報道発表資料

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2016年01月19日
  • 自然環境

SATOYAMA イニシアティブ国際パートナーシップ第6回定例会合の結果について(お知らせ)

 平成28年1月12-14日、シェムリアップ(カンボジア)において「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)第6回定例会合」が開催されました。             
 本会合では、「持続可能なランドスケープ・シースケープ管理のための戦略的な活動の評価と展望」をテーマに、IPSI総会、公開フォーラムおよびエクスカーションが行われました。なお、総会では運営委員会の改選案が承認されました。

※SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)

SATOYAMAイニシアティブは、二次的自然環境における生物多様性の保全やその持続可能な利用の促進のため、環境省及び国連大学サステイナビリティ高等研究所が中心となって提唱してきた取組みです。IPSIは本イニシアティブの活動を促進するため、2010年に開催された生物多様性条約第10回締約国会議 (COP10)の期間中、国・地方政府、研究機関、国際機関、NGO、民間企業等、多様な主体の参加を得て発足した国際パートナーシップです。現在、国際機関のほか、16ヶ国の政府を含む合計184団体が参加しています。なお、IPSIには、意思決定機関として全ての参加団体を構成員とする総会と、パートナーシップの運営等について審議するための運営委員会が設置されています。

1.実施主体

主催:IPSI事務局(国連大学サステイナビリティ高等研究所)、日本政府環境省、カンボジア政府環境省

2.目的

(1)総会:IPSIの今後の運営や活動の方向付けを行うこと

(2)公開フォーラム:IPSIのメンバーのみならず、メンバー以外へもIPSI及び各メンバーの活動を紹介し、協力や連携を図ること

3.日程:平成28年1月12日(火)~14日(木)

4.開催地:シェムリアップ(カンボジア)、エンプレス アンコール ホテル

5.本会合のテーマ

「持続可能なランドスケープ・シースケープ管理のための戦略的な活動の評価と展望」

(Planning and reviewing strategic actions for sustainable landscape and seascape management)

6.結果概要

◇1月12日(火)13:30 - 15:30 (総会)

・IPSI参加団体より60名および一般を含む、約320名が参加しました。

・総会開会に際し、シェムリアップ州チャイ・ヒエン副知事、武内和彦国連大学上級副学長、キエウ・モット環境省長官より開会挨拶がありました。

・総会議長には、武内和彦国連大学上級副学長およびティン・ポンロック環境省持続可能開発評議会事務総局局長(カンボジア)が選出されました。

・IPSI運営委員会議長より、第5回定例会合(平成24年10月:韓国、ピョンチャン)以降に加入が承認された新しいメンバー(12団体)、および新たに承認されたIPSIメンバー同士の協力活動(5活動)について報告がありました。これにより、IPSIメンバーは184団体(別添1参照)、協力活動は34活動(別添2参照)となりました。

・また、本総会をもってIPSI運営委員会メンバー(19団体)が任期を満了したことから、運営委員の改選が行われました。今回の改選によりIPSI運営委員会のメンバーは合計21団体となりました(別添3参照)。

・次回の第7回定例会合について、サバ州天然資源事務所(マレーシア)よりホストしたい旨申し出があり、今後事務局と調整していくこととなりました。

◇1月12日(火)16:00 - 18:10 (公開フォーラム) 

・IPSI総会に引き続き公開フォーラムが開催され、約320名が参加しました。

・公開フォーラムにおいては、リブ・アンド・ラーン環境教育 (LLEE)のジェディ・スミス氏、地球環境ファシリティ(GEF)事務局の渡辺陽子氏がモデレーターを務めました。

・今回のパブリックフォーラムは「IPSI行動計画2013-2018(*1)」の中間レビューに向け、参加団体からの事例発表を行うとともに、IPSIや参加団体のこれまでの活動を4つの「IPSI戦略目標(*2)」の観点からレビューし、今後の展望を検討することを目的として開催されました。

・冒頭、全体会合において、カンボジアにおけるSATOYAMAイニシアティブの推進に関する活動について、6件の発表が行われました。

*1:SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)行動計画2013-2018:第4回定例会合(IPSI-4)において採択されたIPSIの行動計画。実施から3年後に中間レビューを行うこととされている。

(参考)SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)行動計画2013-2018

http://satoyama-initiative.org/wp/wp-content/uploads/2013/08/IPSI-Plan-of-Action_JP.pdf

*2:IPSI戦略目標:第3回定例会合(IPSI-3)において採択された戦略計画に定められた目標。「①社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープについての知識と理解の向上」、「②社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープの劣化要因への対処」、「③社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープの恩恵の拡大」、「④能力形成・資金調達」の4つの戦略目標が定められている。

(参考)SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)戦略

http://satoyama-initiative.org/wp/wp-content/uploads/2013/08/IPSI_Strategy_JPN.pdf

◇1月13日(水)8:30 - 17:30 (公開フォーラム)

・午前中、IPSI戦略目標ごとに4つのグループに分かれ分科会が行われました。分科会では、IPSI参加団体からの事例発表に基づき、戦略目標に関する具体的活動の実施状況と今後強化すべき活動等について議論を行いました。

・午後の全体会合においては各グループの議論結果の報告が行われるとともに、IPSI事務局が実施したメンバーの活動状況等に関するアンケートの暫定結果が共有されました。また、これらを踏まえ今後のIPSI活動の展望について活発な議論が行われました。

・分科会と全体会合における議論を通じて、「IPSI行動計画2013-2018」の達成状況に関する有益な情報の提供や実施推進のための提案などがありました。

・公開フォーラムの結果は、今後IPSI事務局が作成する中間レビューレポートなどに反映される予定です。

◇1月14日(木)終日:エクスカーション

・エクスカーションには60名が参加し、アンコールワット世界遺産地域内において行われている村落開発プロジェクト「アンコール・コミュニティ遺産および経済推進プロジェクト(ACHA)」の現場を訪問しました。遺跡を保存するための水環境の保全・復元の重要性や、遺産地域内に居住する住民による伝統的な知識や農耕活動と遺産管理との密接な関連などについて紹介がありました。

・なお、現場間の移動には、バスの他、アンコールワット世界遺産地域の環境保全と温暖化防止対策のために導入された電気自動車が使用されました。

7.その他

 IPSI-6の結果概要については、近日中に以下のウェブサイトに掲載される予定です。

【SATOYAMAイニシアティブウェブサイト】http://satoyama-initiative.org/ja/12-14-january-2016-the-sixth-ipsi-global-conference-ipsi-6-in-siem-reap-cambodia/

添付資料

別添1:SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)メンバーリスト(平成28年1月12日現在)

別添2:SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)協力活動リスト(平成28年1月12日現在)

別添3:IPSI運営委員会メンバーリスト(平成28年1月12日現在)

https://www.env.go.jp/press/index.html

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8275)
室  長:中尾 文子(内:6480)
室長補佐:田端 朗子(内:6484)

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