INITIATIVE OVERVIEW

取組概要

INITIATIVE OVERVIEW

第3回グッドライフアワード

新宿の環境学習応援団『まちの先生見本市!』

NPO法人新宿環境活動ネット

活動拠点:東京都新宿区

WEB:https://www.sean.jp/

取組の紹介

地域に目を向けると、区民・NPO・事業者・行政など様々な立場から、くらしや本業の中で環境活動が実践されており、それぞれ専門的な知見や独自のノウハウを持っています。こうした地域にいる環境の専門家たちを「まちの先生」として集め、学校の環境学習に活かしたいと考え、2001年に“新宿の環境学習応援団ℽを結成しました。2015年度は57団体が登録し、学校の環境学習に対して応援できる内容を『登録資料集』にまとめ、区内小・中学校の全教員に配布しています。また、2002年から年1回、「学校の先生」と「まちの先生」が直接交流する場として『まちの先生見本市!』を開催しています。2015年1月には牛込仲之小で第14回を実施し、学校の先生や地域のこどもたちを含む約1,000名の来場者を迎えました。一連の活動を通じて、毎年100件ほどの出前授業が行われ、地域と学校の連携と協働による豊かな環境学習が実現しています。

活動のきっかけは?

地球温暖化や生物多様性をはじめ、様々な環境問題が深刻化する中で、持続可能な社会づくりに貢献する人材育成を目指して、学校における環境学習の重要性はますます高まっています。そこで、「地域の人材やプログラム情報を集め、学校の先生方に活用していただき、教育現場の環境学習を地域の側から応援する仕組みをつくろう」という声が上がるようになり、2001年秋に“新宿の環境学習応援団ℽプロジェクトを立ち上げました。

問題解決のために取り組んだ方法

地域で環境活動を推進している方々を「まちの先生」(地域団体・NPO・事業者・行政など)として募集し、それぞれの立場から学校の環境学習で応援できる内容を『登録資料集』にまとめ、新宿区内小・中学校の全教員に1人1冊配布しています。また、「学校の先生」と「まちの先生」が直接つながる場として、区内小学校で年1回『まちの先生見本市!』を開催し、展示やワークショップなどを通して知恵や経験の交流を促しています。

今までの成功のポイントは?

実行委員会形式の運営により、区民・NPO・事業者・行政などがお互いの強みを活かした役割分担を行い、ともに汗をかきながら進めています。結果的に、「まちの先生」同士の出会いや相互理解にもつながっています。
第8回『まちの先生見本市!』(2009年2月)から、教育委員会主催の『環境学習発表会』と同時開催するようになり、学校や教育委員会とより深く協力しながら、名実ともに地域発の学校イベントとなってきました。
学校からの要望に対して、元小学校教諭のスタッフがコーディネーターとなり、「学校の先生」と「まちの先生」の間をつなぎ、三者で環境学習指導案の作成を行うことによって、円滑な出前授業の実現を支援しています。

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

15年目を迎える“新宿の環境学習応援団ℽプロジェクトですが、「継続」と「拡がり」を目指しています。『まちの先生見本市!』の会場は、小学校の持ち回りで、これまで区内29校中15校で開催してきました。また、2015年度は積極的な呼びかけで、新しく15団体が「まちの先生」の輪に加わりました。今後も、地域発のESD活動として取り組みを「継続」し、多セクターを巻き込みながら、区内での「拡がり」を狙います。

プロフィール

1998年に新宿区主催『環境活動報告シンポジウム』で出会った仲間が、「活動情報を横につなぐネットワークがあれば、それぞれがより元気になれる」と呼びかけ合い、現NPOの母体が誕生。以来、環境都市・新宿の実現へ向け、区民・事業者・行政の立場と分野を越えた環境ネットワークとして歩んできました。2003年にNPO法人を設立し、2004年4月からは新宿区立環境学習情報センターの指定管理者として活動中です。

実行委員会からのコメント

環境に関心が高い地域の市民から数多くの「まちの先生」を募集し、学校と連携しながら毎年100件もの出前授業が行われ、大きな広がりをみせている素晴らしい取り組みです。すでに15年という歴史を持ち、大規模な交流イベントも行われ、先生同士の切磋琢磨により授業の質を高めている点も高く評価できます。

第3回グッドライフアワード 受賞者一覧