報道発表資料

平成29年5月22日
地球環境
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気候変動枠組条約第46回補助機関会合(SB46)及びパリ協定第1回特別作業部会第3部(APA1-3)の結果について

 5月8日(月)~18日(木)にかけて、ドイツ・ボンにおいて、国連気候変動枠組条約の下での「パリ協定特別作業部会(APA)」第1回会合第3部及び2つの補助機関会合が行われたところ、概要は以下のとおり。我が国から、外務・経済産業・環境・文部科学・農林水産・国土交通の各省関係者が出席した。

1.パリ協定特別作業部会第1回会合第3部(APA1-3)について

 昨年11月の第22回気候変動枠組条約締約国会議(COP22)においては、パリ協定の実施指針等について、2018年までに採択することが決定された。今次会合においては、この期限を念頭に、実施指針等の案の作成に向けて、概念的な議論から技術的・具体的な議論へと移行する動きがあり、それぞれの指針等を検討する議題の進捗に応じて指針の項目や要素の検討等が行われた。また、次回会合前の集中的なワークショップの開催等、次回会合までの間の具体的な作業について合意された。

(1)各議題に関する議論

(ア)緩和、適応、透明性枠組み、グローバル・ストックテイク(世界全体の実施状況の検討)、実施及び遵守の促進、適応基金等の各議題について、それぞれ非公式協議が実施され、技術的な議論を進める上での主要な論点、指針の基本的な項目や要素、次回会合までの作業の進め方等について議論が行われた。議論の成果として、各議題の共同ファシリテーターによる非公式ノートにおいて、議題の進捗に応じて、基本的な指針の項目や要素、今後の論点や各国の立場・見解が異なる点などが示され、技術的な議論を更に深めていくための土台が整えられた。

(イ)各議題における議論を踏まえ、16日に共同議長より、議題ごとの次回会合までの間の作業を含む結論文書案が示され、コンタクト・グループにおける議論を経て、最終日となる18日に採択された。

(ウ)我が国は、各議題において、指針について、パリ協定の実効的な実施のために必要な項目や要素、作業の進め方等を提案し、技術的な議論に貢献した。また、次回会合までの作業については、2018年のCOP24において指針を策定するため、2018年からは指針の具体的な案文に基づいた議論を開始することを目指し、各議題における議論の進捗状況に応じ、各国から見解の提出を求めることやワークショップを開催すること等を提案した。

(2)共同議長の任期継続

 2016年5月のAPA立ち上げの際に選出された共同議長の任期は今次会合までとなっていたが、作業の継続性の観点から、ジョー・ティンダル氏(附属書Ⅰ国:ニュージーランド)、サラ・バシャーン氏(非附属書Ⅰ国:サウジアラビア)が引き続き共同議長を務めることとなった。

(3)今後のAPA交渉予定

 次回APA会合は、第23回気候変動枠組条約締約国会議(COP23)(議長国:フィジー)の開催と合わせて、11月6日~17日にドイツ・ボンにて開催される予定。11月4日及び5日にこれに先立ちプレセッションのラウンドテーブル(4日:透明性枠組み、適応、5日:透明性枠組み、グローバル・ストックテイク)、また、6日にインセッションのラウンドテーブル(緩和、実施及び遵守の促進)が開催される予定。

2.第46回補助機関会合(SB46)

 年に2回開催される科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)及び実施に関する補助機関(SBI)の第46回会合では、パリ協定第6条に基づく市場メカニズム等に関する事項、同第9条7項に基づく資金のアカウンティングのモダリティ、同第10条4項に基づく技術枠組等のパリ協定の実施のための指針等の策定に関する事項、また、LULUCF(土地利用、土地利用変化及び林業)、農業、定期的レビュー、国別報告書・隔年報告書、国別適応計画、対応措置、キャパシティ・ビルディング、2018年~2019年の条約事務局の予算等に関する議論を行い、合意を得られた議題について結論文書がまとめられた。

 会合期間中に気候変動枠組条約の附属書Ⅰ国(先進国)の2020年の削減目標に関する進捗状況等についての多国間評価(MA)が実施された。日本を含む17か国が発表し、建設的な雰囲気の中で質疑応答が行われた。我が国のMAは12日に行われ、2020年の削減目標に向けた進捗、施策の実施状況、二国間クレジット制度(JCM)等について説明及び質疑応答を行い、評価を受けた。また、10か国を対象として非附属書Ⅰ国(途上国)の温室効果ガス削減の取組に関する促進的な意見共有(FSV)も実施された。

3.2018年の促進的対話に関するCOP議長国及び次期COP議長国による非公式協議

 COP21決定において2018年に開催される予定の促進的対話に関し、COP22における決定を受け、今次会合において初めてCOP議長国であるモロッコ及び次期COP議長国であるフィジーによる各交渉グループとの協議及び全体での非公式協議が実施された。促進的対話を有益な機会とできるよう、目的、フォーマット及びタイミング、参加レベル、インプット、結果等について各国が見解を述べた。次回会合の際等に同様の非公式協議を継続し、COP23において、促進的対話のデザインについて議長国がCOPに非公式協議の結果を報告する予定。

4.我が国の立場に関する説明等

 会合期間中、我が国代表団は、米国、豪州、韓国、中国、インド、モロッコ、フィジー、ポーランド(COP24議長国)等との会談を行い、パリ協定の実施指針等の策定の進め方、指針等の内容に係る見解等について意見交換を行った。また、JCMパートナー国とJCMの更なる推進について協議した。さらに、NGOと意見交換を行った。

 会合に合わせて、我が国(国立環境研究所)、オランダ政府及び国連環境計画によってCOP23にて設立予定の国際適応センター(Global Centre of Excellence on Climate Adaptation)に関する公式イベントを含む様々な関連イベントを開催し、積極的に我が国の取組の発信を行った。

5.評価

 今回のAPA1-3・SB46においては、概念的な議論から技術的な議論へと移行する必要性が繰り返し主張され、議題ごとに指針の項目や要素の検討が進められたところ、実施指針等の2018年までの策定に向けた作業が着実に進捗したと評価できる。また、次回会合までの間の具体的な作業に合意できたことも成果である。一方で、各指針における原則等に関する概念的な議論や、先進国と途上国との間の差異化等についての主張も見られ、引き続き各国の見解や立場には隔たりがあり、また、指針間の相互の関連性も強調されているところ、限られた時間の中で今後いかに建設的な形で技術的かつ複雑な作業を進めていけるかが課題となる。

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
代表03-3581-3351
直通03-5521-8330
室長   木野修宏(内線6772)
交渉官  永森一暢(内線6773)
係長   影山凡子(内線6789)

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