自然環境・生物多様性

第60次南極地域観測隊同行日記4 ~南極の基地について~

第4回:昭和基地に到着 ~南極の基地について~

20181226()

こんにちは。

1225日についに「しらせ」が昭和基地沖に接岸しました。観測隊員の多くはしらせからヘリコプターに乗り、しらせの接岸を待たずに昭和基地に向かうため、南極での第60次南極地域観測隊の活動はすでに始まっていますが、これから本格的に南極の陸域での活動が始まることになります。

日本の南極観測の拠点になっている昭和基地ですが、南極には各国が観測のためにいくつもの基地を設置しています。

今回は南極に建設されている「基地」についてご紹介します。

昭和基地

<昭和基地>

「基地」という言葉を聞いて、軍事基地を思い浮かべる方もいるかと思いますが、南極には軍事基地はひとつもなく、各国の観測基地と観光客向けの施設等があるのみになっています。

これは、南極条約で南極地域は、平和的目的のみに利用するという規定があり、平和的目的のための軍の要員・備品の使用を除いて軍事的利用が禁止されているためです。

現在、南極には40以上の基地があり、日本は、昭和基地、あすか基地、みずほ基地、ドームふじ基地の4つの基地を有しています。日本最大の基地である昭和基地では、夏期間に100名程度、冬期間に30名程度の人員が、各種観測や、観測に必要な設備やインフラの建設・維持管理等のため働いています。

昭和基地では、観測隊員や観測隊同行者、観測隊の支援を行う自衛隊員を除いて、ほとんど人は訪れませんが、南極点近くにあるアメリカのアムンゼン・スコット基地やクルーズ船が多く訪れる南極半島にある基地では、多くの観光客が訪れ、中には観光客向けにお土産を売っている基地もあります。また、チリのエドゥアルド・フレイ・モンタルバ基地には、観測隊員の家族向けの小学校がある基地もあり、南極の基地は観測を主目的にしているものの、様々な個性を持った基地があります。

空から見た昭和基地

<空から見た昭和基地>

観測のため様々な施設が建てられています。

これから本格的に調査が始まり、昭和基地や周辺の地域に行くことになりますので、今後また詳しい様子をご紹介していきたいと思います。

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