INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第6回グッドライフアワード

未利用資源の有効活用で地球に優しい卵を生産。 環境保全に努め循環型農業で地域活性化

自然養鶏場 お多福たまご

活動拠点:鹿児島県姶良郡

WEB: https://munouyaku.shop/

取組の紹介

鹿児島県北部に位置する湧水町。その名の通り豊かな自然と湧き水に恵まれた町です。 その湧水町で私は養鶏を営み、卵の販売をしています。鶏の飲み水は、霧島連山の麓から湧き出る 清らかで純粋な湧き水を飲ませ、鶏の飼料には有機JAS認証を取得した穀物を主体とし、自家発酵 させています。餌の原料は環境に負荷をかけない有機・栽培期間中農薬不使用のものを厳選。 規格外のサツマイモや、精米した後の米ぬか、油を搾った後のゴマの搾りかす等の未利用資源を 有効活用しています。現実問題として家畜飼料は国内自給率が低い事等から、農業残渣の飼料化は 環境負荷低減を考慮した循環型社会の構築にも貢献しています。飼育環境においては、日の出から日没まで雑木林や野原で放し飼いといった鶏本来の暮らしを実現。 ガス、照明、大型扇風機を使用しない地球に優しい環境で飼育していることや、地域内循環で誕生した『卵』に意義があると思っています。

活動のきっかけは?

元々、湧水町が私の出身地で故郷に恩返しがしたいと思い立ち、東京でのレストラン勤務(10年間)を経て 『湧水町地域おこし協力隊』に応募し採用されたのがきっかけで帰郷。 与えられたミッションの一つが『特産品の開発』でした。地元湧水町の特性や地域資源を生かした商品が開発できないか自問自答の日々が続く中で、地域の課題にも直面。若者は都市部に流出し過疎化が進む一方。基幹産業でもある農業も後継者不足・農業従事者の高齢化が浮き彫りに・・・全ての問題を解決できないかもしれないけど、湧水町にしかない特性や資源を生かした『卵』なら、と養鶏業を創めたのがきっかけです。

問題解決のために取り組んだ方法

餌の原料となる農業残渣を買い上げ、農業従事者や、食品加工業者に現金対価として還元する。それが今まで使用していなかったものや廃棄していたものがほとんどだったので、労働意欲・生産性の向上にも役立っています。 また、買い上げた農業残渣の全てが有機JAS認証を取得したものや、栽培期間中農薬不使用のものである為、環境や地球にも優しく、こうした有機農業の取り組みを推進しながらも昔ながらの農村風景や景観を守っていきたい思惑もあります。その為にも持続可能な農業を目指すべく、メインとなる卵の販売やプロモーション、卵を使用した加工品の開発(お多福カスタード茶大福)、コンクールの応募等に力を入れています。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

まだ計画段階なのですが、地元の幼稚園・小中学生向けに鶏と触れ合ってもらったり、卵を使用した調理実習をしたりと、地域でどのように卵が作られ、どんな人たちが関わって誕生した『卵』なのかを理解してもらうきっかけの場を 作っていきたいなと考えています。また、休耕田を活用し、チキンレースの開催を実施し、外部から人を呼び込み地域全体を盛り上げていきたいと思っています。最終的にはこういった取り組み、イベントを通して、 『環境保全型の農業の素晴らしさ』、『地球に優しい養鶏業の楽しさ』が伝わり、町内外の若者や移住者が増え、後に続いてきてくれることを願い、情報発信や講演活動を継続していきたいと思います。

プロフィール

鹿児島県 湧水町地域おこし協力隊として平成29年6月着任。 与えられた主なミッションは、『SNSによる情報発信』、『特産品の開発』 東京で10年間イタリアンレストランのキッチンスタッフとして勤務した経験を活かし、 卵料理に特化した古民家レストラン開業を目指す。 寝ても覚めても『鶏』の事が頭から離れないくらい鶏大好き。 座右の銘『与えた恩は水に流し、受けた恩は石に刻め』

第6回グッドライフアワード 受賞者一覧