報道発表資料

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2015年05月29日
  • 大気環境

平成26年大気における放射性物質の常時監視結果について(お知らせ)

 今般、放射性物質に係る大気汚染防止法に基づく常時監視の結果を取りまとめましたので、お知らせします。
 今回の結果は、改正された大気汚染防止法(平成25年12月施行)に基づき、平成26年に行った空間線量率の監視結果の一部について取りまとめたものです。
 全国の空間線量率は、一部の地域を除いて過去の測定値の傾向の範囲内でした。

1.経緯

 環境省では、東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質による環境の汚染が発生したことを契機に、大気汚染防止法が改正(平成25年12月施行)されたことを踏まえ、放射性物質に係る常時監視を実施しています。

 常時監視は、環境省が離島等において実施している環境放射線等モニタリング調査、及び原子力規制委員会が各都道府県において実施している環境放射能水準調査等により行っています。

常時監視では、空間線量率の測定並びに大気浮遊じん及び大気降下物の核種分析を行っています。このうち、空間線量率の測定結果については、随時、速報値として公表していますが、今般、平成26年の空間線量率の測定結果のうち、環境省が従来より環境放射線等モニタリング調査として実施してきた地点及び環境放射能水準調査等が実施されてきた地点の一部についての結果を評価し、取りまとめました。

 大気浮遊じん及び大気降下物の核種分析及び残りの地点の空間線量率を含む全体の調査結果の取りまとめについては、これらの結果が確定する本年10月以降に公表する予定です。

 なお、空間線量率の測定結果の詳細は、以下の環境省ホームページに掲載しています。

https://www.env.go.jp/air/rmcm/index.html

2.空間線量率の測定結果概要

(1)測定期間

平成26年1月1日から12月31日まで

(2)測定地点

58地点注1(環境放射線等モニタリング調査10地点、環境放射能水準調査等48地点)


(注1)空間線量率の測定地点は、環境放射線等モニタリング調査における10地点と環境放射能水準調査等における298地点の合計308地点としていますが、今回は暫定的に、東日本大震災前から測定が行われている58地点を対象に取りまとめました。残る250地点の空間線量率の測定結果を含む全体の調査結果は、大気浮遊じん及び大気降下物の核種分析の結果とあわせて本年10月以降に取りまとめ、公表します。

(3)評価方法

・平成26年の空間線量率の1時間毎のデータを対象として、降雨等の気象データを参考に、過去3年間注2と比較し評価を行いました。

・得られたデータの月毎及び年間の平均、最大値、最小値及び標準偏差を求め、変動範囲を確認しました。

(注2)離島等におけるモニタリングの調査地点は、大気中の放射性物質濃度に対して、事故に伴う影響が見られないことから、直近の過去3年間(平成23年~平成25年)の調査結果を過去の調査結果として比較しています。環境放射能水準調査等の調査地点は、大気中の放射性物質濃度に対して、事故に伴う影響が見られる地点を含むことから、事故前3年間(平成20年~平成22年)の調査結果を過去の調査結果として比較しています。


(4)評価結果

・全国の空間線量率の範囲は、5~319 nGy/h(ナノグレイ毎時)注3で、一部の地域を除いて過去3年間の測定値の傾向の範囲内注4でした。

・福島県の測定地点では、空間線量率は比較的高い値で推移していますが、特別の変化はなく、平成26年において全体的に減少傾向にあります。

・降雨時または降雪時に空間線量率の増加が、また積雪時に空間線量率の低下がそれぞれ認められましたが、空間線量率の増加は、降雨・降雪により地表面に降下した大気中のラドン及びその壊変生成物の影響によるものと考えられます。

(注3)放射線を受けた物質が吸収するエネルギー量を示す単位。1Gy/hは、1時間に物質1kg当たり、1ジュールのエネルギー吸収を与える量であり、1nGy/hはその10億分の1の量。

(注4)「過去の測定値の傾向の範囲内」とは、今回の測定結果が、注2に示す過去の3年間の調査結果と比較し、極端に外れた値ではないことを専門的評価を受けて確認したものです。

3.今後の予定

 平成27年も引き続き、環境省が離島等において実施している環境放射線等モニタリング調査10地点及び原子力規制委員会が実施している環境放射能水準調査等298地点の合計308地点において、放射性物質に係る常時監視を行います。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
直  通:03-5521-8292
代  表:03-3581-3351
課  長:是澤 裕二(内線6530)
課長補佐:松隈 大輔(内線6531)

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