WONDER ACTION CAFÉ開催概要報告


 沿岸住民3000万人が暮らす都市の海・東京湾は、住民の生活や経済活動によって大きな環境負荷を受けています。近年の取組により環境改善のきざしが見えつつありますが、さらに加速させるためには沿岸住民の意識改革と行動が求められます。

 このため、便利で豊かな暮らしを享受しつつ、環境に配慮したライフスタイルや経済活動へのシフトの可能性を発信することを目的として、平成28年10月22日(土)に、横浜赤レンガ倉庫において「海にいいこと、やさしいこと、考えよう!WONDER ACTION CAFÉ 2016」を開催しました。本イベントは、東京2020公認プログラムとして、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の協力を得て、持続可能性のレガシーのPRも行いました。

 総合司会に桝太一さん(日本テレビアナウンサー・東京湾再生アンバサダー)、特別ゲストに萩原智子さん(日本水泳連盟理事・シドニーオリンピック女子競泳日本代表)を迎え、小学生によるオープニングメッセージを皮切りに、国交省、水産研究・教育機構、文科省、環境省からプレゼンテーションを行い、桝太一さんと萩原智子さんとのクロストークを通じて、243名の参加者と東京湾のためにわたしたちでもできるワンダーなこと(素晴らしいこと・奇跡を生むこと)を語り合いました。

 生物多様性のためにできる5つのこと「MY行動宣言」の映像の後、桝太一さんが登場し東京湾再生アンバサダーとして、そして研究フィールドとして親しんできた立場から東京湾再生への思いが紹介されました。続いて、萩原さんが登場し、水泳に不可欠な水のお話からスポーツと環境はとても関係が深いとのお話がありました。そして、お二人から、「レガシー」とは、2020年の大会をきっかけとして将来の社会に残していく良いことであり、それはみんなで取り組むことが大切であること、美しい東京湾がレガシーとなるように私たちができることを考えるのが今日のイベントであることの紹介がありました。

 続いて、佐藤拓実くん(根岸小学校)から「魚とアマモと私達」と題するオープニングメッセージがありました。アマモの再生活動に参加して、アマモの大切さと再生の難しさを知り、より強く海の環境を守りたいと思ったとの話がありました。そして、しょう油などの調味料を減らすこと、海にごみを放置しないことなど一人一人が努力を重ねることで海がきれいになり、アマモが増えて、魚も増えると力強く話してくれました。なお、このメッセージは、「よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」審査委員長賞を受賞されたものです。

 この後、5人のプレゼンテーターから、各テーマでスピーチを頂きました。

 環境省地球環境局地球温暖化対策課の松澤裕課長からは、「2030年まで継続する国民運動『COOL CHOICE』」と題して、進んでしまった地球温暖化とその影響ついての説明があり、パリ協定に参加する我が国の目標は26%削減で、それを実現するための一人一人のアクションとして、早寝早起きシンプルライフ、いまどき照明はLEDに、シャワーヘッドも節水型に、住宅リフォームで窓を複層ガラス・樹脂サッシに、などの紹介があり、COOL CHOICEへの参加を呼びかけました。

 国土交通省関東地方整備局港湾空港部の加藤雅啓部長より、「港から見た海の再生の輪の拡がり」と題して、東京湾が日本の貿易・経済活動を支えていること、そのために高度成長期に東京湾の埋立てが行われたとの話題が提供され進んだことの紹介があり、これまでの建設発生土砂を用いた浅場の造成、人工干潟、環境調査、漂流物や海ゴミの回収、アマモの再生活動など、長年に及ぶ東京湾再生の持続的な取組について紹介がありました。

 環境省自然環境局自然環境計画課の奥田直久課長より、「つなげよう、支えよう森里川海」と題して、海は森里川とつながっており、森・里・川・海が健全に保たれてはじめて東京湾の再生が実現できること、そのためには都市と農山漁村がそれぞれ自立を目指しつつ支えあう「地域循環共生圏」の考え方が重要なことについてのお話があり、私たちにできる取り組みとして5つのアクションMY行動宣言の呼びかけがありました。

 国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所の牧野光琢さんより、「愛され続ける江戸前の恵み」と題して、江戸前の魚やその利用の歴史、魚介類のいろいろな良い成分の紹介があり、江戸前の旬の魚を美味しく食べることが大切で、粋でいなせな都会の美意識である「江戸前」を現代につくりなおし2020年に世界の人をおもてなしようとの呼びかけがありました。

 最後に、文部科学省の鳴川哲也さんより、「学校で学ぶ・身近な自然から学ぶ」と題して、多摩川流域で取り組まれている自然体験教育の紹介があり、神秘さや不思議さに目をみはる感性「Sense of Wonder」、つながりを見つける「Sense of なんだー?」、私たちにもできることとつながりを意識する「東京Wonder!」の大切さについてお話がありました。

 クロストークでは、萩原智子さんから、水泳を楽しみながら、子どもたちに森や水に感謝の気持ちを持ってもらう「ミズケーション」の取組の紹介があり、登壇者おひとりおひとりから、2020年に向けて東京湾のために、私にできるワンダー宣言がありました。

 最後は、桝太一さんの掛け声で、会場の皆さんと一緒に「東・京・ワン・ダー!」と力強く宣言してワンダーアクションカフェを終了しました。