INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第6回グッドライフアワード

東京造形大学社会連携プロジェクト —ものづくり環境教育ワークショップ活動—

東京造形大学

活動拠点:東京都八王子市などを含む多摩地域

WEB: https://www.facebook.com/Spedagi-Tokyo-1842126466006550/?__tn__=HHH-R

取組の紹介

東京造形大学は、自然に触れる機会が少ない親子が、地域の竹や木材(多摩産材など)を使ったものづくり体験を通して楽しく遊びながら環境の大切さやセンス・オブ・ワンダーを学ぶワークショップにデザインやアートを学ぶ学生と一緒に、社会連携プロジェクトの一環として取り組んでいます。この環境教育ワークショップは「ものづくり」を中心コンセプトに置き、子どもたちに人気のランバイクを竹で作り、それを呼び水に、親子でバイクを組み立て、そのバイクに乗って自然の中で遊んだり、竹や木材でおもちゃを作って遊んだりするなど、親子でものづくり体験を通して身近にある竹林や環境との関わりや竹や木材など自然が持つ魅力や可能性、驚きを学ぶことによって環境に対する関心や感性、価値意識、知識を高め、人と環境が共生するサステナブルな文化を創出しようとする取組みです。

活動のきっかけは?

大学がある八王子を含む多摩地域の里山には竹が豊富にありますが、現在では放置された竹林が住宅地や農地、森林へ拡大し、また林業が衰退することで様々な社会問題、自然環境問題を引き起こしています。またニュータウン開発や都市化で自然に触れ合う機会が少ない親子も増加しています。そこで子どもに人気のランバイクを竹で作り、それを活用したものづくりワークショップによって環境教育を推進することで、竹や木材の有効活用による里山の持続可能な管理への貢献や人と環境の共生文化醸成にデザインで貢献できるのではないかと気付き活動が始まりました。

問題解決のために取り組んだ方法

竹や杉などの木材は再生可能資源であり、長い間、生活や遊び用具のデザインや家屋などに使用され、暮らしに欠かせない身近な資源でした。しかしプラスチックや金属製品など地下枯渇性資源由来の製品が暮らしに浸透することによって、環境と暮らしの間にあったサステナブルな関係は崩れていきました。私たちが目指すビジョンは、持続可能な生産と消費を念頭に、ものづくりによって人と環境が共生するサステナブルな文化を創造することです。文化は人の手によって作られています。その文化の作り手が環境に対し関心を持ち、環境と共生することを大切にする価値意識や感性を根底に持っていなければ、人と環境が共生するサステナブルな文化は醸成されません。そのため、地域の竹や木材を使ったものづくりワークショップ体験を通し、身近な環境との関わりを学習する事によって環境に対する興味や知識、価値意識や感性が育まれ、人と環境が共生するためのサステナブルな文化が醸成されていくと考えています。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

多摩地域には目籠づくりや竹紙づくりなど、竹林の整備、林業サポートを行う市民グループやNPOがいますが、それぞれが個別に活動し、かつてこの地域のにあった里山のものづくり文化も消えていっています。今後は、ものづくりをベースにした環境教育という切り口でこれらのグループと連携を更に強化し、活動をワークショップに取り入れ竹林や林業の持続的な管理に貢献するだけでなく、多摩地域の新しい魅力に高め、都心部の親子が東京の農村である多摩地域を訪れ、環境を学ぶ都市農村交流のプラットフォームに発展させていきたいと考えています。またこの活動を日本やアジアなど竹が生育する地域の大学やNPOとも連携し発展的に広げていきたいと構想しています。

プロフィール

東京造形大学は八王子市にある美術・デザインの大学です。本学はサステナブルプロジェクト専攻を世界に先駆け設置するなど、デザインやアートによって社会や環境の課題に取り組んで来ました。現在本学では、地域社会の様々な主体と連携し、地域にある自然資源、人的資源、文化資源、物的資源など様々な地域資源をアートやデザインの力によって活用し、地域が抱えている課題解決に取り組み、地域のサステナビリティを向上するための社会連携プロジェクトを推進しています。

第6回グッドライフアワード 受賞者一覧