総合環境政策

第2回グリーンボンドに関する検討会 議事要旨

日時

平成28年12月8日(木)15:00~18:00

場所

ステーションコンファレンス東京 602A

出席者

出席委員: 水口委員、足立委員、阿部委員、井上委員、河口委員、島委員、菅原委員、寺本委員、徳田委員、松岡委員

オブザーバー:日本公認会計士協会 保証実務専門委員会 小池専門委員(岸上常務理事代理)
日本証券業協会 自主規制本部 丸野公社債・金融商品部長

議事

1.開会

2.個別論点に関する議論

【総論】

(1) 委員より、本検討会の議論を通じ成果物としてガイドラインを策定したとしても、グリーンボンドの普及という目的を踏まえ、我が国の市場の成熟度を勘案して、その後の状況変化に応じ改定していくことが重要である、との意見があった。

(2) 委員より、ガイドラインの中で、「グリーンボンド原則」との整合性に配慮した旨を示すことが重要である、との意見があった。

(3) 委員より、ガイドラインの中に「グリーンボンド原則」の一部と同様の趣旨の記述をする場合でも、「グリーンボンド原則」の直訳では趣旨が正しく伝わらない可能性があることから、表現には十分に注意することが重要である、との意見があった。

(4) 委員より、ガイドラインの中で、グリーンボンド発行・投資のメリットを示すことが重要である、との意見があった。

(5) 委員より、「この最低ラインを満たさないものはグリーンボンドとはいえないのではないか」というものがあるならば、それをガイドラインの中で明確に示すことが重要である、との意見があった。

(6) 委員より、「グリーンボンド原則」の要求事項の全てに完全には準拠していなくとも環境改善効果がある「ソフトグリーンボンド」の有用性は否定すべきではない、との意見があった。

(7) 委員より、ガイドラインの中で典型的なグリーンボンドの発行事例を紹介し、それについて解説をすると、理解の増進につながるのではないか、との意見があった。

【調達資金の使途】

(1) 委員より、プロジェクトの中には、環境の視点からポジティブな影響とネガティブな影響をあわせ持つものもありうる、との意見があった。

(2) 委員より、グリーンボンドの調達資金の使途としてふさわしいプロジェクトに調達資金が充当されているかを市場が正しく判断するためには、情報が十分に提供されることが重要である、との意見があった。

(3) 委員より、例えば高効率の石炭火力発電や原子力発電、大規模水力発電の事業はグリーンボンドによる調達資金の使途としては適切とはいえないのではないか、との意見があった。

(4) 委員より、製造業を営む企業等が行う、原単位あたりでの環境改善効果(製品1トン当たりの排出CO2量の削減など)を有するプロジェクトについて、グリーンボンドの調達資金の使途となりうることを示すことは、製造業を営む企業等によるグリーンボンドの発行を促すことにつながる。ただし、パリ協定の発効を踏まえると、今後は脱炭素に向かって取り組む視点をあわせ持つことが重要であり、原単位での改善だけではグリーンと言えなくなる可能性がある、との意見があった。

【プロジェクトの評価及び選定のプロセス】

(1) 委員より、プロジェクトの評価クライテリアの妥当性、クライテリアに基づくプロジェクト選定の妥当性は、環境部局や外部機関による牽制を働かせることが重要ではないか、との意見があった。

【調達資金の管理】

(1) 委員より、発行体内部の管理会計的手法により対象事業への資金充当状況等が管理され、それが投資家に対してエビデンスを伴って説明されることが重要ではないか、との意見があった。

(2) 委員より、資金管理方法が事前に投資家に説明されることが重要ではないか、との意見があった。

(3) 委員より、別口座による管理は実務的に発行体の負担が大きいのではないか、との意見があった。

(4) 委員より、グリーンプロジェクトのみを事業とするSPCがグリーンボンドを発行する場合は、通常の社債と比較して追加的な資金管理措置は不要なのではないか、との意見があった。

(5) 委員より、「調達資金の充当対象プロジェクトが決定していない場合」や「充当対象プロジェクトは決定していても資金充当のタイミングが来ていない場合」における未充当資金の運用先は発行体により事前に示されることが重要である、との意見があった。

(6) 委員より、未充当資金の運用方法は、資金充当対象のグリーンプロジェクトよりも運用利回りが低いものとすることが重要であり、そうすることで、発行体にとって適切なプロジェクトへ調達資金を充当するインセンティブが働くことになる、との意見があった。

【レポーティング】

(1) 委員より、インパクトレポーティングのやり方としては、「このような設備を何台導入することで、これだけの効果がある」というように、インパクトを生み出す具体的な取組が示されることが望ましい、との意見があった。

(2) 委員より、インパクトレポーティングについては、定量的効果の実測のため発行体に追加的な計測機器設置等が要求されるといった現実的ではない措置とならないよう留意することが重要ではないか、との意見があった。

(3) 委員より、インパクトレポーティングにおいてグリーンボンドの効果を比較できる項目が増えることは歓迎されることだが、発行体のコストや事務的負担の低減には十分に配慮すべきである、との意見があった。

(4) 委員より、個別プロジェクトへの出融資割合を開示するのが困難なケースがあることにも留意すべきである、との意見があった。

【外部機関によるレビュー】

(1) 委員より、レビューのコストを下げつつ質を維持することが重要である、との意見があった。

(2) 委員より、レビューの質を確保するため、レビューを付与する主体の適格性や第三者性について考慮することが重要ではないか、との意見があった。

(3) 委員より、必ずしも「グリーンボンド原則」の4つの基準の全てについてレビューが必要なわけではなく、発行スキーム等によってレビューを受けずとも問題がないと考えられる場合を整理することは有用ではないか、との意見があった。

(4) 委員より、一度レビューを取得したグリーンボンドと同様の発行スキームを有するグリーンボンドを発行する場合にレビューを省略する手法はコスト削減につながるのではないか、との認識が示された。

(5) 委員より、ISAE3000等の一般に公正妥当と認められるレビューの基準に従って実施されるレビューは、レビューの透明性、客観性、比較可能性の観点から他のレビューとは性質が異なるのではないか、との意見があった。

3.閉会

(1) 座長より、海外の関係者からも幅広く意見を聴いてガイドライン作成の参考とするため、グリーンボンド原則に関する知見を有する欧米の市場関係者との意見交換を行ってはどうか、との提案があり、委員から特段の異論はなかった

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