報道発表資料

平成27年10月26日
地球環境
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強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会第2回会合第11セッション(ADP2-11)の結果について(お知らせ)

 10月19日~23日、ドイツ・ボンにおいて、国連気候変動枠組条約の下の「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」第2回会合第11セッションが行われたところ、概要は以下のとおり。我が国から、外務・経済産業・環境・農林水産・国土交通各省関係者が出席した。また、外務省吉田交渉官がワークストリーム2(2020年までの野心の向上)のファシリテーターを務めた。
(注)ADPは、2011年末に南アフリカ・ダーバンで開催された第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17)での決定を受け設置されたもの。

1.交渉の概要

(ア)本年2月の会合での議論に基づき「交渉テキスト」が作成され、6月、9月に開催された会合を経て、10月5日に、法的合意案とCOP21決定案を含む「共同議長提案文書」が公表された。

(イ)今次会合では、当該文書を基に議論が行われる予定であったが、会合初日(19日)、開発途上国グループ(G77+中国)が自らの立場が反映されていないことを理由にこれを基に議論することに反対し、まずは各国が必須と考える要素を盛り込む作業を行った。

(ウ)会合2日目(20日)には、各国の提案を盛り込んだ結果、当初の共同議長提案文書より分量の増えた法的合意案及びCOP21決定案が作成された。その後、各国の提案を盛り込んだ法的合意案及びCOP21決定案に基づき、「前文・目的」「緩和」「適応・損失と損害(ロス・アンド・ダメージ)」「資金」「技術開発・移転及び能力構築(キャパシティ・ビルディング)」「行動と支援の透明性」「グローバル・ストックテイク(注:全体として取組の進捗確認を行うことを意味する)」「実施の促進及び遵守並びに手続・組織事項」「ワークストリーム2」の各要素について共同ファシリテーターの下のスピンオフグループ会合で、定義及び各要素に該当しないCOP21決定案を共同議長によるコンタクトグループで議論することとなった。

(エ)その後、法的合意案及びCOP21決定案に含まれる内容を明確な選択肢に整理することを目指し、スピンオフグループ会合において作業が行われたほか、有志の締約国の間で非公式な形で作業し、提案する動きも見られた。

(オ)こうした議論を経て、最終日(23日)に今次会合の最終的な法的合意案及びCOP21決定案が示され、今後事務局が、相互に関連するパラグラフと重複を特定した技術ペーパーを作成することが決定された。

2.我が国の立場

(ア)我が国は、新たな枠組みは全ての国が参加する公平かつ実効的なものであるべきとの立場の下、関係国と協力し、具体的なテキスト案を提案するなど議論に貢献した。

(イ)緩和については、法的合意において、緩和の目標の設定・更新に関する共通のサイクルの設定が重要であると主張し、目標の検討及び必要に応じた更新・提出のタイミングを5年ごととするテキスト案を提案した。また、緩和に関する各国の義務、緩和貢献の際に提出すべき情報、市場メカニズムに関する提案を関係国とともに行った。

(ウ)適応については、途上国より、適応の実施に対する支援の法的合意案への追記が複数提案されたことを受け、支援については資金や透明性等の他条項と重複するため、それらとの調整が必要であることを主張した。損失・損害については、複数の先進国とともに前回会合の際に提出したCOP決定案について議論を行いたい旨、共同で提案した。

(エ)資金については、公的資金・民間資金・二国間・多国間・国内・国際のあらゆる財源から調達することが重要であり、受益国の政策や優先度、ニーズを考慮して緩和や適応の取組を支援することが必要等の提案を他の先進国とともに行った。

(オ)技術開発・移転については、技術開発・移転を可能とする環境整備が重要であること、また、技術ニーズ評価プロセスの強化に関して、COPの下の他の議題における議論との整合を図る必要があること等の主張を他の先進国とともに行った。

(カ)能力構築については、各国の自主的な努力、主体性を後押しする促進的なアプローチが有効であること、能力構築のための組織体制については、既存の取組に対してレビューが実施されているところ、その結果を踏まえるべきであり、現時点で新たな組織の設立を予断するべきではないこと等を主張し、これらの主張が明確となる選択肢の提案を関係国とともに行った。

(キ)行動と支援の透明性については、各国が削減目標の実施状況を報告し、レビューを受けることに対する法的義務を設定すべき、透明性システムは全ての国に適用される共通なものとし、異なる各国の事情を反映した柔軟性のあるものとすべき、要素(緩和、適応等)によって異なる報告の枠組みを検討することが必要、との我が国の主張が含まれるよう、関係国とともにテキスト提案を行った。

(ク)グローバル・ストックテイクについては、緩和、適応、支援をその対象とする場合は各要素の性質に応じた情報共有、確認・評価方法を検討すべき、各要素に関する閣僚級会合と重複のないようにすべきと主張した。
(ケ)実施の促進及び遵守については、法的合意の実施を促す促進的な制度とすべきとの考えの下、各国の主張の整理に当たって必要な主張を行った。また、手続・組織事項については、発効要件を検討する際に必要となる排出量データについて、事務局に必要な整理を依頼した。

(コ)前文については、短く簡素なものであるべきと主張しつつ、森林の役割の重要性に関する提案を適切に整理・修正する観点から、関心国とともに必要なテキスト提案を行った。

(サ)ワークストリーム2については、途上国の提案する「適応の技術的検討プロセス」に対して、適応に関する既存の取組との重複を避けるべきと指摘した。

3.他国やステークホルダー等との対話

 様々な交渉グループに属する国々と緊密な意見交換を行うとともに、国内外のNGOとの意見交換、邦人記者に対するブリーフを行った。

4.今後の予定

 COP21は11月30日~12月11日にフランス・パリにおいて開催される予定であり、この期間中に次回ADP会合が開催される。

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
直通:03-5521-8330
代表:03-3581-3351
室  長:大井 通博
室長補佐:増田 大美
係  員:影山 凡子

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