報道発表資料

平成28年9月27日
総合政策
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(仮称)増幌風力発電事業等7事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について

 環境省は、27日、北海道稚内市及び天塩郡豊富町で実施予定の「(仮称)増幌風力発電事業」等7事業(事業者:株式会社道北エナジー、総出力:約80万kW)に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

 環境大臣意見では、主に以下のような措置を求めている。
・希少猛禽類への影響等を避ける必要がある施設についての設置取りやめ
・渡り鳥への影響等が特に強く懸念される施設についての稼働調整
・専門家等からなる協議会を設置し、協議会の助言を踏まえた措置の実施

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書について、経済産業大臣からの照会に対して経済産業大臣に意見を述べることができるとされている。
 本件は、株式会社道北エナジーの「(仮称)増幌風力発電事業」等7事業に係る環境影響評価準備書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
 今後、事業者は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続きが求められる。

※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要

(1)事業者: 株式会社道北エナジー

(2)出力:①(仮称)増幌風力発電事業  88,000kW程度(25基)
      ②(仮称)樺岡風力発電事業  140,400kW程度(39基)
      ③(仮称)川西風力発電事業  136,800kW程度(38基)
      ④(仮称)川南風力発電事業  88,000kW程度(26基)
      ⑤(仮称)芦川風力発電事業  136,800kW程度(38基)
      ⑥(仮称)豊富山風力発電事業 55,000kW程度(21基)
      ⑦(仮称)勇知風力発電事業  158,400kW程度(44基)

                  (※1基あたりの出力は3,000kW程度)

3.環境大臣意見の概要

[1]総論

【5事業(①増幌・②樺岡・③川西・⑤芦川・⑦勇知)に共通の意見】

(1)設置基数及び配置等の見直しについて

 ア.騒音等

 騒音等による近隣住居への影響が懸念される風力発電施設については、設置の取りやめ又は配置等の大幅な変更を行うこと。 

 イ.海ワシ類

 海ワシ類の飛翔が高い頻度で確認されており、風力発電施設の稼働によりバードストライクや移動阻害の影響が懸念される風力発電施設については設置の取りやめ等を行うこと。 

 ウ.渡り鳥

 渡り鳥の主な渡り経路となっており、風力発電施設の稼働によりバードストライクや渡りの阻害の影響が懸念される風力発電施設については、設置の取りやめ又はあらかじめ稼働制限を行うこととし、詳細については、事業を実施する地域の自然環境に関する知見を有する専門家等からなる協議会の助言を踏まえて行うこと。 

(2)工事計画の見直しについて

 本事業の工事計画は、風力発電施設の設置及び工事用・管理用道路の新設・拡幅に係る改変面積及び土工量が著しく大きい計画となっており、水環境、動植物の生息・生育環境、生態系等への影響が強く懸念される。
 このため、以下の事項を念頭に、建設手法、道路計画等を見直すとともに、改変区域等の大幅な変更がある場合には、調査、予測及び評価を再度実施し、必要な環境保全措置を講ずること。

ア.発電設備の設置高及び道路線形の見直し等により、切土量、盛土量を減じ、改変面積の最小化を図ること。

イ.切土量、盛土量のバランスをとることにより、残土の発生を最小限に抑えること。

ウ.残土が生じた場合には、まず、既存の残土処理施設で適切に処理することを検討し、新たに土捨場等を設けて残土を処理する場合には、盛土の安定性を確保できる場所や工法を選択すること。

エ.希少な動植物の生息地・生育地や自然度の高い植生の改変を極力回避すること。

オ.アからエの検討を行ってなお、大規模な土工量が発生する風力発電施設及び工事用・管理用道路については、これらの設置の取りやめを含め、さらに配置等を見直すこと。

【7事業に共通の意見】

(1)事後調査等について

   事業実施後の影響の回避・低減のために、以下の取組を行うこと。

ア.事後調査及び環境監視を適切に実施し、追加的な環境保全措置を講ずること。

イ.追加的な環境保全措置の具体化に当たっては、客観的かつ科学的に検討すること。また、検討のスケジュールや方法、専門家等の助言、検討に当たっての主要な論点及びその対応方針等を公開し、透明性及び客観性を確保すること。

