報道発表資料

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2016年11月11日
  • 地球環境

『日本の気候変動対策支援イニシアティブ~途上国のニーズに応えて~』 の発表について

日本は、これまで気候変動分野において、我が国の技術や経験に基づき、様々な国際支援に取り組んできました。
全ての国が参加する枠組みであるパリ協定の実施に当たっては、国際的な協調の下、効果的な支援を展開していくことが重要です。このため、日本が実施している気候変動分野における主な途上国支援を取りまとめ、分かりやすく途上国等に示すためのイニシアティブを発表します。
今後、本イニシアティブに基づいて、日本の強みを活かしつつ、途上国のニーズに応じた支援を実施していくとともに、国際的なパートナーシップへの参加や、国内外の研究機関・支援機関等とも連携・協働し、パリ協定の実施を後押ししていきます。

パリ協定の実施に向け、日本の強みを活かした国際貢献の代表例について、要点は以下のとおり。【添付1を参照。】

(1)JCM等を通じた優れた低炭素技術の普及

 〇我が国がリーダーシップを発揮して世界に先駆けて実施している二国間クレジット制度(JCM)等を活用し、途上国のニーズに応じた技術支援を今後も積極的に実施。

 〇パリ協定の市場メカニズム運用に係る実効性あるルール作りに、我が国が持つJCM下でのクレジット発行等の知見・経験をフル活用して貢献。

(2)知見・経験の共有による適応能力の拡充

 〇グローバル及び地域レベルのネットワークを通じ、我が国の知見や技術を活用した途上国における適応に関する理解の促進、政策的な進展の支援に貢献。新たに展開する米国との二国間での協力による成果も活用。

 〇本年8月に国立環境研究所に設置した「気候変動適応情報プラットフォーム」を、気候変動影響の情報に関する国際的なハブ機能を有する「アジア太平洋適応情報プラットフォーム」に2020年を目途に発展。気候変動による農業影響や災害リスクの予測等の気候変動の影響予測計算も実施。これにより、途上国における科学的知見に基づく適応計画の策定・実施を支援。民間企業によるアジア太平洋地域における適応ビジネスの展開や民間投資も情報面から支援。

(3)透明性枠組につながる人材育成を通じた測定・報告・検証(MRV)の能力向上

 ○透明性はパリ協定の実効性を確保するために重要であり、本協定の野心度を向上させるメカニズムを適切に機能させるための要素でもある。我が国は、温室効果ガスインベントリの精度向上や隔年更新報告書(BUR)の作成能力向上のため、14年間にわたり途上国向けのワークショップを開催。今後も本取組に積極的に取組み、充実させる。

 ○本取組で培った知見・経験をパリ協定の透明性に関するルール作りに反映し、世界全体の着実な排出削減に寄与。

(4)総合的なフロン排出抑制対策に向けた制度構築の促進

 〇フロン類の排出削減に基盤となる排出インベントリの作成に係る支援を拡充。また、我が国の知見を活かし、フロン類の回収・破壊・再生処理などのライフサイクル全体で排出量を低減するための能力開発を支援。

 〇途上国における理解促進を図りつつ、将来的に、総合的なフロン排出抑制対策に係る制度構築へ。

 (5)気候変動対策と合わせた持続可能な社会への支援

 〇ASEAN諸国と連携し取り組んできた「環境的に持続可能な都市づくり」を、SDGsの達成に向けたプログラムとして新たに発展。

 〇我が国が進める日本と途上国の都市間の連携による環境改善事業においても、SDGsの複数の環境側面から取組の評価・促進を新たに進め、脱炭素社会への移行と持続可能な社会づくりを支援。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8330
室長:木野 修宏(内線6772)
補佐:工藤 里恵(内線6786)
主査:寺岡 裕介(内線 6774)

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