騒音に係る環境基準について

平成10年9月30日環告64
改正 平成12年3月28日環告20
改正 平成17年5月26日環告45
改正 平成24年3月30日環告54

 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定に基づく騒音に係る環境基準について次のとおり告示する。
環境基本法第16条第1項の規定に基づく、騒音に係る環境上の条件について生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(以下「環境基準」という。)は、別に定めるところによるほか、次のとおりとする。

第1 環境基準

1 環境基準は、地域の類型及び時間の区分ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型を当てはめる地域は、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。)が指定する。

地域の類型基準値
昼間夜間
AA 50デシベル以下 40デシベル以下
A及びB 55デシベル以下 45デシベル以下
60デシベル以下 50デシベル以下
(注)
1 時間の区分は、昼間を午前6時から午後10時までの間とし、夜間を午後10時から翌日の午前6時までの間とする。
2 AAを当てはめる地域は、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域とする。
3 Aを当てはめる地域は、専ら住居の用に供される地域とする。
4 Bを当てはめる地域は、主として住居の用に供される地域とする。
5 Cを当てはめる地域は、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域とする。

 ただし、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」という。)については、上表によらず次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。

地域の区分基準値
昼間夜間
A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域 60デシベル以下 55デシベル以下
B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及び
C地域のうち車線を有する道路に面する地域
65デシベル以下 60デシベル以下
備考
 車線とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分をいう。
この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表にかかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。
基準値
昼間夜間
70デシベル以下 65デシベル以下
備考
個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。

2 1の環境基準の基準値は、次の方法により評価した場合における値とする。

  1. (1)評価は、個別の住居等が影響を受ける騒音レベルによることを基本とし、住居等の用に供される建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価するものとする。
    この場合において屋内へ透過する騒音に係る基準については、建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルから当該建物の防音性能値を差し引いて評価するものとする。
  2. (2)騒音の評価手法は、等価騒音レベルによるものとし、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価することを原則とする。
  3. (3)評価の時期は、騒音が1年間を通じて平均的な状況を呈する日を選定するものとする。
  4. (4)騒音の測定は、計量法(平成4年法律第51号)第71条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。この場合において、周波数補正回路はA特性を用いることとする。
  5. (5)騒音の測定に関する方法は、原則として日本工業規格Z8731による。ただし、時間の区分ごとに全時間を通じて連続して測定した場合と比べて統計的に十分な精度を確保し得る範囲内で、騒音レベルの変動等の条件に応じて、実測時間を短縮することができる。当該建物による反射の影響が無視できない場合にはこれを避けうる位置で測定し、これが困難な場合には実測値を補正するなど適切な措置を行うこととする。また、必要な実測時間が確保できない場合等においては、測定に代えて道路交通量等の条件から騒音レベルを推計する方法によることができる。
    なお、著しい騒音を発生する工場及び事業場、建設作業の場所、飛行場並びに鉄道の敷地内並びにこれらに準ずる場所は、測定場所から除外する。

3 環境基準の達成状況の地域としての評価は、次の方法により行うものとする。

  1. (1)道路に面する地域以外の地域については、原則として一定の地域ごとに当該地域の騒音を代表すると思われる地点を選定して評価するものとする。
  2. (2)道路に面する地域については、原則として一定の地域ごとに当該地域内の全ての住居等のうち1の環境基準の基準値を超過する戸数及び超過する割合を把握することにより評価するものとする。

第2 達成期間等

1 環境基準は、次に定める達成期間でその達成又は維持を図るものとする。

  1. (1)道路に面する地域以外の地域については、環境基準の施行後直ちに達成され、又は維持されるよう努めるものとする。
  2. (2)既設の道路に面する地域については、関係行政機関及び関係地方公共団体の協力の下に自動車単体対策、道路構造対策、交通流対策、沿道対策等を総合的に実施することにより、環境基準の施行後10年以内を目途として達成され、又は維持されるよう努めるものとする。
    ただし、幹線交通を担う道路に面する地域であって、道路交通量が多くその達成が著しく困難な地域については、対策技術の大幅な進歩、都市構造の変革等とあいまって、10年を超える期間で可及的速やかに達成されるよう努めるものとする。
  3. (3)道路に面する地域以外の地域が、環境基準が施行された日以降計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合にあっては(1)及び(2)にかかわらず当該道路の供用後直ちに達成され又は維持されるよう努めるものとし、環境基準が施行された日より前に計画された道路の設置によって新たに道路に面することとなった場合にあっては(2)を準用するものとする。

2 道路に面する地域のうち幹線交通を担う道路に近接する空間の背後地に存する建物の中高層部に位置する住居等において、当該道路の著しい騒音がその騒音の影響を受けやすい面に直接到達する場合は、その面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められ、かつ、屋内へ透過する騒音に係る基準が満たされたときは、環境基準が達成されたものとみなすものとする。

3 夜間の騒音レベルが73デシベルを超える住居等が存する地域における騒音対策を優先的に実施するものとする。

第3 環境基準の適用除外について

 この環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用しないものとする。

附則

 この告示は、平成11年4月1日から施行する。

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