総合環境政策

第1回グリーンボンドに関する検討会 議事要旨

日時

平成28年10月28日(金)9:30~11:30

場所

大手町フィナンシャルシティ ノースタワー 22F 第2 会議室

出席者

出席委員:水口委員、足立委員、阿部委員、井上委員、河口委員、島委員、菅原委員、桃井氏(寺本委員代理)、徳田委員、松岡委員

オブザーバー:日本公認会計士協会 岸上常務理事
日本証券業協会 自主規制本部 丸野公社債・金融商品部長

議事

1.開会

2.開催要領案の了承、座長の選任

(1) 開催要領(案)については、委員から特段の異論はなく、了承された。

(2) 開催要領にしたがい、水口剛氏(高崎経済大学 経済学部教授)を座長として選任した。

3.今年度の検討会・成果物に関する議論

(1) 事務局より、本検討会開催の目的は、「グリーンウォッシュ債券が出回ることを防止しつつグリーンボンドをさらに国内に普及させるために、発行体・投資家をはじめとするグリーンボンド関係主体の「実務担当者」が参考とすることができる「グリーンボンドガイドライン」(仮称)をとりまとめること」である旨の説明があった。

(2) 事務局より、本検討会は、年度内に計4回開催する旨、及び、①検討会資料及び議事要旨の公表、②パブリック・コメント、③第三者委員会の審議、を通じて議論の透明性の確保をしたい旨の説明があった。

(3) 事務局より、資料3に沿って、成果物の策定主体、目的、検討にあたっての基本的な考え方等について説明があった。

(4) 委員より、パブリック・コメントの期間は、スケジュールが許す範囲でできるだけ長くとって欲しい旨の要望があった。

(5) 委員より、グリーンボンドに完全に準拠する「ハードグリーンボンド」と、そうではないが環境の改善に資する「ソフトグリーンボンド」、及び、環境改善効果がない「グリーンウォッシュ」は、分けて議論すべきとの意見があった。

4.個別論点に関する議論

【総論】

(1) 委員より、グリーンボンド原則との整合性は重要であるとの意見があった。

(2) 委員より、今回のガイドライン(仮称)について、大枠ではグリーンボンド原則との整合性に配慮しつつも、グリーンボンド原則の解釈の幅がある部分についてローカルルールを検討すれば良いのではないか、という意見があった。

(3) 委員より、現状、国内投資家は、資金使途が明示されていれば、第三者認証が付与されていない債券についてもグリーンボンドとして投資している、という認識が示された。

(4) 委員より、第三者認証等のコストを軽減することで、グリーンボンドの利回りが通常の債券と同水準になることが望ましい、との意見があった。

(5) 委員より、投資家が国内中心で調達資金規模が大きくない国内の一般事業会社もグリーンボンドの発行がしやすいような基準があるとよい、との意見があった。

【調達資金の使途】

(1) 委員より、今回のガイドライン(仮称)には、日本の産業力を環境に配慮したものにしながらかつ強化する、という目的意識が必要、との意見があった。

(2) 委員より、事業体の信用力によっては長期の起債が困難である可能性にも配慮し、投資対象となっていた事業との結びつきが説明できるのであれば、環境事業への投資資金のリファイナンスを資金使途とした債券もグリーンボンドとして認めるべき、との意見があった。

(3) 委員より、クリーンコール等については、投資家によってグリーンボンドの調達資金の使途として適切かどうかの考え方の差が大きい、という認識が示された。

【プロジェクトの評価及び選定のプロセス】

(1) 委員より、グリーンボンド原則の解釈や、認証の基準が、認証機関によって異なっている、との認識が示された。

(2) 委員より、今回のガイドライン(仮称)が、認証機関のクライテリアとして使うことができるものになれば、発行体の発行コスト削減、認証機関の判断の容易化につながる、との意見があった。

(3) 委員より、グリーンボンドの認証について、プロジェクト単位で評価したり企業単位で評価したりと様々なケースがあるが、ミニマムでどこまで対応することが望ましいのか、という考え方が必要、との意見があった。

(4) 委員より、グリーンボンドの第三者認証は、「チェックした範囲ではクライテリアに適合している」という意味合いを持つ「限定的保証」がなじむのではないか、という意見があった。

(5) 委員より、企業や自治体等の発行体が行う手続の実態を踏まえて、その手続を簡素化できるような内容が示せるとよい、との意見があった。

5.閉会