報道発表資料

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2017年06月15日
  • 水・土壌

「水生生物による水質評価法マニュアル-日本版平均スコア法-」及び「河川生物の絵解き検索」の公表について

 水生生物を用いた河川の水質評価手法や環境学習を行う際のツールとして広くご活用いただくため、河川を調査・評価するために必要な事項をとりまとめた、「水生生物による水質評価法マニュアル-日本版平均スコア法-」及び「河川生物の絵解き検索」を作成しましたので、お知らせします。

1.趣旨

 河川の水質汚濁の状況を把握するための従来の化学的な水質調査で得られた数値が、採水時の瞬間的な水質の状況を表している一方で、水生生物の生息状況は、水域におけるより長期的な水質の状況に加え、水量や河床性状等、水質調査項目以外の水域特性に関する総合的な情報を表すと考えられています。

 これまで、環境省では、分類が容易で水質に係る指標性が高い29種の水生生物を用いて、河川の水質の状況を4階級で判定することができる全国水生生物調査を実施してきました。この調査は、一般の方にもわかりやすく、高価な機材等を必要としないことから、環境問題への関心を高める良い機会として、小学生から大人まで幅広い方々に参加いただいています。

 環境省では、全国水生生物調査より専門性が高く、客観的なデータに関心のある方々に活用いただくことを想定して、 "日本版平均スコア法"の検討を進めてきました。この方法は、河川に生息する71種の水生生物を数値化し、それらの生息状況から河川の水質の状況を定量的に評価することが可能となっています。今般、学識経験者等から成る検討会において検討した結果を、「水生生物による水質評価法マニュアル-日本版平均スコア法-」及び「河川生物の絵解き検索」として取りまとめました。

2.概要

(1)水生生物による水質評価法マニュアル-日本版平均スコア法-

 日本版平均スコア法は、1976年にイギリスで開発されたBMWPBiological Monitoring Working Party)スコア法をもとに、日本国内の生物相の特徴に合わせて、環境省において対象とする科やスコアを改訂した手法です。

 約2㎜以上の主な水性生物を対象とし、生物の同定の専門家でなくても可能なように"科"レベルで同定し、出現した科に与えられた平均スコアで評価するもので、全国で広く実施されている全国水生生物調査より専門性が高く、より客観的なデータに関心のある方向けに作成したものです。

(2)河川生物の絵解き検索

 日本版平均スコア法と合わせて使用することを前提に、水生生物の特徴から現場で簡便に分類するための参考図書として、"科"レベルまで同定できるよう工夫して作成したものです。日本版平均スコア法においてスコアを持つ種類を基本として整理しましたが、スコアが無くても河川で一般的に出現すると思われる生物を掲載し、単独でも使用可能な構成となっています。

3.活用方法

 河川の水質評価だけでなく、高等学校など各種教育現場での課外授業や野外実習、河川での自然観察会などでも活用できる簡便で専門性の高い内容となっていることから、各種調査の際の参考図書としてご活用ください。

4.入手方法

 環境省HPにも掲載しておりますので、ご活用ください。

「水生生物による水質評価法マニュアル-日本版平均スコア法-」

 URL:https://www.env.go.jp/water/mizukankyo/hyokahomanual.pdf

「河川生物の絵解き検索」

 URL:https://www.env.go.jp/water/mizukankyo/nazotokikensaku.pdf

5.その他

 多くの方々にご活用いただく中で必要に応じ見直していくこととしており、今後もその活用事例や調査方法の改善などの情報の収集に努め、引き続き検討を行っていきます。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課
直通   03-5521-8314
代表   03-3581-3351
課長   渡邊 康正 (内線6610)
課長補佐 林  誠  (内線6613)
専門官  中島 智章 (内線6626)
係員   中山 裕貴 (内線6625)

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