ウ.調査の結果について、環境影響を分析し、講ずる環境保全措置の内容、効果及び不確実性の程度について報告書として取りまとめ、公表すること。

エ.7事業及び周辺における他事業との累積的な影響に係る事後調査及び環境監視の実施に当たっては、他事業者と情報を共有し、合同で調査すること等により、累積的な影響を最大限把握すること。

オ.他事業者から必要な情報の提供依頼があった場合には、可能な限り情報を共有することで、地域全体の環境影響の低減を図ること。

(2)専門家等からの意見の反映と円滑な事業の実施に向けた協議会の設置等について

 事業の実施に当たっては、7事業全体として環境影響を継続的に把握し、その影響を最小限に抑えていく必要がある。また、事業の実施前から実施後にわたり、定期的に環境保全措置の状況等を地元等に報告し、その意見も踏まえつつ進めることが重要である。
 このため、特に渡り鳥を中心とした重要な鳥類への対応として、事業を実施する地域の自然環境に関する知見を有する専門家及び団体並びに地元自治体等による協議会を設置し、これを定期的に開催し、以下の事項に係る助言を踏まえて事業を実施すること。

ア.事業実施前

    ・環境保全措置(渡り鳥に関する稼働制限等)の内容

    ・事後調査の実施方針 等

イ.事業実施後

    ・環境保全措置(渡り鳥に関する稼働制限等)の実施状況

    ・事後調査の結果

    ・それを踏まえた追加的な環境保全措置の計画 等

 また、協議会の結果及びそれを踏まえた対応について公開することにより、透明性及び客観性を確保した上で、地元等の理解を得ながら、事業を実施すること。

[2]各論

【7事業に共通の意見】

(1)騒音等による環境影響 

 対象事業実施区域周辺には住居等が存在しており、風力発電施設の稼働等に伴う騒音等による環境影響が懸念されることから、以下の措置を講ずること。

ア.風力発電施設の設置前に、設置基数及び配置等の再検討を行うとともに、騒音の影響を考慮した風力発電施設の採用、防振シートの設置及び設置後の稼働制限等の環境保全措置を講ずること。また、それらの検討を踏まえ、予測及び評価を再度実施し、必要な環境保全措置を講ずること。

イ.適切に事後調査を実施し、その結果、環境影響が十分に低減できていないと判断された場合には、稼働制限等の追加的な環境保全措置を講ずること。

(2)鳥類に対する影響 

 対象事業実施区域及びその周辺では、オジロワシ等の希少猛禽類の飛翔が高頻度に確認されているほか、渡り鳥の主な渡り経路となっているため、本事業による重要な鳥類に対する環境影響を回避・低減する観点から、以下の措置を講ずること。

ア.バードストライクの発生を低減するために、ブレード塗装等の鳥類からの視認性を高める措置を施設稼働前に講ずること。

イ.事後調査を適切に実施し、重大な影響が認められた場合は、鳥類との衝突のおそれがある季節・時間帯の稼働制限等を含めた追加的な環境保全措置を講ずること。

ウ.併せて、稼働後において重要な鳥類の衝突等による死亡・傷病個体が確認された場合は、確認位置や損傷状況等を記録し、関係機関へ報告するとともに、死亡・傷病個体の搬送、傷病個体の救命及び原因分析を行い、追加的な環境保全措置を検証、実施すること。

(3)動植物及び生態系に対する影響

 本事業では、樹林帯を中心として大面積の土地改変を予定しており、重要な動植物や生態系に対する影響が懸念されるため、地形の改変量を最小限に抑制するとともに、改変する箇所については、現状の植生への回復を図ること。
 特に、樹林帯の改変を行う場合は、植栽等を行った後の下草刈り、間伐等の適切な施業を実施するとともに、補植などの必要な対策を講じ、確実に樹林帯への回復を図ること。

(参考)環境影響評価に係る手続き

 ①(仮称)増幌風力発電事業

【配慮書の手続き】
・縦覧           平成26年7月1日~平成26年7月31日
・北海道知事意見提出  平成26年9月26日
・環境大臣意見提出   平成26年8月21日

