報道発表資料

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2016年05月16日
  • 地球環境

G7富山環境大臣会合の結果について

5月15日(日)~16日(月)に富山県富山市において開催されたG7富山環境大臣会合の結果をお知らせいたします。
  1. 日時

    5月15日(日)~16日(月)

  2. 場所

    富山県富山市

  3. 参加者(G7各国及びEU)

    日本:丸川 珠代 環境大臣

    イタリア:ジャン=ルーカ・ガレッティ 環境大臣

    カナダ:キャサリン・マッケナ 環境・気候変動大臣

    アメリカ:ジーナ・マッカーシー 環境保護庁長官

    ドイツ:バーバラ・ヘンドリクス 環境大臣

    EU:カルメヌ・ヴェッラ 環境・海事・漁業担当欧州委員

    フランス:ザヴィエ・スティッカー 環境大使

    イギリス:ソニア・フィパード 環境・食糧・農村地域省 環境・地方局長

  4. 概要

    (1)本会合では丸川環境大臣が議長を務め、7つの議題について議論し、成果をコミュニケとしてとりまとめた。(添付資料参照。)骨子は以下の通り。

    1)冒頭

    東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故により被災した地域における環境回復及び復興の進展の現状を説明。日本は、進展中の除染に関する情報と、それが一部地域における避難指示の解除及び地域経済の再生に貢献していることについて説明し、その他のG7環境大臣及びEU代表はその報告及び日本の取組を歓迎。

    また、熊本及び大分での最近の悲惨な地震によって被災した方々、並びに自然災害やそれによって引き起こされた環境の劣化に苦しんでいる方々に対して、心からの連帯の意を表明。

    2)持続可能な開発のための2030アジェンダ

    G7として、昨年9月の国連サミットにおける「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の採択を歓迎し、「持続可能な開発目標」(SDGs)を中核とする2030アジェンダの実施を、全てのレベルで促進していく強い決意を表明。また、G7メンバーにおいて、SDGsの実施に向けた取組が行われていることを歓迎。

    G7メンバーが協調してSDGsの環境的側面の実施に向けた行動を取ることの重要性が改めて共有され、環境問題の解決に向け、本会合後も継続して、実務者レベルでG7としての協調行動を立案していくことで一致。

    3)資源効率性・3R

    G7の取組についての進捗を確認するとともに、引き続き、資源効率性・3Rのために率先して継続的に取り組み、経済成長と天然資源利用との分断(デカップリング)を促進することで一致。また、UNEP国際資源パネル及びOECDからの報告を受け、協調した行動によって、環境のみならず、経済成長、技術革新、資源安全保障及び社会開発に多大な関連する便益をもたらすとの認識で一致。共通のビジョン、G7各国による野心的な行動、グローバルな取組の促進、着実なフォローアップを含む「富山物質循環フレームワーク」を採択。

    4)生物多様性

    生態系サービスへの支払等の経済的アプローチを活用した生物多様性の保全についてG7メンバーの経験を基に議論を深め、結果として同アプローチを進めることが重要であることで一致。また、遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分、野生生物の持続可能な利用、野生生物の違法取引への対処、違法伐採への対処、そして海洋生物多様性の保全と持続可能な利用といった課題も、経済的アプローチとリンクしながら、我々G7メンバーが今後引き続き取り組むべきものであるという認識で一致。

    5)気候変動及び関連施策

     歴史的な転換点であるパリ協定の採択及び170カ国以上の署名を歓迎し、各国の貢献の早期かつ着実な実施によりリーダーシップを示すことを決意。できる限り早期の協定への参加に向け必要な国内措置を講じ、他国とりわけ主要排出国にも取組を奨励。

    また、長期温室効果ガス低排出発展戦略の重要な役割を認識し、同戦略を可能な限り早期に、かつ十分にCOP21で定められた期限内に策定し提出することをコミット。

    低炭素社会の実現に向け、効果的・効率的な政策手段を組み合わせて国内対策をとることや、環境・社会・企業統治(ESG)投資の促進及び金融システムのグリーン化を通じた経済システムの転換が必要であることを認識。また、市場アプローチを含むカーボンプライシングはイノベーション及び低炭素投資の強化に効果的な手段であり、更に促進されるべき旨、強調。

