都会の農園「森里川海プロジェクトMOTHER EARTH フェス」
開催概要報告

 主に都市の若者・母親世代を対象に、子育て・食・地域間交流を切口として、森里川海プロジェクトの普及啓発と、自然の恵みの持続可能な利用が組み込まれたライフスタイルの重要性を発信するために、農山漁村地域及び都市地域をつなぐ地位間交流の視点を入れたワークショショップを、8月21日(日)に東京・お台場の市民農園「都会の農園」で開催しました。

 当日は、インフルエンサーとして主に都市の親や若者世代に向けて発信力を持つ様々な立場の方々(報道関係者、出版関係者、音楽プロデューサー、女優、タレント、モデル、アーティスト、有機農家など)にご参加いただき、森里川海プロジェクト副リーダーの中井徳太郎氏や、本プロジェクトを応援するグループ「MOTHER EARTH」のメンバーによるトークショーを通じて、「つなげよう、ささえよう森里川海プロジェクト」の趣旨について理解を深め、今後、それぞれの活躍の場を通じて森里川海の情報発信を進めるための決意表明のワークショップとなりました。

 また、都市と農村をつなぎ森里川海の恵みを体験できる時間として、埼玉県小川町の有機農家が育てた有機野菜を食材に、東京都港区でフランス料理店を営むシェフが調理した料理の試食会も実施しました。特に子育て世代の参加者からは、安心安全でおいしく頂ける食材がこれからも広まってほしいという感想や、都会に暮らしていても有機野菜を積極的に購入することで、地方でがんばっている有機農家を応援していこうという声で盛り上がりました。

<会場の「都会の農園」>

森里川海プロジェクトの中井副チーム長とMOTHER EARTHメンバーによるトークショー

 中井副チーム長とMOTHER EARTH発起人でありグッドライフアワード審査委員でもある大葉ナナコ氏、現役大学院生でモデルでもある鎌田安里紗氏によるトークセッション。中井副チーム長による森里川海プロジェクトの想いと概要を皮切りに、大葉ナナコ氏・鎌田安里紗氏からそれぞれの想いと取り組みについてお話しいただいた。

 中井副リーダーは「大型の台風発生からも感じる様に異常気象になっている。パリ協定で2050年にCO2削減80%も決まった。だからこれは国民運動としてやっていかなければいけない。自然も生物も、生きとし生けるもの全てがつながって、循環を取り戻して共生できる世界を取り戻す」と語り、みんなでライフスタイルの転換に取り組むことの重要性を強調しました。

 大葉氏は「公園でゲームばかりしている若い子どもたちに、森里川海にもっとつながってほしいと考え、MOTHER EARTHを立ち上げた」とMOTHER EARTH立ち上げの経緯を語り、「もっと地に足の着いた暮らしの大切さについて、みんなでアイディアを出し合い、考えあっていけるようにしたい」と語りました。

 鎌田氏は「エシカルファッションプランナーとして活動しているのは、その洋服がなんで安いのか、その安さの理由を考えてみることの大切さ。日常の中でそういったことをちょっと気にするだけでも行動が変わる。そういうことを伝えていきたい」と、ライフスタイル・シフトの大切さを伝えました。

農家トークセッション(小川町:高橋組合長・都会の農園:江原園長)

 世界的オーガニックタウンである埼玉県小川町で、有機農家組合の組合長を務めるサンファーム高橋の高橋知宏さんと、『都会の農園』農園長の江原太郎さんには、地域と都会の関係と有機農業について語っていただきました。

 「都会の農園で自然や農産に触れていただくと、みんな地域の本物の自然や畑に行きたくなる。そういうキッカケを提供できる農園でありたいと思う」との江原氏のお話に対して、高橋氏は「小川町は都内から1時間の里山。山も川も田畑もあっていろんな生き物も生きている。有機農業の里で豊かな自然を感じに来てほしい」と参加者に呼びかけました。

 森里川海の恵みを体験できる時間

 森里川海の恵みを体験する時間として、小川町の高橋さんが大切に育てた有機野菜を食材に、フランス料理『Tirpse(ティルプス)』のシェフたちが、森里川海をテーマに思いを込めて調理した食事の試食会を実施。『森』『里』『川』『海』と名付けられたそれぞれのメニューに込められた想いとストーリーをシェフの田村氏が語る度に、参加者たちからは感嘆の声が上がりました。

 想いを込めて生産された食材を、トップシェフが考え抜いたメニューとして提供することで、『森』『里』『川』『海』の想いや哲学が、参加者に深く刻み込まれる時間となりました。

