報道発表資料

平成28年1月29日
廃棄物
この記事を印刷

平成27年度有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップの結果について

 環境省は、平成27年11月23日(月)~同年11月25日(水)にシンガポールにおいて、シンガポール環境庁と共催で、有害廃棄物の越境移動に関するバーゼル条約のアジア地域の担当官が一堂に会する、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワーク(参加国:アジア太平洋地域から12カ国)のワークショップを開催しました。
 アジアでは、各国の急速な経済成長を背景に、バーゼル条約の規制対象物である電気・電子機器廃棄物(E-waste)等の輸出入が増加傾向にあり、バーゼル条約に違反して不法に取引されたE-wasteが混入したミックスメタルスクラップ等の取引事例も報告されています。また、こうした不法取引について、条約の規定に基づく輸出国による貨物返送(シップバック)が必要とされる事例も発生しており、こうした諸問題に取り組むに当たっての国際連携の必要性が高まっています。
 本ワークショップにおいては、参加国間で有害廃棄物の輸出入に係る各国の規制状況を共有すると共に、このような不法な取引の未然防止やシップバック事案への対処方法に対する取り組みについても議論されました。シップバックについては、アジアネットワークの枠組が連携して取り組むことの必要性が指摘され、次回会合においてシップバックの統一的な手続きを策定するための検討を行うことについて合意されました。
  1. 日程:平成27年11月23日(月)~11月25日(水)

    • 11月23日(月)及び24日(火):アジアネットワークワークショップ

    • 11月25日(水):施設見学(TES-AMM (Singapore) Pte Ltd 及び Venture Corporation Limited)

  2. 場所:シンガポール

  3. 主催:日本国環境省、シンガポール環境庁、バーゼル条約東南アジア地域事務所

  4. 参加者:

    • アジア太平洋地域12カ国(インドネシア、韓国、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ラオス、オーストラリア、日本)のバーゼル条約担当官。我が国からは環境省廃棄物・リサイクル対策部及び経済産業省産業技術環境局環境局から担当官が出席。環境省及びシンガポール環境庁の代表が共同議長を務めた。

    • バーゼル条約事務局、バーゼル条約東南アジア地域事務所、バーゼル条約アジア太平洋地域事務所、IMPEL(ヨーロッパにおける環境法規制の遵守と施行のためのネットワーク)、WCO RILO/AP(世界税関機構アジア太平洋地域情報センター)、INTERPOL(国際刑事警察機構)、産業界、研究機関、国内外産業界等がオブザーバーとして参加。参加者総数61人。

    • その他、アジア太平洋地域以外から3カ国及びバーゼル条約中央アメリカ・メキシコ地域事務所がオブザーバーとして参加。

 5. 議題:

(1)開会

 主催者であるシンガポール環境庁コー副長官、環境省及びバーゼル条約東南アジア地域事務所から開会の挨拶を行いました。

(2)各国における有害廃棄物等の輸出入に係る規制状況及び越境移動実績のアップデート最新の輸出入規制の状況について各国より報告されました。国内法において有害廃棄物だと定義されている廃棄物、有害ではないが越境移動が規制されている廃棄物、特に使用済み電気・電子機器及びE-waste等について、新たに導入された規制や最近の法改正状況を含んだ廃棄物に関する輸出入規制の状況及び越境移動の実績について報告がありました。

 多くの国で、E-wasteが混入したミックスメタルスクラップが不法に輸出入される事例が増えており、輸出国側における取締りへの努力が求められるが、有害及び非有害な物が混在する場合の有害性判断の基準作りは複雑な状況に面していることが認識されました。また、いくつかの国においては、バーゼル条約が規制する有害廃棄物以外に、非有害な廃棄物である廃プラスチック等についても国内法による輸出入規制が行われていることが共有されました。

(3)使用済み電気・電子機器及びE-wasteの識別に関するバーゼル条約E-wasteガイドラインについてシンガポール及び日本から、使用済み電気・電子機器及びE-wasteの識別に関する各国の指針の運用状況が紹介され、バーゼル条約COP12において採択されたE-wasteガイドラインを受けての今後の対応について、議論が行われました。

 また、シンガポールなどアジア各国には、アジア太平洋地域から集められた使用済みの電気・電子機器の集中的な修理・改修を行う施設があることが紹介され、それら施設の管理、特に、修理等によって生じた残渣の環境上適正な処理の確保のための取組について紹介されました。

 また、発展途上国は使用済み電気・電子機器を中古品として輸入した後、それらが廃棄物となった際に環境上適正に処分する方法もないことから、それら機器の残存寿命が深刻な問題であると指摘がありました。

(4)水際対策と不法に輸出入された貨物の取り扱いについて

 インドネシア、フィリピン及びタイから不正輸出入対策及びシップバックに係る事例が紹介され、シップバックの円滑な実施について議論されました。特に、シップバックの実施については、責任者の特定及び責任者間の返送・保管費用等の費用負担が大きな支障となり、輸入国から返送されないままとなっている貨物が数多く存在することが認識されました。こうした課題にアジアネットワークの枠組として連携して取り組むことの必要性が指摘され、次回会合においてシップバックの統一的な手続きを策定するための検討を行うことについて合意されました。

(5)施設見学について

 シンガポールにおいて、使用済み電気・電子機器のリサイクル施設及びパソコン周辺機器の修理・改修施設を見学しました。リサイクル施設では使用済み電気・電子機器が輸入されて分解される工程から、金などの非鉄金属が回収されるまでの流れを実際に見学することにより、処分工程と環境上適切に処理されていることについて理解を深めました。また、修理・改修施設では使用済みプリンタが部品の取替え等によって本来の機能を取り戻す流れを見学するともに、発生する残渣の管理等についても理解を深めました。

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課 適正処理・不法投棄対策室
代表:03-3581-3351
直通:03-5501-3157
課  長:角倉 一郎(内線 6871)
室長補佐:塚原沙智子(内線 6885)
担  当:爲澤 悟郎(内線 6886)

ページ先頭へ