報道発表資料

平成27年1月27日
自然環境
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モニタリングサイト1000 2013/14年ガンカモ類調査結果について(お知らせ)

環境省生物多様性センターでは、モニタリングサイト1000の一環として実施しているガンカモ類調査について、2013年9月から2014年5月に行った調査結果をまとめました。
絶滅危惧種であるハクガン及びシジュウカラガン(ともに環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類)の個体数は、2004/05年の調査開始以来増加傾向にあり、2013/14年調査では、これまでの調査で最も多く記録されました。両種ともかつては、ロシア極東地方から日本への飛来が多数確認されていましたが、ハクガンは狩猟等によって、シジュウカラガンは繁殖地の島に毛皮の採取目的で天敵のキツネを放したことによって、日本への飛来は消滅状態となっていました。その後、両種について狩猟が禁止されたことや、長年にわたる日・米・露の専門家による飛来数復元の取組が行われており、飛来数の増加につながっていると考えられます。

1.2013/14年調査概要

  • ・調査期間:2013年9月から2014年5月
  • ・調査地点数:77地点
  • ・調査方法:各サイトに調査員を配置し、双眼鏡等を使用した目視により、ガン、ハクチョウ、カモ、カイツブリ、バンの仲間を対象に個体数を種ごとにカウント

2.調査結果

ハクガンとシジュウカラガン個体数は、2004/05年の調査開始以来増加傾向にあり、2012/13年調査の記録個体数は、これまでの調査で最大となりました(添付資料1)。

ハクガンは100年ほど前まではマガンなどと同様に日本へ飛来していましたが、白く目立つことや、強い集団性を持つために狩猟されやすかったこと等からアジアに生息する群れはほぼ消滅したと考えられていましたが、狩猟が禁止されたことや1993年から日・米・露の研究者等により実施されているアジアでの越冬個体群を復元させる計画によって、繁殖数が増え日本への飛来数の増加につながっていると考えられます(添付資料2)。

シジュウカラガンは、かつては非常に多く日本に飛来していましたが、繁殖地であるアリューシャン列島と千島列島の繁殖地の島々では、羽毛の採取目的にキツネを放す取組が20世紀の初頭に行われ、キツネの捕食により日本への飛来は消滅状態となりました。その後、狩猟が禁止されたことや、日本でのシジュウカラガンの羽数回復事業が日・米・露の研究者等により1983年から実施され、試行錯誤の結果、繁殖地での放鳥等の取組によって日本への飛来数の増加につながっていると考えられます(添付資料2)。

絶滅危惧種と主な生息地は、シジュウカラガン(環境省レッドリストⅠA類)が八郎潟で605羽、ハクガン(同ⅠA類)が八郎潟で106羽、コクガン(同Ⅱ類)が野付湾で2,455羽、カリガネ(同ⅠB類)が長沼で4羽、亜種ヒシクイ(同Ⅱ類)が風連湖・温根沼で1,300羽、トモエガモ(同Ⅱ類)が片野鴨池で1,595羽、亜種オオヒシクイ(同準絶滅危惧)が福島潟で6,553羽、マガン(同準絶滅危惧)が八郎潟で289,175羽が記録されました。

※モニタリングサイト1000ガンカモ類調査について

モニタリングサイト1000(重要生態系監視地域調査)はわが国を代表する様々な生態系の変化状況を把握し、生物多様性保全施策への活用に資することを目的とした調査で、全国約1,000か所のモニタリングサイトを設置し、平成15年から長期継続的に実施しています。

ガンカモ類調査は、湖沼生態系の指標として調査を実施しているものです。代表的な全国80か所に設定された湖沼を中心とした調査サイト(添付資料3)において、ガンカモ類が日本へ渡ってくる9月から翌年5月にかけて個体数調査を行っています。

連絡先
環境省自然環境局生物多様性センター
直通   :0555-72-6033
センター長:中山隆治
保全科長 :木村元

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