INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第6回グッドライフアワード

島らっきょうプロジェクト ~被災地復興支援~

島らっきょうプロジェクト

活動拠点:福岡県朝倉市

WEB: https://srpjfun.wordpress.com/

Facebook: http://facebook.com/bstonekj

取組の紹介

島らっきょうプロジェクトとは、被災地において、農業の再開を早期に行う取組みのことです。 台風や洪水によって被災した地域では、農業の復興に多大な時間を要します。理由のひとつに、土砂出しが進まないことがあげられます。しかし、本プロジェクトでは、ある程度の土砂の量であれば撤去をせず、島らっきょうを植え、農業の再開を早期に行うことができました。 2017年7月5日、九州北部豪雨で桂川が氾濫し、大量の土砂が流れ込みました。翌月の8月1日に島らっきょうを少量植え付け、その生育状況から9月9日以降に本格的に植え付けを開始。雨が降ればドロドロで、炎天下が続けばガチガチになる土壌でも最終的には3,000坪までに拡大しました。翌年の5月13日には無事に収穫祭を迎え、被災地に希望をもたらしました。その後、飲食店の採用やインターネットサービス、料理教室など様々な動きへ発展し、農業の再開にとどまらず賑わいも創出中です。

活動のきっかけは?

家屋のボランティア活動を行いながら、被災地が今後歩んで行く道をインターネットで調べたところ、2つのことがわかりました。ひとつは農業の復興には多大な時間を要すること。もうひとつが自ら命を絶つ人が出てくるということ。この2つを解決するには、今すぐ農業の再開が必要だと考えました。そこで環境に強い島らっきょうの栽培をきっかけに賑わいを創出できないかと考え、試行錯誤ながら行動に移しました。

問題解決のために取り組んだ方法

被災された方々が絶望した土砂まみれの農地に、再び人々を呼び寄せ、笑顔を生み出し、将来の希望を描ける地域を作る。 島らっきょうは過酷な環境でも栽培できることから、被災地でも栽培することが可能です。既存の農機具で耕し、堆肥を入れることで、ある程度の土壌が出来ます。ボランティアには100円ショップで購入できる材料で作った農具で植え付けてもらいます。最大の問題点は水はけですが、その問題も農家には1台以上保有している管理機を使って溝を掘っていくだけです。追肥と管理機を年間に5回ほど行うと、水はけ問題が解消し、管理機で飛ばされた土で立派な島らっきょうとなります。収穫時期には一粒から30~40粒に分けつするため、その量に驚きとともに感動もあります。その他、規格が存在しないため、どのような形やサイズであっても販売することができ、流通量が少ないことで価格競争に巻き込まれず、復興のシンボルとなりえます。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

島らっきょうが土砂出しをしない農地でも大量に栽培でき、多くの人が希望を持ったプロジェクトに育った。現在でも飲食店や個人の方の注文はあとを絶たない。九州北部豪雨から一年が経過した今、ニュースでの露出は減ったが、「食べて応援」が今尚続いている。今後は生産者を増やし、この活動を更に拡大し、風化しても復興に繋がるプロジェクトにしていきたい。また、整腸作用があるため健康と美容の面からもアピールしていきたい。

プロフィール

ビジネススクールで町づくりを学び、地域おこし協力隊として大分県臼杵市に移住。価格競争に巻き込まれない野菜として島らっきょうの栽培を始める。協力隊の任期終了に伴い、販売の準備をしていたところ、故郷の朝倉市が被災。復興には多大な時間を要することを知り、島らっきょう栽培で復興を目指すことになる。復興のシンボルとなった島らっきょうプロジェクトは知名度も上がり、現在、様々な地域から問い合わせがきている。

第6回グッドライフアワード 受賞者一覧