参加者からの今後の活動についての思いなど

長谷川朋美さん(美容家)
 オーガニック食材の販売を表参道のお店やオンラインで販売したり、情報発信をしています。また若い女性たちを畑に連れて行く活動などもしています。福岡の糸島で自然農法を学んだり、宮崎のオーガニックタウン綾町などを訪ねたりしました。この都会の農園のことは知らなかったのですが、すばらしいところだと思う。これを機に、みなさんとつながって情報発信していけたらと思っています。
RAURAさん(音楽アーティスト)
 鉱物で作られたクリスタルボウルという楽器を演奏することもあり、海外の大自然を訪れたり、その中でレコーディングすることもあるのですが、その際に森の音、海の音、川の音などの大自然の音を活かして、フィールド・レコーディングもして作品として表現しています。本日のTirpseさんの料理、みなさんの活動が興味深く感じますし、みなさんと繋がりたいと感じています。これを機に今後ともよろしくお願いします。
秋場奈奈さん(料理家)
 料理をベースにみなさんの健康と豊かな生活をサポートするお仕事をしています。小学2年の時に学校給食のインゲンでアナフィラキシーショックを発症し、30歳まで毎日強いクスリを飲み続けながら、ビクビクしながら食事をし、時には全身が腫れて、呼吸困難になって死んでしまいそうな体験をたくさん経験してきました。
 そんな状況から抜け出したいと思って30歳で独立し、食事からライフスタイル全般にいたるまでを見直し変えてきました。いろいろ試す中で、脱ケミカル化し、食材もできる限りオーガニックにしていくことで健康を取り戻しました。特に自然の中で人間が故意に変えていったものではないものを使うことで、アレルギーは発症しないことが判ったので、そういうことを中心に体感で良いと思ったことをお母さん方に伝えるために料理教室をしてきました。今回はこのイベントを通して、みんなが健やかになれるような活動をしていきたい。
益田トッシュさん(音楽プロデューサー)
 宮藤官九郎さんと一緒に音楽を作っています。昭和音楽大学で10年以上教鞭を取っていて、その流れで北海道の新冠町で教育委員会と「音楽創造体験授業」も提供しています。こどもたちの原体験をどうやって楽器で再現するか、などということもやっています。子どもたちに向けて、音楽を通じて森里川海を伝えてくプロジェクトに感動しています。今後とも宜しくお願いします。
SAKURAさん(音楽アーティスト)
 ウクレレを引きながらシンガーソングライターとして音楽を創っていますが、普段から畑を借りて野菜をつくっていたりします。母親としては、来年高校を卒業する息子をオーガニックに育ててきました。 またアロマセラピストを育成していますが、主婦として地球を汚さないナチュラルな生活を実践するために、排水口には地球が喜ぶものしか流さないように、生徒たちにナチュラルな生活の指導もしています。音楽仲間のトッシュと共に、音楽で協力できることがあったら協力したいと思います。
田中里奈さん(モデル)
 ファッションやライフスタイルの情報発信や商品開発等も手がけています。心のこもった食材や料理をみなさんと一緒にいただけて、いい“気”をいただくことができました。モデルとしていろいろな海外を旅するのですが、その度に日本に対しての危機意識を感じている。若年層になればなるほどパスポート所有率も下がっている。若い子たちが知識としては知っていることを、実際にやってみることをしなくなっている。だからいろんなことが他人事になって関心を持てなくなってしまっていると思う。こういう場所に来て、何かを体験することで変わることがあると思う。今後、この森里川海のそういうキッカケづくりのお手伝いをできたらと思っている。
長沢裕さん(タレント/お天気レポーター)
 日本テレビZIPでお天気コーナーを担当したり、NHKの趣味の園芸・やさいの時間という番組をやらせていただいています。実家は福島の伊達市で、小さい頃からおじいちゃんが農業をやっていたので、季節ごとにさまざまな果物をつくっている中で育ってきました。震災のあとに自然が傷ついたことに心を痛めもしましたが、あらためて自然との“つながり”を大切にしたいと考えました。同時に今日の体験を通して人との“つながり”も大切にしていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

MINMIさんからは応援ビデオメッセージも

 シンガーソングライターでMOTHER EARTHメンバーのMINMIさんから、森里川海プロジェクトへの応援メッセージをビデオで頂きました。森里川海プロジェクトに共感し、MOTHER EARTHの一員として応援していくこと、そしてその一環としてMOTHER EARTHソング、森里川海の唄を制作中であることなどを発表すると共に、参加者たちに対して共に動いていこうと呼びかけるメッセージが贈られました。