報道発表資料

平成28年9月13日
自然環境
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第6回世界自然保護会議の結果概要について

 国際自然保護連合(IUCN)主催の第6回世界自然保護会議(WCC6)が9月1日(木)から10日(土)まで、ホノルル(米国)で開催されました。日本からは、外務省、環境省、水産庁、国際自然保護連合日本委員会などのNGO他から50人以上が参加しました。IUCN会員総会では、生物多様性保全などに係る約100件の動議の採択やIUCNの2020年までの活動計画の決定のほか、役員選挙が実施されました。また、今総会では元駐日マレーシア大使の堀江正彦氏が南・東アジア地域の地域理事として再任が決定しました。環境省もIUCNの政府機関会員として議論に参加するとともに、イベントやポスター展示を通じて生物多様性の保全を呼びかけました。

1.第6回世界自然保護会議の概要

 世界自然保護会議は、IUCN(国際自然保護連合 International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)の4年に1度の会員総会と、それに併せて「世界自然保護フォーラム」の2つで構成されます。
 今回のテーマは、「Planet at the Crossroads(岐路に立つ地球)」でした。本テーマは、貧富の差の拡大や経済成長による生態系の健全性への影響の発生などにより岐路に立つ地球で、自然資源を保全しつつ一般の福利を向上させる政策・経済・文化・技術的選択が存在することも念頭に、各主体が協力していくことの必要性が伝えられました。

2.主な結果

 会員総会には、IUCNを構成する会員や科学者など、192カ国から1万人以上が参加しました。2017-2020のIUCN活動計画の決定、役員選挙、動議の採択などが行われました。また、世界自然保護フォーラムでは、900以上のワークショップ、イベントなどが開催されました。

(1)2017-2020のIUCN活動計画

2017-2020のIUCN活動計画が承認されました。当計画の主な点は以下の通りです。

  • 2013-2016の計画を引き継ぎ、3つのプログラム分野として、①自然の尊重・保全、②効果的で公平な自然資源の管理の促進と支援、③気候、食糧、開発の問題に対する自然に由来する解決策の普及、を掲げる。

  • 持続可能な開発目標(SDGs)との関連性やその達成に向けた取組みの実施に貢献することを重視。

  • 多様なステークホルダーに働きかけることができるなどのIUCNの強みを生かすことに言及。

(2)役員選挙

 IUCNの会長、理事、各専門委員会委員長などの選挙が実施されました。会長は現職である中国のジャン・シンシェン(Zhang Xinsheng)氏が再任されました。また、南・東アジア地域理事として、日本から堀江正彦・元駐マレーシア大使が再任されました。

(3)各種動議などの審議

 今次会合では、計105件(IUCNのガバナンスに関する動議6件を除く)の動議が承認されました。いずれの動議についても法的拘束力を有するものではありません。このうち20の動議については現地において審議がなされ、そのすべてが承認されました。その中には以下のものが含まれています。

  • 象牙の国内取引について合法的なものも含めて禁止するよう、IUCN事務局長にその支援を、各国政府にその制度の整備をすることを求める(動議7)

  • 私有地や共有地の自主的かつ長期にわたる保全の推進及び支援と、その生物多様性保全への貢献についての認識の向上を、IUCNの事務局長、各委員会、会員に求める(動議37)

  • 海域の最低30%の範囲では採取行為を一切行わず完全に持続可能な海をつくることを目指して、海域の最低30%を海洋保護区等の区域型保全措置のネットワークの中で設計することをIUCNの国家及び政府会員に求める(動議53)(※)

  • 気候変動により生態系や海洋生物への負の影響が発生している一方で、海洋・沿岸生態系は炭素吸収源として気候変動に大きな役割を果たすことを認識することを、IUCNの国家、政府機関、NGO会員に求める(動議61)

  • 企業が生物多様性に関する報告に取り組むことを求めるとともに、政府に対しては、その促進のための仕組みを構築することを求める(動議74)

  • 湿地における狩猟のための鉛弾使用の段階的廃止や代替弾使用を科学的根拠に基づき実施/検討することを、IUCN事務局長、各委員会、及び会員や各国政府に求める(動議90)

※日本の海洋保護区としては、様々な国内制度に基づき指定された区域が該当し、面積は約37万平方㎞(372,821㎢)で、管轄水域の約8.3%に該当します。

(4)環境省主催のサイドイベント

環境省では、以下のイベント及びポスター展示を行いました。

 ①社会・文化イベント「温泉いろいろ! 愉しみいろいろ!」

  ○日時
9月7日(水)13:00~14:30

  ○概要
野中ともよ氏のコーディネートにより、日本の温泉等について、合田純人氏などの有識者からトークセッションを通じて紹介がありました。

 ②ポスター展示「日本における生物多様性及び生態系サービスの総合評価(JBO2: Japan Biodiversity Outlook 2)」

  ○日時
会議期間中

  ○概要
平成26~27年度にかけて行った、日本における生物多様性及び生態系サービスの総合評価JBO2の結果について紹介しました。

(5)その他

 IUCN親善大使を務めるシンガーソングライターのイルカさんが出演し、IUCNの歌を各国の参加者の前で披露しました。

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8274
課長:奥田 直久 (内6430)

生物多様性地球戦略企画室
直通 03-5521-8275
室長:中尾 文子(内6480)
担当:林 優里 (内6482)

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