報道発表資料

この記事を印刷
2015年10月09日
  • 総合政策

佐賀唐津道路(多久市~佐賀市)に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、9日、「佐賀唐津道路(多久市~佐賀市)に係る環境影響評価書」に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。
 本事業は、佐賀唐津道路の一部区間として、約15kmの自動車専用道路を設置するものである。
 環境大臣意見では、軟弱地盤対策による地下水及び地盤への影響について、環境監視を行いその結果を適宜公表するなどの適切な措置を講ずること、自動車走行に係る騒音について、供用後も環境基準の達成が求められることから、周辺の既存道路による影響も含めて、環境影響を回避又は低減するため、関係機関と連携して、適切な措置を講ずること等を求めている。

1.背景

 環境影響評価法では、4車線以上・10km以上の一般国道の設置又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、環境影響評価書(※)について、国土交通大臣等からの照会に対して意見を述べることができるとされている。

 本件は、佐賀唐津道路(多久市~佐賀市)(事業規模:4車線 約15km)に係る環境影響評価書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。

 今後、国土交通大臣及び国土交通省九州地方整備局長から都市計画決定権者である佐賀県に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、都市計画決定権者である佐賀県は、意見の内容を検討し、必要に応じて見直した上で評価書を確定し、公告縦覧等を行うこととなる。

※環境影響評価書:環境影響評価の結果について記載した準備書に対する意見を踏まえて、必要に応じてその内容を修正した文書。

2.事業の概要

 佐賀唐津道路(多久市~佐賀市)(以下「計画路線」という。)は、佐賀県多久市から同県佐賀市までの延長約15kmの自動車専用道路である。大部分は盛土構造、その他は切土、橋又は高架構造である。

 計画路線の対象事業実施区域及びその周辺は、軟弱地盤が分布しており、「筑後・佐賀平野地盤沈下防止等対策要綱(昭和60年4月26日地盤沈下防止等対策関係閣僚会議決定)」の対象地域である。また、佐賀市及び小城市中心市街地が近接しており、道路騒音の現況値が環境基準を超過している地点が存在する。

3.環境大臣意見の概要

(1)総論

1)調査・予測・評価の再実施について

 事業実施までに交通の状況や希少な動植物の生息・生育状況等について変化する可能性があることから、現段階で予測し得なかった変化が見込まれる場合は、事業実施前に、調査・予測・評価を再実施し、その内容を公表すること。

2)環境保全措置の具体化について

 環境保全措置の具体化に当たっては、専門家等の意見を踏まえその内容を十分に検討すること。また、検討時期等を明らかにするとともに、専門家等の意見、主要な論点やその対応方針等を適切に公表するなど、透明性及び客観性を確保すること。

(2)各論

1)騒音について

 自動車走行に係る騒音について、供用後も環境基準の達成が求められることから、周辺の既存道路による影響も含めて、環境影響を回避又は低減するため、関係機関と連携して、適切な措置を講ずること。

2)地下水・地盤について

 軟弱地盤対策に伴う地下水位、地下水質及び地盤に係る影響について、専門家等からの助言を踏まえ環境監視を行い、その結果を適宜公表するなどの適切な措置を講ずること。

3)温室効果ガス等について

 工事中の排出削減対策及び省エネ設備の導入等による温室効果ガスの低減に努めるとともに、本事業の供用前後における温室効果ガス排出量の変化の把握を検討すること。

以上の内容を補正後の評価書に適切に記載すること。

【参考】

○事業概要

・都市計画決定権者 佐賀県

・事業予定者 国土交通省九州地方整備局、佐賀県

・事業地 佐賀県多久市~佐賀市

・事業規模 4車線 約15km

○環境影響評価に係る手続

・平成27年 8月25日 国土交通大臣から環境大臣への意見照会

・平成27年10月 9日 環境大臣から国土交通大臣への意見提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:岸田 周(内6253)
電話:03-3581-3351(代表)
   03-5521-8237(直通)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。