INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第6回グッドライフアワード

お寺の「おそなえ」を「おさがり」として 困窮家庭に「おすそわけ」

特定非営利活動法人 おてらおやつクラブ

活動拠点: 奈良県磯城郡田原本町

WEB:https://otera-oyatsu.club

Facebook:https://www.facebook.com/oteraoyatsu

取組の紹介

「おてらおやつクラブ」は、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力の下、経済的に困難な状況にあるご家庭へ「おすそわけ」する活動です。活動趣旨に賛同する全国のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の団体をつなげ、お菓子や果物、食品や日用品をお届けしています。日本国内において子どもの7人に1人が貧困状態にあります。一日一食の食事に困る子どもたちが増えている、その一方でお寺にはたくさんの食べ物がお供えされます。全国のお寺の「ある」と社会の「ない」をつなげることで、貧困問題の解消に寄与することを目的にした活動です。活動歴4年(2014年1月より活動開始)。全国の寺院が951カ寺、支援団体379団体と連携(2018年9月時点)、毎月約9,000人の子どもたちが全国のお寺から届くおやつを楽しみにしています。

活動のきっかけは?

貧困母子の心中事件や、ダブルワーク・トリプルワークで子どもと過ごす時間を取れず、子どもが事件に巻き込まれてしまうというケースが連日報道されるようになっています。行政や民間団体などもこの問題に対してさまざまな施策を展開していますが、決して十分とはいえない状況です。そこで、日本全国くまなくあるお寺をインフラとして活用すれば、どんな地域の貧困問題にも手を差し伸べられると考えたことが取組の原点です。

問題解決のために取り組んだ方法

将来の社会の担い手を救うために、そして仏教信仰の相続を確かなものにするために、貧困問題を早期に解決することがわれわれのビジョンです。そして、全国に7万以上あるといわれるお寺が貧困問題の解決に向けて足並みを揃えて活動すれば、その解決への一助になると確信しています。当活動は、物資の支援にとどまらず、苦しむ人々の状況を想像し、お寺が社会に対してなにができるかを問いかけ、檀家さんや地域住民とともに模索しながら行動する慈悲の実践活動でもあります。お寺や、活動に賛同する人々が社会活動の側面から仏教精神を発揮することは、仏教を通じて豊かな人間性を育て、よりよい社会形成を推進することにつながっていくでしょう。多くのお寺は数百年の歴史があり、その中で数千年の時間軸をもつ仏の教えを語り継いできた場所です。現代社会における目を背けたくなるような大きな課題に、ようやくお寺の出番がやってきたと考えます。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

貧困問題の早期解決に向けて、全国にある7万の全てのお寺に活動に参加してもらうことを展望として掲げています。そして、より広く活動の実態をお伝えするべく、2018年7月にフリーマガジン『てばなす』を創刊しました。みなさまの「てばなす」という行為によって、われわれの活動は支えられています。「てばなす」という行為は仏教が説く実践の中のひとつであり、そうした仏教精神にふれてもらうことも目的としています。

プロフィール

「おてらおやつクラブ」は、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力の下、経済的に困難な状況にあるご家庭へ「おすそわけ」する活動です。活動趣旨に賛同する全国のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の団体をつなげ、お菓子や果物、食品や日用品をお届けしています。

実行委員会からのコメント

深刻化している日本の子どもたちの貧困問題を解決するために、地域社会のためにいいことをしてきた数多くのお寺の地道な社会貢献を見える化し、ネットワーク化することで、全国的に幅広く取り組んでいる点を高く評価しました。仏教の「足るを知る」の精神がSDGs、エシカルの考え方ととても親和性が高いと感じています。今後全国のすべてのお寺にこの取組が広がっていくことを期待しています。

(末吉里花委員)

第6回グッドライフアワード 受賞者一覧