報道発表資料

平成27年10月30日
総合政策
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九州新幹線(武雄温泉・長崎間)に係る佐世保線(肥前山口・武雄温泉間)複線化事業に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、30日、佐賀県で計画されている「九州新幹線(武雄温泉・長崎間)に係る佐世保線(肥前山口・武雄温泉間)複線化事業に係る環境影響評価書」に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。
 本事業は、九州新幹線(武雄温泉・長崎間)の整備に伴い、JR佐世保線の一部区間を複線化するものである。
 環境大臣意見では、事業者に対して、列車走行に伴う住居等保全対象への騒音や振動の影響を回避・低減するため、発生源対策を基本とした適切な措置を講ずること、事後調査の結果が指針等を達成しない場合は追加的な措置を講ずること等を求めている。

1.背景

 環境影響評価法では、10km以上の鉄道の建設又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、環境影響評価書(※)について、国土交通大臣等からの照会に対して意見を述べることができるとされている。

 本件は、佐賀県で計画されている九州新幹線(武雄温泉・長崎間)に係る佐世保線(肥前山口・武雄温泉間)複線化事業に係る環境影響評価書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。

 今後、国土交通大臣から事業者である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討し、必要に応じて見直した上で評価書を確定し、公告縦覧等を行うこととなる。

※環境影響評価書:環境影響評価の結果について記載した準備書に対する意見を踏まえて、必要に応じてその内容を修正した文書。

2.事業の概要

 本事業は、九州新幹線(武雄温泉・長崎間)の整備に伴い、JR佐世保線の一部区間を複線化するものである。

 対象事業実施区域及びその周辺は、六角川水系によって形成された平野に位置し、主に低地であり、集落形成、水田等の農用地として利用されている。また、「筑後・佐賀平野地盤沈下防止等対策要綱(昭和60年4月26日地盤沈下防止等対策関係閣僚会議決定)」の対象地域である。

 本事業の供用に当たり、本区間を走行する列車本数が現行運行と比較して倍増する計画であり、九州新幹線(武雄温泉・長崎間)で導入予定の軌間可変電車が走行する予定である。

3.環境大臣意見の概要

(1)総論

 事業実施に当たっては、以下の取組を行うこと。

(i)事後調査等を適切に実施し追加的な環境保全措置を講ずること。

(ii)追加的な環境保全措置の具体化に当たっては、客観的かつ科学的に検討すること。また、検討のスケジュールや方法、専門家等の助言等を公開し、透明性及び客観性を確保すること。

(iii)調査の結果については、環境影響を分析し、調査により判明した環境の状況に応じて講ずる環境保全措置の内容、効果及び不確実性の程度について報告書として取りまとめ、公表すること。

(2)各論

1)列車走行に伴う騒音及び振動について

 本区間を走行する列車本数が、現行運用と比較して倍増する計画であり、沿線住居等への騒音及び振動の影響が懸念される。また、本区間で走行する車両は、軌間可変電車であり現在試験段階であることから、騒音や振動に関する予測の不確実性は高い。このため、以下の措置を講ずること。


(i)騒音の環境保全措置の実施に当たっては、音源対策を基本として、以下を講ずるとともに、防音壁の設置等により住居等の保全対象への騒音影響を回避・低減すること。また、分岐器設置区間等ロングレール化が困難な区間も、必要な措置を講ずるよう努めること。

i)既設在来線路も含めた本区間を極力ロングレール化することや、軌道及び車両の維持管理を適切に実施し、転動音の低減を図ること。

ii)軌間可変電車における低騒音型機器の採用等により、車両機器音の低減を検討すること。また、在来線車両も、低騒音化を検討すること。

iii)橋梁区間における有道床バラスト軌道の採用、高架橋区間におけるばね定数の低い軌道パッドの設置等を行い、構造物音の低減を図ること。

(ii)振動の環境保全措置の実施に当たっては、振動源対策を基本として、ロングレール化、枕木の高剛性化・重量化等により、住居等の保全対象への振動影響を回避・低減すること。

(ⅲ)騒音及び振動に係る事後調査を適切に実施し、その結果がi)、ii)の場合は、住居等の保全対象を勘案し、追加的な措置を講ずること。

i)「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針について」の大規模改良線の指針を達成しない場合(現況の騒音レベルが低い高架区間において、改良後も新線の指針を下回る場合を除く。)

ii)「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について(勧告)」の指針値70dBを達成しない場合

(iv)今後、軌間可変電車に関する走行条件等に変更がある場合は、騒音及び振動に係る影響について調査、予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講ずること。

2)地下水・地盤について

(i)地質調査結果を踏まえ、適切な工法を採用すること。また、施工前に六価クロムの溶出量が環境基準値以下であることを確認すること。

(ii)地盤改良工事に伴う地下水位、地下水質及び地盤への影響について、環境監視計画を策定し適切に環境監視を実施し、その結果を公表すること。

(iii)環境監視の結果を踏まえ、地下水及び地盤に重大な影響が生じた場合は、工事を直ちに中止し、原因究明を行った上で必要な対策を講ずること。

3)温室効果ガスについて

(i)省エネ車両の導入検討、駅施設の改良に伴う省エネ設備の採用等により、供用時の温室効果ガス排出量を削減するよう努めること。

(ii)低燃費型建設機械、LED照明及び混合セメント等の採用、効率的な施工等により工事を実施し、工事時の温室効果ガス排出量を削減すること。

【参考】

○事業概要

・事業者 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

・事業地 佐賀県杵島郡江北町、大町町及び武雄市

・事業規模 約12.8km(地平区間:約11.7km、高架区間:約1.1km)

・運転計画 軌間可変電車(130km/h、60本/日)、特急列車(95km/h、32

本/日)、普通列車(95km/h、30本/日)

○環境影響評価に係る手続

・平成27年9月15日 国土交通大臣から環境大臣への意見照会

・平成27年10月30日 環境大臣から国土交通大臣への意見提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長  :神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官 :岸田 周(内6253)
電話  :03-3581-3351(代表)
     03-5521-8237(直通)

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