報道発表資料

平成27年9月1日
保健対策
この記事を印刷

平成26年度 大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果について(お知らせ)

 環境省では、国際的な水銀対策の立案に資するため、平成19年度から、国内の発生源による影響を直接受けない地点(バックグラウンド地点)である沖縄県辺戸岬において、水銀の大気中濃度等のモニタリング調査を実施しています。
 平成26年度の調査の結果、辺戸岬における大気中水銀濃度及び降水中水銀濃度は、指針値等を十分下回るとともに過年度よりも低い値となりました。
 また、平成26年8月から秋田県の男鹿半島においてもモニタリング調査を開始しましたが、大気中水銀濃度、降水中水銀濃度ともに辺戸岬におけるこれまでの調査結果と大きな乖離はありませんでした。

1.背景

 国連環境計画(UNEP)は、平成13年から地球規模での水銀汚染に関連する活動を開始し、水銀による環境汚染への国際的な対応を進めています。近年では、平成21年に政府間交渉委員会(INC)を設置し、平成25年1月までの5回の会合を経て条約の名称及び条文案が合意されたことを受けて同年10月に熊本・水俣で水銀に関する水俣条約外交会議を開催し、この会議において、水銀に関する水俣条約が採択されました。

 我が国においては、この条約を早期に締結するとともにこの条約の趣旨を踏まえた包括的な水銀対策等の実施を推進するための「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」及び「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が本年6月に公布されました。

 環境省では、国際的な水銀対策の立案に資することを目的として、平成19年度から、国内の発生源による影響を直接受けない地点(バックグラウンド地点)である沖縄県辺戸岬において、水銀の大気中濃度(バックグラウンド濃度)等に関するモニタリング調査を試行してきました。平成22年度調査からは、測定データの蓄積によりデータの信頼性が確保されたと判断されたことから、毎年調査結果を公表しています。

 また、平成26年8月からは、秋田県の男鹿半島においてもモニタリング調査を開始しました。今般、平成26年度の調査結果等を取りまとめましたので、公表いたします。(詳細は別添参照)。

2.調査概要

(1)水銀の形態別測定について

 大気中の水銀には多くの種類(形態)が存在し、その大部分を占める元素状水銀(金属水銀)のほか、酸化態水銀、浮遊粒子状物質における水銀(粒子状水銀)等の形態があります。こうした様々な形態の水銀は、大気中において異なる挙動を示すことが知られています。

 本調査では、国際的な水銀の排出状況及び濃度レベルの推移、それらが我が国の環境に及ぼす影響の把握等に資することを目的に、国内のバックグラウンド地点である辺戸岬において、大気中の形態別水銀濃度と、降水中の水銀濃度について測定を行いました(表1参照)。

 また、北日本における水銀バックグラウンド濃度を測定するため、平成26年8月から、秋田県の男鹿半島においても測定を開始しました。

(2)測定地点

・沖縄県:()()

 独立行政法人 国立環境研究所 ()()岬 大気・エアロゾル観測ステーション

(沖縄県国頭(くにがみ)国頭村(くにがみそん)()()()

・秋田県:男鹿(おが)半島

(秋田県男鹿(おが)市船川港船川字泉台、秋田県船川測定局隣接地)

(3)測定方法、調査項目及び測定頻度

 大気成分については、形態別水銀連続測定装置を用いて測定を行いました。また、降水成分については、降水捕集装置により試料を採取し、米国環境保護庁(EPA)が定める方法に準じて濃度分析を行いました。(いずれも詳細は別添参照)

表1 調査項目及び測定頻度

区分

調査項目

測定頻度

大気成分

ガス状

金属水銀

連続測定(16回/日)

酸化態水銀

連続測定(8回/日)

粒子状水銀

降水成分

降水中の水銀濃度

週1回測定(7日間連続サンプリング)


※本調査における「金属水銀」とは、大気中にガス状で存在する水銀元素(Hg0)のことを指します。また、「酸化態水銀」は、大気中にガス状で存在する酸化された水銀(Hg2+)を、「粒子状水銀」は、大気中の浮遊粒子状物質に含まれる又は吸着している水銀を、それぞれ表しています。

※大気汚染防止法に基づいて行われている有害大気汚染物質モニタリング調査における水銀濃度のモニタリングと本調査では測定方法が異なります(別添参照)。

3.調査結果の概要

(1)大気中水銀濃度

 大気中の形態別水銀の合計の年平均値は辺戸岬において1.7 ngHg/m3、男鹿半島において1.6 ngHg/m3であり、大気汚染防止法に基づく大気中水銀濃度の指針値(年平均値40 ngHg/m3)を十分下回る値でした。

 なお、大気中の水銀は、そのほとんどが金属水銀で占められており、酸化態水銀及び粒子状水銀が占める割合は、平均で1%未満でした(別添表3参照)。

 辺戸岬における形態別水銀の合計濃度及び形態別の水銀濃度の年平均値は、概ね横ばいで推移していますが、過年度の調査結果と比較して、昨年度に引き続きやや低い値となりました(詳細は表2及び別添表4参照)。

 なお、平成21年度までは試行期間であり、測定日数が限られる等の点に留意する必要があります。

表2 辺戸岬における大気中水銀濃度の年度別測定結果

(単位:ngHg/m3

測定項目

統計値

平成

19年度

平成

20年度

平成

21年度

平成

22年度

平成

23年度

平成

24年度

平成

25年度

平成

26年度

金属水銀

平均値

1.5

1.8

2.2

1.9

2.1

2.0

1.7

1.7

酸化態水銀

平均値

0.001

0.002

0.002

0.001

0.002

0.002

粒子状水銀

平均値

0.002

0.002

0.002

0.002

0.004

0.004

合計

平均値

2.2

1.9

2.1

2.0

1.7

1.7

※平成19年度については、測定を開始した10月16日以降のデータを用いて平均値を算出しています。酸化態水銀と粒子状水銀は、平成21年10月以降に安定した測定が実施できるようになったことから、同月以降合計濃度を算出しており、そのデータを年度別平均値の算出に用いています。

表3 男鹿半島における大気中水銀濃度の測定結果

(単位:ngHg/m3

測定項目

統計値

平成26年8月

~平成27年3月

金属水銀

平均値

1.6

酸化態水銀

平均値

0.002

粒子状水銀

平均値

0.009

合計

平均値

1.6

※測定を開始した平成26年8月8日以降のデータを用いて平均値を算出しています。


(2)降水中水銀濃度

 辺戸岬における降水中の水銀濃度の年平均値は1.4 ng/Lであり、年平均値は、過年度の調査結果と比較して低い値となりました。また、男鹿半島での平均値は2.5 ng/Lでした。降水中の水銀については指針値等が設定されていませんが、参考として、水銀に関する水道水の水質基準値である500 ng/Lと比較すると、測定値は十分低い値でした(詳細は別添表7、9参照)。

表4 辺戸岬における降水中水銀濃度の年度別測定結果

(単位:ng/L)

測定項目

統計値

平成

20年度

平成

21年度

平成

22年度

平成

23年度

平成

24年度

平成

25年度

平成

26年度

水銀濃度

平均値

3.4

3.1

2.4

3.0

1.9

2.2

1.4

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通   :03-5521-8260
代表   :03-3581-3351
課長   :立川 裕隆(内線 6350)
保健専門官:土井 研治(内線 6361)
担当   :干場 裕樹(内線 6355)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