    ハイドロフルオロカーボン(HFCs)の段階的な削減に係るモントリオール議定書改正を今年採択することを支持し、今年のICAO総会において世界的な市場型の措置に関する合意の重要性を強調。さらに、国内の適応を効果的に推進するための組織的対応・制度を強化することの重要性を確認。

    6)化学物質管理

    化学物質による悪影響を最小化し、適正に管理していくための取組について努力していくことの重要性を認識するとともに、2020年以降の化学物質と廃棄物の適正管理に関する国際的な議論の加速化に引き続き取り組むことで一致。併せて、水銀に関する水俣条約の早期発効と締約国による効果的な実施を引き続き支持することや、化学物質が子どもの健康や成長に与える影響を理解するための長期的かつ大規模な疫学調査を高く評価しつつ、子どもの環境保健に関する科学的知見の共有を推進することで一致。

    7)都市の役割

    気候変動の緩和策や適応策を含む環境保護の対策を促進するにあたり、都市の果たし得る役割の重要性が高まっていることを再確認。これまでも積極的に推進されてきた都市による先進的な取組の促進を、中央政府による取組とあわせて奨励していくことで一致。

    8)海洋ごみ

    海洋ごみについて、昨年のエルマウ・サミットで合意された首脳宣言附属書の「海洋ごみ問題に対処するためのG7行動計画」に関して、今後の効率的な実施の重要性について再認識するとともに、G7として、各国の状況に応じ、優先的施策の実施にコミットすることにつき一致。

    さらに、G7として、ベスト・プラクティスを共有し、G7以外の国に対するアウトリーチ活動を促進するため、定期的なフォローアップにコミットすることに合意。

    9)将来の会合

    議長権を有するG7各国が、それぞれの議長国の権限に従いG7環境大臣会合の定期開催を検討すべきであるという同一の見解を共有。

    (2)本会合のパラレルセッションとして、「都市の役割」を議題とした会合を開催し、地球温暖化対策及び環境保全施策の実施について、先進事例を紹介するとともに、議論を行った。

    1)共同議長

     ・森 雅志 富山市長

     ・浜中 裕徳 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)理事長

    2)参加者:

    ブリストル市 (英国):ジョージ・ファーガソン市長(2012-2016)

    フィレンツェ市(イタリア):ダリオ・ナルデッラ市長

    フランクフルト・アム・マイン市(ドイツ):ペーター・フェルトマン市長

    東松島市(日本):阿部 秀保市長

    北九州市(日本):北橋 健治市長

    富山市(日本):森 雅志市長

    バンクーバー市(カナダ):グレゴール・ロバートソン市長

    ヴィトリー・ル・フランソワ市(フランス):ジャン・ピエール・ブーケ市長

    100のレジリエントシティ(100RC):エリザベス・イー 戦略的パートナー

    シップ及びソリューション担当副会長 

    地球環境ファシリティ(GEF):石井 菜穂子 CEO兼議長

    イクレイ-持続可能性をめざす自治体協議会(ICLEI):ウォルフガング・ト

    イブナー ヨーロッパ事務局長

    内閣府 環境未来都市推進委員会:村上 周三 座長

    3)結果概要

    本パラレルセッションの参加者は、都市が果たす重要な役割を強調しつつ、持続可能な社会への移行を実践する自治体の先進的な取組についての認知・支援・共有や、自治体のネットワークの促進、都市の役割の主流化等について、G7各国政府の今後の取組や更なる連携等に期待する旨を共有した。

    ※「都市の役割」について、別途議長サマリーをとりまとめた。

  5. 参考

    G7富山環境大臣会合公式ウェブサイト:

    https://www.env.go.jp/earth/g7toyama_emm/

添付資料

連絡先
環境省地球環境局国際連携課「2016年G7環境大臣会合」開催準備室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8243
課  長:瀬 川 恵 子 (内線:6760)
課長補佐:福 井 和 樹 (内線:7722)
担  当:北井上 礼 樹 (内線:7753)

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