【方法書の手続き】
・縦覧           平成26年11月26日~平成26年12月25日(住民意見75件
・北海道知事意見提出  平成27年4月14日
・経済産業大臣勧告   平成27年5月1日

【準備書の手続き】
・縦覧           平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見77件
・北海道知事意見提出  平成28年9月21日
・環境大臣意見提出   平成28年9月27日

②(仮称)樺岡風力発電事業

【配慮書の手続き】
・縦覧           平成26年7月1日~平成26年7月31日
・北海道知事意見提出  平成26年9月26日
・環境大臣意見提出   平成26年8月21日

【方法書の手続き】
・縦覧           平成27年6月30日~平成27年7月29日(住民意見27件
・北海道知事意見提出  平成27年12月2日
・経済産業大臣勧告   平成27年12月18日

【準備書の手続き】
・縦覧         平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見72件
・北海道知事意見提出  平成28年9月21日
・環境大臣意見提出   平成28年9月27日

③(仮称)川西風力発電事業

【配慮書の手続き】
・縦覧           平成26年7月1日~平成26年7月31日
・北海道知事意見提出  平成26年9月26日
・環境大臣意見提出   平成26年8月21日

【方法書の手続き】
・縦覧           平成26年11月26日~平成26年12月25日(住民意見74件
・北海道知事意見提出  平成27年4月14日
・経済産業大臣勧告   平成27年5月1日

【準備書の手続き】
・縦覧           平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見74件
・北海道知事意見提出  平成28年9月21日
・環境大臣意見提出   平成28年9月27日

④(仮称)川南風力発電事業

【配慮書の手続き】
・縦覧           平成26年7月1日~平成26年7月31日
・北海道知事意見提出  平成26年9月26日
・環境大臣意見提出   平成26年8月21日

【方法書の手続き】
・縦覧           平成26年11月26日~平成26年12月25日(住民意見74件
・北海道知事意見提出  平成27年4月14日
・経済産業大臣勧告   平成27年5月1日

【準備書の手続き】
・縦覧           平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見74件
・北海道知事意見提出  平成28年9月21日
・環境大臣意見提出   平成28年9月27日

⑤(仮称)芦川風力発電事業

【配慮書の手続き】
・縦覧           平成26年7月1日~平成26年7月31日
・北海道知事意見提出  平成26年9月26日
・環境大臣意見提出   平成26年8月21日

【方法書の手続き】
・縦覧           平成26年11月26日~平成26年12月25日(住民意見78件
・北海道知事意見提出  平成27年4月14日
・経済産業大臣勧告   平成27年5月1日

【準備書の手続き】
・縦覧           平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見74件
・北海道知事意見提出  平成28年9月21日
・環境大臣意見提出   平成28年9月27日

⑥(仮称)豊富山風力発電事業

【配慮書の手続き】
・縦覧           平成26年7月1日~平成26年7月31日
・北海道知事意見提出  平成26年9月26日
・環境大臣意見提出   平成26年8月21日

【方法書の手続き】
・縦覧           平成26年11月26日~平成26年12月25日(住民意見78件
・北海道知事意見提出  平成27年4月14日
・経済産業大臣勧告   平成27年5月1日

【準備書の手続き】
・縦覧           平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見78件
・北海道知事意見提出  平成28年9月21日
・環境大臣意見提出   平成28年9月27日

⑦(仮称)勇知風力発電事業

【配慮書の手続き】
・縦覧           平成26年7月1日~平成26年7月31日
・北海道知事意見提出  平成26年9月26日
・環境大臣意見提出   平成26年8月21日

【方法書の手続き】
・縦覧           平成26年11月26日~平成26年12月25日(住民意見74件
・北海道知事意見提出  平成27年4月14日
・経済産業大臣勧告   平成27年5月1日

【準備書の手続き】
・縦覧           平成28年4月1日~平成28年5月2日(住民意見77件
・北海道知事意見提出  平成28年9月21日
・環境大臣意見提出   平成28年9月27日

                         ※:環境の保全の見地からの意見の件数

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局
環境影響審査室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8237
室長  :大井通博(内6231)
室長補佐:伊藤史雄(内6233)
審査官 :日下 崇 (内6248)
審査官 :生田雄一(内6239)

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