揚げした鍋田ふ頭のコンテナターミナル及び飛島ふ頭の事業者敷地周辺から発見情報はありません。現時点ではヒアリが鍋田ふ頭及び飛島ふ頭内の当該地域周辺に定着し、繁殖している可能性は低いと考えられます。

 

3.今後の対応

 鍋田ふ頭内で発見されたヒアリは、直後の対応の結果、確認された全ての個体が殺虫処分されました。また、ヒアリが確認されたコンテナは薬剤による消毒を実施しました。また、コンテナが一時的に留め置かれた地点(鍋田ふ頭、飛島ふ頭)の周辺において、事業者、名古屋港管理組合、中部事務所がベイト剤及び捕獲トラップを設置し、目視調査を実施しました。

 なお、中部事務所から、愛知県、弥富市、飛島村、中部地方整備局、港湾管理者に対しては、以下を依頼しています。

・今回ヒアリの混入があったことから、ヒアリが確認されたコンテナの保管場所及びその周辺を利用する関係者に、点検等適宜実施すること

・今後、環境省等が実施する調査に協力すること

・ヒアリが確認されたコンテナの保管場所及びその周辺を利用する関係者に注意喚起を行うこと

 

4.情報提供のお願い

 ヒアリは、攻撃性が強く、刺された場合、体質によってはアナフィラキシー・ショックを起こす可能性があります。世界各地に定着がみられることから、一旦定着すれば根絶することは困難となるため、侵入監視により、早期発見、早期駆除により定着前に根絶を図ることが極めて重要です。

 既に発見されている港湾に限らず、海外からの貨物や旅客が到着する港や空港においては同様にヒアリ侵入のリスクがあります。

 ヒアリと疑わしいアリを発見した場合には、在来種ではないことを確認の上、管轄区域の環境省地方環境事務所にご連絡ください。

 

連絡先URL:https://www.env.go.jp/region/index.html

ストップ・ザ・ヒアリ(ヒアリの特徴・生態・駆除方法・刺されたときの対処方法等の参考):https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf

 

 ※ヒアリは強い毒を持つため、生きた個体を素手で触らないようにしてください。

【写真】今回発見されたヒアリ

今回発見されたヒアリ

 

【地図】今回ヒアリが確認された場所

今回ヒアリが確認された場所

 

連絡先
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
代表 03-3581-3351
室長   曽宮 和夫   
室長補佐 八元 綾
担当   知識 寛之

中部地方環境事務所野生生物課
直通 052-955-2139
課長   酒向 貴子
専門官  高木 丈子
 

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