自然環境・生物多様性

第65次南極地域観測隊同行日記1

第1回:自然保護官(レンジャー)、南極へ行く

2023年12月7日(木)

みなさまはじめまして。
この度、第65次南極地域観測隊に同行者として参加することになりました、環境省の塚本と申します。
これからおよそ四ヶ月、どうぞよろしくお願いいたします。

 

環境省は南極条約に関係する省庁の1つとして、また南極条約の担保法である「南極地域の環境の保護に関する法律(南極環境保護法)」を管理する省庁として南極業務に関わっています。
そして南極環境保護法の管理の一環として、法律の施行状況の確認や南極環境の情報収集などを目的に、概ね2~3年に一度、南極地域観測隊の同行者として参加しています。
私もこれまでの担当者と同様に、出発前は南極条約の国際会議に上司に付いて出席したり、南極環境保護法による申請書の対応や会議などを進めていました。
 
また同時に、第65次南極地域観測隊に参加するための準備も進めてきました。
今回の日程では、11月10日に南極観測船しらせが日本を出発します。南極地域観測隊員は約2週間後にオーストラリアのフリーマントルでしらせと合流し、およそ一か月かけて海と氷を抜けて南極の昭和基地へ向かうことになります。
そしておよそ二か月、短い夏の間にそれぞれの調査や基地の整備、越冬の準備などを行い、その後越冬隊にあとを託して同じように一か月かけてオーストリアへ向かい、日本へ帰る行程です。
このような長期にわたる南極観測隊を無事に成功させるには、参加する人が十分な知識を持つことや、十分な物資を用意することなど事前準備が欠かせません。
私も南極地域観測隊の打ち合わせに参加し、南極観測船しらせに荷物と調査道具を積み込み、準備万端であとは出発の飛行機に乗るだけ!……でした。
 
…………しかし出発式当日、そこに私の姿はありませんでした。なんのことはありません。発熱でダウンです。

学年で一人はいましたね、はしゃぎすぎて遠足当日に風邪ひく人。まさか自分がその人になるとは思いませんでしたが。

幸い新型コロナウィルスでもインフルエンザでもなかったので直ぐ復活し、1日遅れでなんとか本隊に合流することができました。
11/30にはフリーマントル港を出発し、荒れる海を抜けて南極へ向かうことになります。

さて、オーストラリアにたどり着くまででもいっぱいっぱいな自然保護官(レンジャー)、果たしてこの先生きのこるコトができるのでしょうか……?

                 
                   <オーストラリアのフリーマントル港にて> 

                         

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