報道発表資料

平成20年9月8日
自然環境
この記事を印刷

第14回日豪渡り鳥等保護協定会議、第12回日中渡り鳥保護協定会議及び第9回日韓渡り鳥保護協力会合の開催結果について(お知らせ)

 日豪渡り鳥等保護協定(注1)に基づく第14回日豪渡り鳥等保護協定会議、日中渡り鳥保護協定(注2)に基づく第12回日中渡り鳥保護協定会議及び日韓環境保護協力協定(注3)に基づくプロジェクト推進のための第9回日韓渡り鳥保護協力会合が9月1日から9月4日にかけてオーストラリア・ブリズベンで開催されました。
 各国における渡り鳥等の保全対策、研究等に関する情報交換、今後の協力のあり方に関する討議が行われ、日豪、日中、日韓の間でそれぞれ共同調査研究等を進めることにより、渡り鳥の生態を解明し、渡り鳥の保全や鳥インフルエンザ対策等に役立てていくことを確認しました。

1.開催日程及び場所

(1)日時:
平成20年9月
1日(月)〜2日(火)
4ヶ国全体会合
3日(水)
日韓渡り鳥保護協力会合(午前)
日豪渡り鳥等保護協定会議(午後)
4日(木)
日中渡り鳥保護協定会議(午前)
(2)場所:
オーストラリア・ブリズベン

2.各会議の概要

(1)4ヶ国全体会合

 今回、会期の前半に日豪中韓の4ヶ国が一堂に会し、共通の議題についての報告等を行うことにより、その後の二国間会議における議事進行の円滑化を図りました。各国の標識調査及び人工衛星追跡調査の実施状況、日中韓の間の希少な渡り鳥であるズグロカモメやクロツラヘラサギの調査結果、各国におけるモニタリング及び一斉カウント調査結果などの報告、黄海における共同保全プログラムの提案等が行われました。

(2) 日豪渡り鳥等保護協定会議

協定付表の改正

 協定付表(日豪間の渡り鳥リスト)にベニアジサシを追加する等の改正作業を、引き続き外交ルートを通じて進めることを確認しました。
 また、今回新たにオーストラリア側から、渡りをしないと思われる鳥の削除などの改正提案があり、次回会合での合意を目指して専門家の間で検討することとなりました。

絶滅のおそれのある鳥類の通報

 オーストラリア側から、前回会合で情報提供のあった6種の追加について近日中に外交ルートを通じた通報を行う、また、新たに絶滅のおそれのある種に追加した4種についても外交ルートを通じた通報を行うとの発言がありました。
 日本側からは、ルリカケスを国内希少野生動植物種から削除したことを発表し、後日外交ルートを通じて通報することを伝えました。

標識調査

 全体会合で行われた両国の標識調査の実施状況報告を受けて、これまでの標識調査が渡り鳥の生態解明に果たしてきた役割を評価し、今後も両国間の情報交換を進めていくことを確認しました。

その他

 全体会合においてオーストラリアが提案した、黄海におけるシギ・チドリ類及びその生息地の保全を東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(注4)のプロジェクトとして実施したいとの構想について、意見交換を行いました。なお、このオーストラリア提案については、4ヶ国の非公式協議により、対象種を黄海の全ての渡り鳥に拡大することとして、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの枠組みの中で共同プロジェクトとして提案されることとなりました。
 その他、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの運営についても意見交換がなされました。
 次回会合はおおむね2年後に日本で開催することが合意されました。

(3) 日中渡り鳥保護協定会議

協定付表の改正

 前回会合で提起された協定付表(日中間の渡り鳥リスト)の改正については、次回会合までに両国の専門家間で意見を一致させ、次回会合において改正内容を確定することが同意されました。

標識調査等

 全体会合で行われた両国の標識調査の実施状況報告を受けて、中国における調査の規模拡大を日本側が歓迎し、将来的なデータベースの共有化、大型鳥類の捕獲技術の研修等について、今後両国の協力を検討していくことが同意されました。
 ズグロカモメの日中共同標識調査について、人材育成の観点からも継続させる必要があることを両国で確認しました。
 クロツラヘラサギの調査について、中国側が全体会合において調査結果を発表したことを受け、日本側からボランティアのネットワークによる調査結果を紹介しました。
 ガンカモ類の人工衛星追跡調査について、全体会合で行われた両国の調査の実施状況報告を受けて、今後とも情報交換を進めることが合意されました。

高病原性鳥インフルエンザ

 高病原性鳥インフルエンザ対策については、日本側から全体会合において日本の取組を発表したほか、二国間会合において、中国側で行われている野生動物の疾病モニタリングや感染ルート、疾病原因等の調査について情報を聴取しました。また、野鳥に関する高病原性鳥インフルエンザ関連の情報交換を日中間で緊密に行うことが合意されました。

