報道発表資料

平成27年10月30日
総合政策
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むつ小川原港洋上風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、30日、青森県で実施予定の「むつ小川原港洋上風力発電事業」(むつ小川原港洋上風力開発株式会社)に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、青森県上北郡六ヶ所村において、総出力80,000kWの着床式洋上風力発電所を設置するものである。
 環境大臣意見では、鳥類に対して移動経路の阻害等が懸念されるため、追加調査等を実施し、重大な影響が明らかとなった場合には尾駮沼及び鷹架沼の河口部近傍等における風力発電設備の設置取りやめを含む事業の抜本的な見直しを行うこと、鳥類の視認性を高める措置を講じること及び鳥類の飛翔状況の事後調査の適切な実施等を求めている。

1.背景
 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して経済産業大臣に意見を言うことができるとされている。
 本件は、青森県の「むつ小川原港洋上風力発電事業」に係る環境影響評価準備書について、この手続に沿って意見を提出するものである。
 今後、事業者は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。


2.事業の概要
 本事業は、青森県上北郡六ヶ所村に、総出力80,000kW (2,000kW×40基)の着床式洋上風力発電所を設置するものである。対象事業実施区域は、むつ小川原港の港湾区域内等に位置している。
 また、当該区域及びその周辺は、多くのガン・カモ類等の渡り鳥の重要な飛来地となっており、環境省の「日本の重要湿地500」に選定された小川原湖湖沼群、国指定の仏沼鳥獣保護区及びラムサール条約湿地となっている仏沼が位置する等、自然環境保全上、特に鳥類にとって重要な地域が存在している。本対象事業実施区域を含む小川原湖湖沼群から東側の地域については、風力発電設備が立地していない、残された回廊的な地域となっている。


3.環境大臣意見の概要

(1)総論

 事業実施に当たっては、以下の取組を行うこと。
① 事後調査及び環境監視を適切に実施し、追加的な環境保全措置を講ずること。
② 追加的な環境保全措置の具体化に当たっては、客観的かつ科学的に検討すること。また、検討のスケジュールや方法、専門家等の助言、検討に当たっての主要な論点及びその対応方針等を公開し、透明性及び客観性を確保すること。
③ 調査の結果について、環境影響を分析し、講ずる環境保全措置の内容、効果及び不確実性の程度について報告書として取りまとめ、公表すること。
④ 周辺の他事業者と環境情報を共有し、効果的な環境保全措置を講ずることで、環境影響を低減させるよう努めること。
⑤ 国内での先行事例が少ない洋上風力発電事業であることから、最新の知見を用いて、評価書、報告書等の環境影響評価手続及び環境監視計画、事後調査並びに事業の実施を行うこと。

(2)各論

[1]鳥類について

 本事業の実施により、鳥類に対して、移動経路の阻害、風力発電設備を回避することによる餌場機能の喪失、既設及び計画中の周辺の風力発電所との累積的影響及びブレード・タワー等へのバードストライクが懸念されるとともに、これらの環境影響の予測には大きな不確実性が伴う。
 また、湖沼群、海岸部の干潟等に多く集まる渡り鳥等の鳥類は地域特性上重要と考えられるが、準備書ではウミスズメ等の希少種以外の渡り鳥等(ヒレアシシギ類、スズガモ等)について、調査、予測及び評価がなされていない。
 このため、鳥類に対する環境影響を回避・低減する観点から、以下の措置を講ずること。

1)追加調査等
 専門家等からの助言を踏まえて、追加調査を行い、これら鳥類の移動経路の阻害等の影響について予測及び評価を実施すること。

2)環境保全措置
① 1)の結果に基づき、必要な環境保全措置を講ずること。重大な影響が明らかとなった場合には、風力発電設備の設置取りやめを含む事業の抜本的な見直しを行うこと。
② 鳥類からの視認性を高めるための措置を事前に行うこと。また、バードストライク対策に関する最新の知見の収集に努め、導入するよう検討すること。
3)事後調査
① 1)の結果を踏まえ、鳥類の飛翔状況の事後調査を適切に実施し、本対象事業実施区域及びその周辺の鳥類の移動経路等について、把握すること。
② 3)①の調査結果により、鳥類の移動経路の阻害等の重大な影響が認められた場合は、稼働停止等の追加的な環境保全措置を講ずること。
③ 鳥類の衝突等による死亡・傷病個体の確認を適切に実施し、死亡・傷病個体が確認された場合は、確認位置や損傷状況等を記録するとともに、関係機関との連絡・調整、死亡・傷病個体の搬送、関係機関による原因分析及び傷病個体の救命への協力を行うこと。


4.その他
 本件は、「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議中間報告」(平成24年11月27日、環境省・経済産業省)に基づき、審査期間の短縮に取り組むこととした案件である。


[参考]

○事業概要
 ・名称 むつ小川原港洋上風力発電事業
 ・事業者 むつ小川原港洋上風力開発株式会社
 ・計画位置 青森県上北郡六ヶ所村 むつ小川原港港湾区域(水域)及び六ヶ所村大字鷹架他
 ・出力 80,000kW (2,000kW×40基)


○環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)
【配慮書の手続】
 ・縦覧 平成25年11月26日~平成25年12月25日
 ・環境大臣意見提出 平成26年1月9日
【方法書の手続】
 ・縦覧 平成26年5月29日~平成26年6月28日(住民意見2件
 ・経済産業大臣通知 平成26年9月12日
【準備書の手続】
 ・縦覧 平成27年6月3日~平成27年7月2日(住民意見14件
 ・青森県知事意見提出 平成27年10月1日
 ・環境大臣意見提出 平成27年10月30日

 ※:環境の保全の見地からの意見の件数

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:生田 雄一(内6239)
電話:03-3581-3351(代表)
   03-5521-8237(直通)

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