報道発表資料

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2015年12月07日
  • 総合政策

交通政策審議会第61回港湾分科会に係る港湾計画に対する環境省意見について(お知らせ)

 環境省は7日、交通政策審議会第61回港湾分科会において審議される名古屋港港湾計画の改訂及び北九州港港湾計画の一部変更に対して、環境保全の観点から意見を提出した。
 名古屋港港湾計画の改訂では、港湾関連用地等の埋立て、航路・泊地の増深及び臨海道路の新設等を計画する。北九州港港湾計画の一部変更では、洋上風力発電施設の導入を図るための区域等を計画する。
 環境省意見では、名古屋港港湾計画については、埋立てによる海域環境への影響の回避・低減に努めること等を、北九州港港湾計画については、事業者に対して、鳥類及び藻場への重大な影響を及ぼさないよう配慮するよう求めること等について言及している。
 なお、環境省意見は、国土交通省を通じて、港湾管理者に伝達される。

1.港湾計画に対する意見提出について

 本日開催の交通政策審議会第61回港湾分科会において、名古屋港港湾計画の改訂及び北九州港港湾計画の一部変更の2件について諮問及び審議されることとなっている。

 環境省は、環境保全の観点から、これら2件について以下の意見を提出した。

2-1.名古屋港港湾計画の改訂の概要及び環境省意見

(1)計画の改訂の概要

 ・完成自動車等の貨物の取り扱い等に対応するため、約88haの港湾関連用地等の埋立てを計画する。

 ・船舶の大型化に対応するため、航路・泊地の増深を計画する。

 ・埠頭間の交通円滑化のため、臨港道路の新設を計画する。

(2)環境省意見

(i)埋立てによる海域環境への影響及び浚渫土砂について

 本計画改訂において、約88haの港湾関連用地等の埋立てが計画されている。閉鎖性海域である伊勢湾北部に位置する事業実施区域の周辺海域では、pH、CODの環境基準が達成されておらず、水路を含めた埋立てによる海水交換の低減が懸念されることから、事業化にあたっては、海浜や環境配慮型護岸による水質改善も含め、海域環境への影響の回避・低減に努められたい。

 また、本計画改訂において、航路・泊地の増深が計画され、浚渫土砂の発生と埋立地の造成が見込まれている。名古屋港においては、浚渫土砂の新たな処分場計画の検討も進んでいるところ、港湾管理者におかれては、長期的、総合的な視点に立って、浚渫土砂量の低減方策を引き続き検討・実施するとともに、浚渫土砂の海域環境修復等への有効利用を推進するよう努められたい。

(ii)道路交通騒音の低減について

 本計画改訂において、臨港道路の新設が計画されている。当該臨港道路に接続する既設道路において、道路交通騒音が増加し、環境基準を超過することが予測されている状況を踏まえ、港湾管理者におかれては、関係機関と協力しつつ、効率的な物流体系の構築や、対策協議会への参画、啓発活動等により、港湾関連交通量の低減並びに港湾関連車両の適切な経路への誘導等の対策を引き続き講ずるとともに、道路舗装の機能向上等による道路交通騒音低減対策を実施されたい。

2-2.北九州港港湾計画の一部変更の概要及び環境省意見

(1)計画の一部変更の概要

 ・洋上風力発電施設の導入を図るため、再生可能エネルギー源を利活用する区域を計画する。

(2)環境省意見

 本計画の一部変更において、再生可能エネルギー源を利活用する区域が計画されている。再生可能エネルギーの利活用は、地球温暖化対策の観点から重要であり、洋上風力発電施設の導入について適切に対応頂きたいところであるが、その際に自然環境保全の観点から、以下のとおり意見する。

 当該区域の周辺には、鳥類の集団繁殖地である白島鳥獣保護区特別保護地区が位置しており、また当該区域内には藻場が分布していることから、当該区域への洋上風力発電施設の設置は、鳥獣保護区に繁殖する鳥類、藻場等の自然環境に影響を及ぼすことが懸念される。

 そのため、公募の実施に当たっては、事業者に対して、鳥類の繁殖や藻場の分布を含む自然環境特性に応じた自然環境調査を実施し、その結果を踏まえ、鳥類及び藻場への重大な影響を及ぼさないよう配慮する措置を求められたい。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8237
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:吉澤 泰輔(内6248)

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