報道発表資料

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2016年01月25日
  • 水・土壌

平成26年度水環境における放射性物質のモニタリング結果について(お知らせ)

 今般、水環境における放射性物質のモニタリング(①全国の放射性物質モニタリング(平成26年度分)、②福島県及び周辺地域の放射性物質モニタリング(平成23年~平成26年度分)等)について、その結果をとりまとめましたので、お知らせします。
 なお、当該モニタリング結果については、平成27年3月に、平成26年末までのデータについてとりまとめ、評価したものを公表しておりますが、今般、年度単位でとりまとめ・評価を行うこととしたため、データの追加等を行い、平成26年度までのデータのとりまとめ結果として公表するものです。

1.経緯

 環境省では、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、「福島原発事故」という)を受けて、平成23年から福島県及び周辺地域での放射性物質モニタリングを実施するとともに、水質汚濁防止法の改正(平成25年12月施行)を踏まえ、平成26年度から全国の公共用水域及び地下水における放射性物質モニタリングを実施しています。これらの結果は、随時、速報値として公表してきました。

 今般、上記モニタリング(①全国の放射性物質モニタリング(平成26年度)及び②福島県及び周辺地域で実施した放射性物質モニタリング(平成23年~平成26年度)等)について、その結果を評価し、とりまとめました。

 本とりまとめの概要は、以下のとおりです。また、とりまとめの詳細は、以下の環境省ホームページに掲載しています。

https://www.env.go.jp/air/rmcm/index.html

 なお、当該モニタリング結果については、平成27年3月に、平成26年末までのデータについてとりまとめ、評価したものを公表しておりますが、今般、年度単位でとりまとめ・評価を行うこととしたため、データの追加等を行い、平成26年度までのデータのとりまとめ結果として公表するものです。

2.概要

2-1.全国の放射性物質モニタリング(平成26年度)

○ 全国の公共用水域及び地下水における放射性物質の存在状況の把握を目的として、全国47都道府県において、公共用水域、地下水とも各110地点で平成26年度から開始したモニタリング(以下、「全国モニタリング」という)。

○ 全β及び検出されたγ線核種は、底質で過去の測定値より比較的高い値が検出された1地点を除き、過去の測定値の傾向の範囲内であった。検出下限値は、物質ごと、地点ごとに異なるが、概ね水質で0.001~0.1Bq/L程度、底質で1~100Bq/L程度であった。

○ 公共用水域及び地下水の一部の地点で、K-40が高い地点があったが、海水の影響等によるものと考えられた。

○ 自然核種では、過去に全国的な規模で調査事例がない又は調査事例はあっても検出されたことのない核種が検出されたが、いずれもトリウム系列又はウラン系列の核種で、通常天然の土壌岩石などに含まれるものと考えられた。

○ 公共用水域の一部の地点で、検出下限値を超える人工核種Cs-134及びCs-137が確認されたが、過去の測定値の傾向の範囲内であった。

○ 水環境における放射性物質の存在状況を把握するため、次年度以降も継続して本モニタリングを実施することが適当である。

2-2.福島県及び周辺地域の放射性物質モニタリング(平成23年度~平成26年度)

○  福島原発事故を受けて、当該事故由来の放射性物質の水環境における存在状況の把握を目的として、福島県及び周辺地域において、公共用水域で約600地点、地下水で約400地点で、平成23年8月以降継続的に実施してきたモニタリング(以下、「震災対応モニタリング」という)。

○  平成23年度のモニタリング開始当初から平成26年度までの放射性セシウムの測定結果の概要は、以下のとおりであった。

<公共用水域>

1) 水質(検出下限値:1Bq/L)

・ 河川及び湖沼では、検出率は全県で減少傾向で推移し、福島県以外では平成25年度以降検出されていない。

・ 沿岸では、全地点で不検出であった。

2) 底質(検出下限値:10Bq/kg)

a) 濃度分布

・ 河川では、福島県浜通り、会津、茨城県及び千葉県の一部で、比較的高いレベルの地点があった。そのほかの都県等では、全体として比較的低いレベルであったが、部分的に、比較的高濃度の地点があった。

・ 湖沼では、福島県浜通りの一部で、比較的高いレベルの地点があった。そのほかの都県等では、全体として比較的低いレベルであったが、部分的に、比較的高濃度の地点があった。

・ 沿岸では、宮城県及び福島県の一部で、比較的高いレベルの地点があった。そのほかの都県では、全体として比較的低いレベルであった。

b) 増減傾向

・ 河川では、ほとんどの地点で減少傾向がみられた。

・ 湖沼では、ばらつきがみられる地点はあるものの、それ以外の地点では、ほとんどの地点で減少又は横ばい傾向がみられ、一部の地点において増加傾向がみられた。

・ 沿岸では、ばらつきがみられる地点はあるものの、それ以外の地点では、ほとんどの地点で減少傾向がみられた。

<地下水>

・ 地下水の水質については、平成23年度に検出された2地点を除き、全地点で不検出であった(検出下限値1Bq/L)。

○  放射性セシウム以外の核種については、以下のとおりであった。

・ I-131:公共用水域及び地下水について、全地点で不検出であった。

・ Sr-89:地下水について、全地点で不検出であった。

・ Sr-90:公共用水域の底質について、一部の地点で検出されているものの、放射性物質濃度は減少傾向であった。地下水について、全地点で不検出であった。

○ 放射性物質濃度は、地点によっては、採取回ごとの試料の採取場所及び性状のわずかな違いによっても数値の増減変動にばらつきが見られると考えられることから、次年度以降も継続して本モニタリングを実施することが適当である。

2-3.その他の全国規模で実施された放射性物質のモニタリング(平成26年度)

○  全国における原子力施設等からの影響の有無を把握することを目的として、原子力規制委員会が実施する環境放射能水準調査(以下、「水準調査」という)の結果(平成27年11月30日時点公表分)は、全て、過去の測定値の傾向の範囲内であった。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課
代  表:03-3581-3351
直  通:03-5521-8316
課  長:二村 英介(内線6610)
課長補佐:加藤 真一(内線6616)
係  長:佐々木敏晃(内線6614)

環境省水・大気環境局土壌環境課地下水・地盤環境室
直  通:03-5521-8309
室長補佐:林  里香(内線6604)
担  当:佐藤 孝行(内線6609)

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