報道発表資料

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2017年01月30日
  • 自然環境

SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)世界会合の結果について

 平成29年1月23~26日、サンホセ(コスタリカ)において「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(略称 COMDEKS)世界会合」が開催されました。             
 本会合では、地域コミュニティによる二次的自然環境の維持・再構築を支援するCOMDEKSプログラムの成果を評価し、得られた知見を共有し、更に今後の展開に向けて他の関連プログラムとの連携を含む戦略の検討が行われました。

1.日程 

平成29年1月23日(月)~26日(木)

2.開催地 

サンホセ(コスタリカ)

3.会合の目的

本会合はCOMDEKSプログラム(Community Development and Knowledge Management for the Satoyama Initiative Programme)の満了に際し、関係者が集い、これまでの成果の評価と知見の共有を図り、その上で、他地域への応用やスケールアップのため関連プログラムとの連携強化等を促進するものです。

COMDEKSは、SATOYAMAイニシアティブの長期目標(ビジョン)の「自然共生社会」を実現すべく、環境省、生物多様性条約事務局、国連大学が連携し、UNDPが実施するプログラムとして、地球環境ファシリティ(GEF)との協調出資により、コミュニティによる二次的自然環境[社会生態学的生産ランドスケープ(SEPLS)]の維持・再構築のための現地活動を支援するとともに、その成果に関する知見の集約・発信を目的として、20116月に開始されました。

4.会議日程等

1月23日(月)

COMDEKSプログラムの成果の共有

1月24日(火)

コスタリカにおけるCOMDEKSサイトの視察

1月25日(水)

効果的なプロジェクト実施のための技術

1月26日(木)

今後の展開に向けた戦略の検討

5.結果概要

◇1月23日(月) 8:30~17:30  成果の共有

COMDEKSプロジェクトの主要な関係機関の代表に加え、現地でCOMDEKSプロジェクトを実施したUNDPGEF小規模無償各国駐在調整者等約60名が参加しました。

・開会に際し、エドガル・グティエレス・エスペレタ コスタリカ環境エネルギー大臣始め、UNDP-GEF担当ステファン・ゴールド部長、日本国環境省生物多様性地球戦略企画室中尾文子室長、在コスタリカ日本大使館木村泰次郎参事官、地球環境ファシリティー事務局代表等から開会の挨拶がありました。

・本会合の導入として、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ事務局からSATOYAMAイニシアティブについて、UNDPからプロジェクトの成果概要について説明がありました。その後、UNDPGEF小規模無償各国駐在調整者によるプログラムを通して得た成果や課題等についての共有がありました。

◇1月24日(火)終日  プロジェクトサイト視察

ジーサスマリア河流域に位置するCOMDEKSサイトを訪問しました。中流域(海抜440m)では、水管理のためのコミュニティ組織のメンバーから、植林による土地浸食の防止と森林回復、雨水利用や水供給システムの改善による河川への負担軽減等の取組みについて説明がありました。その後、生物多様性の保全に取り組む有機農家を視察しました。モザイク状の土地利用(コーヒー・果樹栽培、牧草地、二次林等)による複合経営で資源の循環利用に取り組んでいました。上流域(海抜1,440m)では、アグロフォレストリーの実践によって土地の浸食を押さえ、コーヒーや果樹等多品種栽培に取組む農家を視察しました。最後に河口部において、 農場レベルでの取組がランドスケープの保全につながっている様子を視察しました。

◇1月25日(水) 9:00~17:00  効果的なプロジェクトプログラム実施のための技術

COMDEKSのすべてのプロジェクトサイトで適用された「レジリエンス指標」のほか、SEPLSに関連する農業生態系の生産性と持続可能性の向上の評価ツール、ランドスケープレベルでのガバナンスシステム評価ツールについての解説と演習が行われました。

◇1月26日(木) 9:00~16:45  今後の展開に向けた戦略の検討

FAO等の関連プログラムとの相乗効果やランドスケープアプローチによるスケールアップの機会について、プレゼンテーションとパネルディスカッションが行われました。また、ランドスケープレジリエンスを高めるプロジェクト運営や知見の創出、コミュニティ、資金提供者、政策立案者等とのコミュニケーション方法について経験の共有と今後に向けた検討が行われました。


(参考)

SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)

SATOYAMAイニシアティブは、SEPLSにおける生物多様性の保全やその持続可能な利用の促進のため、環境省及び国連大学サステイナビリティ高等研究所が中心となって提唱してきた取組みです。IPSIは本イニシアティブの活動を促進するため、2010年に開催された生物多様性条約第10回締約国会議 (COP10)の期間中、国・地方政府、研究機関、国際機関、NGO、民間企業等、多様な主体の参加を得て発足した国際パートナーシップです。現在、国際機関のほか、16ヵ国の政府を含む合計202団体が参加しています。

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8275
室長   中尾文子(内線 6480)
室長補佐 田端朗子(内線 6484)