報道発表資料

この記事を印刷
2017年07月16日
  • 自然環境

茨城県内におけるヒアリの確認について

 平成29 年7月3日に東京港で荷揚げされ、7月12日に茨城県常陸太田市で荷下ろしされたコンテナに付着していたアリについて、専門機関による種の同定の結果、7月16日に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)と確認されましたので、お知らせいたします。
 当該ヒアリは、台湾・高雄港からの貨物船で航走され、東京港で陸揚げされた後に茨城県常陸太田市で貨物を搬出後のコンテナ(2個)の内部で発見されたものです。

1. 経緯等

6/26  台湾・高雄市内にて貨物をコンテナに荷詰めし、高雄港へ送付。

6/29  台湾の高雄港を出港。

7/3  東京港(東京都江東区:青海ふ頭)に到着、コンテナヤードに陸揚げ。

7/11-12   コンテナヤードからコンテナ2個を搬送。

7/12  茨城県常陸太田市にコンテナ2個を搬送。荷主により、敷地内屋外のアスファルト上にて荷物を搬出する際に1個目のコンテナ内で死亡個体(2個体)が確認され、搬出後にコンテナ内を掃除した際にも生存個体(1個体)が確認された。生存個体を捕獲後、茨城県生物多様性センターに通報。その後、茨城県生物多様性センターより関東地方環境事務所に通報。生存していたアリは発見場所から茨城県生物多様性センターへの移送中に容器内で死亡した。

 その後、荷主により1個目のコンテナから荷物を搬出した後、製品包装(ビニール)に付着した死亡個体(20個体)が発見され、2個目のコンテナからも死亡個体(1個体)が発見された。

 なお、コンテナ内にアリは確認できなかったことから、空のコンテナは東京都江東区の青海ふ頭に戻された。

7/16  専門機関により、常陸太田市で見つかったアリがヒアリ(Solenopsis invicta)であることを確認。

 ※なお、今回発見されたアリはヒアリの特徴を備えているものの、サンプルの状態が悪かったため、後日別のサンプルを使用して改めて確認する予定。

2.今後の対応

 東京港青海ふ頭のコンテナ事業者に対し、当該コンテナ内の目視調査の実施及び今後の環境省等による周辺への捕獲トラップ設置等への協力を依頼しています。

 なお、茨城県や常陸太田市にも連絡し、荷主及び当該港湾の管理者である東京都、地元自治体である江東区に対して、以下を依頼しています。

・今回ヒアリが確認された地点及びその周辺を利用する関係者に、当該生物の侵入があったことを周知し、他に侵入の恐れがないか確認を依頼すること

・今後、同様なルートで製品を輸入する際に、当該アリその他の特定外来生物の付着・混入がないよう、現地の工場・保管場所・コンテナ置き場・積み出し港等の状況を把握し、対策を講じること

・船舶やコンテナ保管場所、倉庫、その他運搬車両等の事業関係者に当該生物の混入があったことを周知し、他に混入の恐れがないかさらなる確認を依頼すること

・環境省等が行う緊急調査に協力すること

・施設内の目視確認及び周辺への捕獲トラップの設置について協力すること

・今後、国土交通省港湾局とも協力して、中国、台湾等のヒアリ分布地域からの定期航路を有する68港湾において、調査や予防的防除(ベイト剤の設置)を実施する予定です。

写真 今回確認されたヒアリ

連絡先
環境省
環境省自然環境局
野生生物課外来生物対策室
代表 03-3581-3351
室長   曽宮 和夫
室長補佐 八元 綾
担当   知識 寛之
関東地方環境事務所 野生生物課
直通 048-600-0817
課長   横田 寿男
専門官  木内 尚也