報道発表資料

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2015年12月24日
  • 保健対策

平成28年春の花粉総飛散量及び飛散開始時期の予測(第1報)について(お知らせ)

 平成28年春のスギ・ヒノキ花粉の予測(第1報)を公表します。

(1)スギ・ヒノキ花粉総飛散量について
■ 平成27年春と比較すると、四国及び九州地方、中国地方の大部分並びに東海地方の一部で「かなり
  多い」、関東、東海、近畿及び中国地方の一部で「やや多い」又は「多い」となる見込みです。
  その他の地域では「前年並み」又は「やや少ない」と予測されます。
■ 例年と比較すると、中国地方の一部で「かなり多い」、関東、中国及び四国地方の一部で「やや
  多い」となる見込みです。その他の地域では「例年並み」から「少ない」となると予測されます。

(2)スギ花粉の飛散開始時期について
■ 平成27年春との比較では、東北及び中国地方の一部でやや遅くなると予測されますが、その他の
  地方は前年と同様か、やや早くなると予測されます。
■ 例年との比較では、全国的に例年並みかやや早くなると予測されます。

(3)今後の予定
■ スギ雄花の調査結果や最新の気象予報等を踏まえた第2報を1月下旬頃に公表予定です。なお、
  民間において花粉飛散に関する予測が広く行われるようになったことを踏まえ、環境省による予測は
  平成28年春をもって終了します。

注1:

東北地方:福島県、山形県、秋田県、宮城県、岩手県、青森県

関東地方:神奈川県、東京都、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県

甲信地方:長野県、山梨県

北陸地方:福井県、石川県、富山県、新潟県

東海地方:三重県、愛知県、岐阜県、静岡県

近畿地方:兵庫県、大阪府、京都府、奈良県、和歌山県、滋賀県

中国地方:山口県、広島県、岡山県、島根県、鳥取県

四国地方:香川県、徳島県、愛媛県、高知県

九州地方:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県

注2:例年比または前年比が、180%~:かなり多い、150~180%未満:多い、120~150%未満:やや
   多い、80~120%未満:並、50~80%未満:やや少ない、50%未満:少ない

注3:例年値は過去10年間の平均

1.背景

 環境省では、花粉症に関する調査研究の一環として、平成16年度から花粉飛散予測を行っています。今般、平成28年春(1月末から5月)における花粉飛散量及び飛散開始時期の予測(第1報)を取りまとめましたので公表いたします。

※1 平成27年度花粉症に関する調査・検討業務(請負先:ウェザー・サービス株式会社)

2.平成28年春のスギ・ヒノキ花粉総飛散量の予測について(参考資料1)

 春に飛散するスギ及びヒノキ花粉の数は前年夏(6月~8月、特に7月上旬~8月中旬)の気象条件に大きな影響を受け、日照時間が多く、気温が高い夏は、翌年春の花粉飛散量が多くなります。また、少量飛散年の翌年はスギ雄花の着花量が増加するという傾向が見られます。

(1) 夏の気象及びスギ雄花の状況について

 平成27年の7月は東日本と北日本でスギやヒノキの雄花形成が多くなる気象条件になり、西日本では逆に雄花形成が少ない気象条件になりました。しかし、8月中~下旬には全国的に天候不順となり、東日本ではこれらの気象条件等の影響で、前シーズンよりスギ雄花の形成が不良の地域が多くなりました。一方で、西日本は気象条件よりも、前シーズンの花粉飛散量が非常に少なかったこと等の影響が大きく、前シーズンよりスギ雄花の着花量が増加した地域が多くなりました。

(2) スギ・ヒノキ花粉総飛散量の予測について

① 前シーズンとの比較

 平成28年春の花粉飛散量は前シーズンと比較すると、東北地方では「やや少ない」となる地域が多く、関東及び北陸地方では「前年並み」、甲信及び近畿地方では「前年並み」又は「やや少ない」となる地域が多い見込みです。一方で東海地方は、「かなり多い」地域から「やや少ない」地域まで幅広く存在し、中国、四国及び九州地方は大半の地域で「かなり多い」となると予測されます。

② 例年との比較

 例年との比較では、東北及び甲信地方では「例年並み」又は「やや少ない」となり、関東、四国及び九州地方では「例年並み」、北陸、東海及び近畿地方では「やや少ない」となる地域が多い見込みです。中国地方は「例年並み」の地域から「かなり多い」地域まで幅広く存在すると予測されます。

3.平成28年春のスギ花粉飛散開始時期予測について(参考資料2)

 スギ花粉を放出する雄花の開花時期は、開花までの気温の推移と相関があり、特に1月、2月の気温が高いほど早まります。

(1) 気温の状況について

 平成27年11月の気温は全国的に平年より高い日が多くなりました。気象庁の1か月予報(12月17日発表)によると、12月もこの傾向が続き、気温は全国的に高くなる見込みです。また、1か月予報及び気象庁の3か月予報(11月25日発表)によると、平成28年1月と2月の気温は、北日本では平年並みですが、東及び西日本では平年並みかやや高くなると予測されています。

(2) スギ花粉飛散開始時期の予測について(前シーズン及び例年との比較)

 平成27年春との比較では、東北及び中国地方の一部でやや遅くなると予測されますが、その他の地方は前年と同様か、やや早くなると予測されます。例年との比較では、全国的に例年並みかやや早くなると予測されます。

4.花粉症予防対策について

 花粉の曝露を避けるための基本的な対策には、以下のものが挙げられます。

・マスク、メガネを着用する。特にマスク内側に当てガーゼを付けると効果が高い。

・換気時にはレースのカーテン等で遮るとともに、開窓を10cm程度にとどめる。

・掃除はこまめに行い、掃除機の使用だけでなく、濡れ雑巾やモップによる清掃を行う。

・洗濯物は屋内に干す。

・衣類の素材は羊毛や毛織物は避け、ポリエステルや綿製品で起毛のないものを着用する。

 上記については、花粉症に係る各種関連情報を紹介する「花粉症環境保健マニュアル2014」

https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual.html )で、より詳しい内容がご覧いただけます。

5.その他

(1) 本予測(第1報)に関する留意事項

 本予測(第1報)は、現時点で得られた気象データ、気象庁の季節予報、前年の花粉飛散量及びスギ雄花調査の簡易的な分析結果等を踏まえて作成されたものであり、今後の状況により適宜変更される可能性があります。

(2) 平成28年春シーズンの対応

 環境省では、花粉に関する情報をホームページで公開しています。このホームページでは、花粉症に関する最新の知見を紹介する「花粉症環境保健マニュアル2014」や、各自治体のホームページをはじめとする花粉に関するリンク集等を掲載しており、随時、更新していく予定です。

 環境省花粉情報サイト:https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/index.html 

(3) 今後の予定について

 今後、最新の気象予報やスギ雄花調査の詳細な分析結果等を踏まえた第2報を1月下旬頃に公表する予定です。なお、民間において花粉飛散に関する予測が広く行われるようになったことを踏まえ、環境省による予測は平成28年春をもって終了いたします。

【本件発表に係る詳細についての問合せ先】

○ スギ・ヒノキ花粉飛散予測(スギ及びヒノキ雄花花芽調査含む)に関すること

  ウェザー・サービス株式会社  連絡先:043-445-8355  担当:勝部、栗本

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代 表 :03-3581-3351 
直 通 :03-5521-8261
課 長  立川 裕隆 (内6350)
課長補佐 加藤 拓馬 (内6365)

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