総合環境政策

環境税の具体案

1.基本的考え方

 深刻化する地球温暖化問題への対応は喫緊の課題である。
 京都議定書が本年2月に発効したことにより、6%削減約束の達成は我が国の国際的義務となった。政府はこのため、本年4月、京都議定書目標達成計画を閣議決定し、目標達成に向けた道筋を示した。
 今後、同計画に位置付けられた対策をより一層確実に実施する上で、環境税は是非とも必要なものであると考えており、以下の基本的な考え方に基づき、環境税の創設を要望する

○ 環境税は、二酸化炭素の排出量に応じ、工場や企業、家庭などから幅広く負担を求めることにより、広く国民に対し温暖化対策の重要性についての認識を促し、排出量の削減を推し進めるものである。また、京都議定書目標達成計画の実施に当たり必要な安定的財源の確保も可能とするなど、各種温暖化対策の実効性を確保することができる有力な手段である。

○ 環境税は、市場の力を活かしつつ、中長期的には、国民のライフスタイルや事業活動を環境に優しいものへと変え、優れた環境技術を生むなど、美しい環境を将来の世代に残しながら発展する社会経済を具体化する新しい政策手法でもある。

○ 環境税の税収は、森林の整備・保全や家庭・企業の省エネ促進など緊急性が高い対策に用いることとし、また、税の仕組みの構築に当たっては、最近の原油価格高騰による影響等も踏まえ、国民負担や産業の国際競争力維持への配慮、一定の削減努力をした企業に対しての軽減措置なども工夫する。

○ 現在、特別会計や特定財源の在り方についての検討が行われているが、地球温暖化対策の観点から、エネルギー課税等環境負荷に関連する諸税の税率(暫定税率を含む。)の水準を維持することを要望する。また、地球温暖化対策の確実な実施には相当規模の費用が必要であるが、本環境税案の税収規模(およそ3,700億円)では緊急に必要な対策の実施が当面確保されるにすぎず、特別会計・特定財源の改革に際してはその財源を地球温暖化対策にも充てることを要望する。

2.環境税の具体的仕組み

(1)課税対象・段階

[1] 主に家庭・オフィスにおいて使用される化石燃料に対する課税
ガソリン、LPG、灯油 :上流課税(石油精製会社から移出された段階又は製品として輸入された段階で課税)
[2] 主に事業活動において使用される化石燃料に対する課税
石炭、天然ガス、重油、軽油、ジェット燃料 :大口排出者([3]の対象者を除く。)による申告納税
[3] 電気事業者等において使用される化石燃料に対する課税
発電用燃料、ガス製造用原料 :電気事業者、都市ガス製造業者による申告納税

(注)ただし、ガソリン、軽油、ジェット燃料については、原油価格の高騰及び既存税負担の状況等にかんがみ、当分の間適用を停止する。

(2)税収額、税率

○ 税収額は、約3,700億円とする。
<各部門の課税額>
  • 産業  約1,600億円
  • 業務その他  約1,100億円
  • 家庭  約1,000億円
○ 税率は、2,400円/炭素トン相当とする。
  • 例えば、石炭の税率は平均1.58円/kgとなる。
    ※ 発電用燃料への課税を電気に換算すると平均で0.25円/kWh
    ※ 適用開始後のガソリンの税率は1.52円/L
○ 家計の負担 一世帯当たり年間約2,100円(月額約180円)

(3)税負担の減免措置

○ 国際競争力の確保や一定の削減努力をした企業への配慮等のため、以下の軽減措置を講じる。
  • 一定の削減努力をした大口排出者が消費する石炭、天然ガス、重油、軽油、ジェット燃料について軽減を行う。(1/2に軽減。ただし、一定の削減努力をしたエネルギー多消費産業に属する企業の場合は1/2軽減に加え、さらに1割軽減)
  • 鉄鋼等製造用の石炭、コークス等は、免税する。
  • 灯油の軽減(税率1/2)等を行う。

(4)税収の使途

○ 全額を、地球温暖化対策として、[1]森林の整備・保全、[2]自然エネルギー等普及促進、[3]住宅・ビルの省エネ化などに用いる。

○ 税収は一般財源とし、地球温暖化対策を支援する税制優遇措置の財源にも充てる。

(5)地方公共団体への譲与

○ 税収の一部を地方の地球温暖化対策に充てるため地方公共団体に譲与する。

(6)実施時期

○ 平成19年1月から実施する。

3.環境税の効果・影響

○ 税による削減量 4,300万トン程度(1990年基準で3.5%程度)の削減

○ 経済への影響 GDP年率0.01ポイント減

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