INITIATIVE OVERVIEW
第6回グッドライフアワード
特定非営利活動法人 みなと研究会
活動拠点:山形県酒田市
人の命を守るシートベルトが、今度は海の生き物の増殖に貢献! 品質が良すぎて燃やす事も出来ず、埋め立て処理している厄介物のシートベルト。「勿体無い…」陸地から沿岸域に渡す“襷”にならないか。 現在、日本で「磯やけ現象」(海藻がなくなり、魚介類が居なくなる)が激増しています。2012年に日本で初めてコンクリート岸壁の垂直面に根のない海藻であるアカモクを自然増殖させる事に成功した当みなと研究会では、その経験を活かし、シートベルトで藻場を作って海藻を増やし、海洋生物の“楽園”を形成できないかと考えました。 現在は、シートベルトをコンブに見立てて加工した「人工藻場」を海中に設置する活動に取り組んでいます。
ゴミとして埋め立てられる廃車のシートベルト。「勿体無い…」陸地から沿岸域に渡す“襷”にならないか。 シートベルトをゴミとして埋め立てした大地に良いことは何一つ無い!人間はお金をかけ、苦労して優れたものを造り、不要になると多くの時間と費用を使ってゴミ処理しています。 そのような人間の行為によって環境が変化し問題となっています。海の磯焼け現象もその一つで、食糧資源問題や地球温暖化問題にも影響しています。
私たちは、自然環境の循環型社会構築を最も重視しています。 人間の行為によってオゾン層が破壊され自然環境が壊れ、北極の氷が溶けだしたりしています。将来的には人類存続の危機、地球の危機を招きかねません。私たち人類は、自分たちの身勝手で自然の生態系まで変えてしまっています。海では生き物をいなくなるまですべて獲ったりしています。 今、海の生き物との共生が求められています。日本は国土の狭い島国です。私達は、海からたくさんの恩恵を受けています。この豊かな国を次世代の子ども達に引き継がなければなりません。 当みなと研究会は、自然環境の循環型社会構築を目指し、健全で快適な海洋環境を未来に引き継ぐため、シートベルトの人工藻場を製作する事業に取り組んでいます。
シートベルトを活用して“魚介類の楽園”を作る取り組みは、全くの未開発事業のため水産土木建設技術等と連携して調査研究していくことを計画しています。 今後は人工藻場をさらに展開させ、粉砕したカキ殻と車のバンパーを混ぜた生コンで漁礁を作り、自在にシートベルト藻場を取り外し出来る仕組みの物の製作も視野に入れています。 廃品を活用した海洋生物の増殖保全活動を、日本から世界へ発信していきたいと考えています。
NPO法人みなと研究会は平成16年より山形県沿岸を活動域とし、豊かな自然に恵まれた特に本県庄内地域の親水空間において、保全と利用が調和した環境整備の推進に努め、自然と共生する海岸保全、海洋生物の保護保全を図ることで、社会全体への貢献、健全で快適な自然環境を未来に引き継ぐことを目的として活動しています。