平成18年度 環境の保全に関する施策

この文書の記載事項については、数量、金額等は概数によるものがあり、また、今後変更される場合もあることに注意して下さい。

第1章 地球温暖化防止・オゾン層保護


第1節 地球規模の大気環境の保全に関する国際的枠組みの下での取組と新たな国際的枠組みづくり


1 地球温暖化の防止

京都議定書の未締結国に対し、引き続き締結を働きかけていきます。
また、京都議定書の第1約束期間終了後(2013年以降)の次期約束については、気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)及び京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)における決定に基づき、すべての国がその能力に応じ排出削減に取り組むことを可能とするとともに、主要排出国による最大限の削減努力を促す実効ある枠組みの構築に向けて、各国と連携して、議論の進展に貢献していきます。
さらに、地球温暖化防止のため、地球環境ファシリティ(GEF)等の多数国間基金への拠出、二国間の技術・資金協力の推進、国際海事機関(IMO)における外航船舶からの温室効果ガス排出量に関する検討等を引き続き実施していきます。
クリーン開発メカニズム(CDM)共同実施(JI)等の京都メカニズムをさらに活用していく観点から、有望なプロジェクトが正式にCDM/JIプロジェクトとして実施することができるよう、政府が一体となって引き続きさまざまな支援を行っていきます。
これまで行ってきた開発途上国等におけるプロジェクトの発掘及び事業化をさらに強化するため、プロジェクトの実現可能性調査を引き続き実施していくとともに、ホスト国の承認体制やホスト国での事業ニーズの調査、CDM実施マニュアル等CDM/JI事業を実施する民間事業者が必要とする情報を収集し、効果的に提供します。
また、ホスト国におけるCDM/JIプロジェクトの受入れに係る制度構築、人材育成及び実施計画の策定等に対する支援事業についても、引き続き実施していきます。
さらに、京都議定書の目標達成のため、京都メカニズムによるクレジットを取得していくことが必要であり、平成18年度からNEDOを活用して政府が効率的にクレジットを取得する事業を新たに開始します。
2007年(平成19年)に公表予定の第4次評価報告書の執筆に参加する専門家をサポートする等、IPCCの活動に対する人的、技術的、資金的な貢献を行います。また、温室効果ガス排出・吸収量世界標準算定方式を定めるためにIGESに設立されたインベントリータスクフォースの技術支援組織を引き続き支援していきます。
また、2013年以降も見据えた実効的な国際取組のあり方について検討を深めていくことを目的に、「気候変動に対する更なる行動」に関する非公式会合を引き続き主催します。
さらに、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップについては、2006年(平成18年)1月の第1回閣僚会合で立ち上げられた8つのタスクフォース(1)よりクリーンな化石エネルギー、2)再生可能エネルギーと分散型電源、3)発電及び送電、4)鉄鋼、5)アルミニウム、6)セメント、7)石炭鉱業、8)建物及び電気機器)について、日本が議長を務める鉄鋼及びセメントのタスクフォースをはじめ、官民が協力してクリーンな技術の開発、移転のための取組を積極的に進めることにより、京都議定書を補完していきます。
国際的な取組や国内の取組の枠組みの目安となる中長期的な目標について、30〜50年を射程とする目標の策定に向けた必要な作業を進めます。(具体的な目標の在り方についてはなお検討が必要です。なお、例えば、EUにおいては、1996年(平成8年)に、工業化前と比較した気温上昇を2℃以下に抑える長期目標を設定しています。)
なお、気候変動に関するG8での取組については、第7章第9節参照。

2 オゾン層の保護

モントリオール議定書に定められたHCFC等のオゾン層破壊物質の生産規制等を着実に実施するとともに、オゾン量、オゾン層破壊物質及び有害紫外線の観測・監視等を実施します。また、開発途上国におけるオゾン層保護対策を支援するため、議定書に基づく多数国間基金への拠出、二国間協力事業の推進、研修員の受入れ等を引き続き実施するとともに、専門家の開発途上国への派遣等の技術協力を行います。


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