その他

 東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーショップへの中国の参加について日本側が歓迎しました。パートナーシップの運営について中国側より積極的に貢献したいとの発言がありました。
 また、全体会合で日本側からトキの保護増殖の状況と野生復帰の取組について報告したことに関連して、今後の日中間のトキ保護のための研究協力などについて意見交換を行いました。
 次回会合はおおむね2年後に日本で開催することが合意されました。

(4) 日韓渡り鳥保護協力会合

渡り鳥リスト

 前回会合において日韓間の渡り鳥リストの対象種に含めることが合意された281種について、今回会合において、学名の記載方法と種の掲載順序についても同意され、渡り鳥リストが確定しました。

渡り鳥等保護協定

 韓国側から、平成18年にオーストラリアと、平成19年に中国と、それぞれ渡り鳥等保護協定を締結したことが紹介され、日韓の渡り鳥等保護協定の締結に向けても、両国の準備が整った後、交渉について調整することを双方が確認しました。

標識調査等

 標識調査について、継続実施の重要性が確認されるとともに、他国に比べ日韓間での調査数が少ないことから、今後調査数を増やすため、戦略的に進めていく必要性が認識されました。また、この関連で、日本側ボランティアによる陸生の小鳥を対象とした釜山近郊における標識調査の実施が日韓の専門家の間で協議中であることが紹介されました。
 ズグロカモメの調査について、日本側よりこれまでの調査概要を紹介したほか、オーストラリア提案の黄海プロジェクトにおけるズグロカモメ調査の位置づけについて意見交換を行いました。
 人工衛星によるガンカモ類の渡り経路調査について、日韓両国がそれぞれの取組を報告したほか、情報交換の重要性と今後の緊密な協力の必要性を確認しました。

高病原性鳥インフルエンザ

 高病原性鳥インフルエンザ対策として韓国が今年4月から6月にかけて集中的に実施した野鳥のサーベイランス調査の概要とともに、その他の期間に継続的に行われているサーベイランス調査の概要について聴取しました。サーベイランス調査結果によれば、韓国の野鳥では高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されていません。
 高病原性鳥インフルエンザウイルスの野鳥での保有状況などについて、定期的に日韓間で情報提供を行うことが合意されました。

その他

 日本側から、これまで共同調査が水鳥を中心に行われているが、陸生の鳥についても情報交換を進めたいとの提案を行い、陸生鳥類の調査の重要性及び調査の目標や方法についての調整の必要性を両国で確認し、今後、取扱いを検討することが合意されました。
 東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの運営について、韓国側から積極的に協力することを検討中であることが表明されました。
 この他、中国から韓国へのトキの提供を契機とした協力や韓国で10月に開催されるラムサール条約第10回締約国会議へ向けた協力についても意見交換がなされました。
 次回会合はおおむね2年後に日本で開催することが合意されました。

注1)
正式名称「渡り鳥及び絶滅のおそれのある鳥類並びにその環境の保護に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定」:昭和56年4月30日発効。日豪間の渡り鳥として協定付表に掲載された鳥類(76種)について、両国において、その捕獲や卵の採取を禁止するほか、自国の絶滅のおそれのある鳥類を相手国に通報すると、相手国は当該種の輸出入を規制することが規定されている(オーストラリアから通報された種は36種)。その他、研究資料等の交換、鳥類の環境の保全措置などにより、鳥類の保護について協力することが規定されている。
注2)
正式名称「渡り鳥及びその生息環境の保護に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」:昭和56年6月8日発効。日中間の渡り鳥として協定付表に掲載された鳥類(227種)について、両国において、その捕獲や卵の採取を禁止すること、また、研究資料等の交換、生息環境の保全措置などにより、渡り鳥の保護について協力することが規定されている。(絶滅のおそれのある鳥類に関する規定はない。)
注3)
正式名称「環境の保護の分野における協力に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定」:平成5年6月29日発効。
注4)
平成18年11月に発足した、アジア太平洋地域の渡り性水鳥の保全のための枠組。法的拘束力を持たず、アジア太平洋地域の政府機関、国際機関、NGO等を主体とし、情報交換や共同保全事業を行っている。WSSD(持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット))のタイプIIパートナーシップ(各国政府、国際機関、NGO等とのパートナーシップに基づくプロジェクト)及びラムサール条約の地域イニシアティブとして認められている。
連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長:星野一昭(6460)
係長:尼子直輝(6468)
直通:03-5521-8284

ページ先頭へ