報道発表資料

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2016年10月24日
  • 地球環境

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第44回総会の結果について

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第44回総会が、10月17日(月)から20日(木)にかけて、バンコク(タイ)において開催されました。今次総会では、1.5℃特別報告書及び「温室効果ガスインベントリに関する方法論報告書」のアウトライン(章立て等)等が決定されました。

1.概 要

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第44回総会が、10月17日(月)から20日(木)にかけて、バンコク(タイ)において開催された。今次総会では、「1.5℃の地球温暖化:気候変動の脅威への世界的な対応の強化、持続可能な開発及び貧困撲滅への努力の文脈における、産業革命以前の水準から1.5℃の地球温暖化による影響及び関連する世界の温室効果ガス(GHG)排出経路に関するIPCC特別報告書」(以下、1.5℃特別報告書)のアウトライン及び「温室効果ガスインベントリに関する方法論報告書」(以下、方法論報告書)のアウトライン(章立て等)等について議論が行われ、それら2つの報告書のアウトラインが決定された。

日時
平成28年10月17日(月)から20日(木)までの4日間

開催地
バンコク(タイ)

出席者
125か国の代表、世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)等の国際機関等から 計約300名が出席。我が国からは、文部科学省、農林水産省、林野庁、経済産業省、気象庁、環境省 などから計15名が出席した。

2.総会の主な決定事項

IPCC第44回総会では、1.5℃特別報告書と方法論報告書のアウトライン(章立て等)等について議論が行われ、主な論点について、以下のとおり決定された。

※なお、以下に示す報告書のタイトル、章立て等の和文は暫定訳であり、今後変更の可能性がある。

(1.5℃特別報告書のアウトライン)

  • タイトルは「1.5℃の地球温暖化:気候変動の脅威への世界的な対応の強化、持続可能な開発及び貧困撲滅への努力の文脈における、産業革命以前の水準から1.5℃の地球温暖化による影響及び関連する世界の温室効果ガス(GHG)排出経路に関するIPCC特別報告書」とする。

  • 章立てを以下の通りとする。

    前付け(2頁)

    政策決定者向け要約(ヘッドラインステートメント、図表含めて10頁以内)

    第1章:枠組みと文脈(15頁)

    第2章:持続可能な開発の文脈において1.5℃と整合する緩和経路(40頁)

    第3章:自然及び人間システムにおける1.5℃地球温暖化の影響(60頁)

    第4章:気候変動の脅威に対する世界的な対応の強化と実施(50頁)

    第5章:持続可能な開発、貧困の撲滅及び不平等の削減(20頁)

    統合的な事例研究/地域的及び分野横断的なテーマに関する囲み記事(20頁以内)

    よくある質問と回答 (10頁)

    合計:225頁以内

  • 今後は、執筆者の政府推薦期間(2016年10月31日~12月11日)を経て、IPCCにより執筆者が選定され(2017年1月)、執筆者会合や、そこで作成された草案の専門家/政府査読を経て、IPCC第48回総会(2018年9月)において報告書が承認される予定。

(方法論報告書のアウトライン)

  • タイトルを「2006年IPCC国別温室効果ガスインベントリガイドラインの2019年改良(refinement)」とする。

  • フォーマットは、2006年ガイドラインに合わせ、概観の章と5つの部(volume)から構成される単一の報告書とする。

  • 改良作業は2006 年IPCC ガイドラインを改訂するものではなく、更新・追加・精緻化するものである。2019年改良は2006 年IPCC ガイドラインを置き換えるものではなく、2006年IPCC ガイドラインとともに使用される。

  • 今後は、執筆者の政府推薦期間(2016年11月)を経て、IPCCにより執筆者が選定され(2017年2月)、執筆者会合や、そこで作成された草案の専門家/政府査読を経て、IPCC第49回総会(2019年5月)において報告書が承認される予定。

3.次回総会の予定

2017年4月に開催される第45回総会(場所未定)において、「気候変動、砂漠化、土地の劣化、持続可能な土地管理、食料安全保障及び陸域生態系における温室効果ガスフラックスに関する特別報告書」および「気候変動と海洋・雪氷圏に関する特別報告書」のアウトラインを決定する予定。

連絡先
環境省地球環境局総務課研究調査室
直通 03-5521-8247
代表 03-3581-3351
室長  :竹本 明生(内線 6730) 
室長補佐:小沼 信之(内線 6731)
担当  :藤井 麻衣(内線 6733)