土壌環境基準 付表

付表

検液は、次の方法により作成するものとする。

1 カドミウム、全シアン、鉛、六価クロム、砒(ひ)素、総水銀、アルキル水銀、PCB及びセレンについては、次の方法による。

(1) 採取した土壌の取扱い

採取した土壌はガラス製容器又は測定の対象とする物質が吸着しない容器に収める。試験は土壌採取後直ちに行う。試験を直ちに行えない場合には、暗所に保存し、できるだけ速やかに試験を行う。

(2) 試料の作成

採取した土壌を30℃を超えない温度で風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕(注1)した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合する。

(3) 試料液の調製

試料(単位g)と溶媒(水(日本産業規格K0557に規定するA3又はA4のものをいう。以下同じ))(単位ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにする。

(4) 溶出

調製した試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1気圧)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して水平に振とうする。振とう容器は、溶媒の体積の2倍程度の容積を持つものを用いる。

(5) 検液の作成

(1)から(4)の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、3,000重力加速度で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmで直径90mmのメンブランフィルターで全量ろ過して(注2)ろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とする。

(注1)
土粒子をすりつぶす等の過度な粉砕を行わないこと。
(注2)
ろ過時間が30分以内の場合には、ろ紙の交換は行わず、30分を超える場合には、おおむね30分ごとにろ紙を交換すること。

2 ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロエチレン、1,2 ジクロロエタン、1,1 ジクロロエチレン、1,2 ジクロロエチレン、1,1,1 トリクロロエタン、1,1,2 トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3 ジクロロプロペン、ベンゼン及び1,4 ジオキサンについては、次の方法による。

(1) 採取した土壌の取扱い

これらの物質は揮発性が高いので、採取した土壌は密封できるガラス製容器又は測定の対象とする物質が吸着しない容器に空げきが残らないように収める。試験は土壌採取後直ちに行う。試験を直ちに行えない場合には、4℃以下の冷暗所に保存し、できるだけ速やかに試験を行う。ただし、1,3 ジクロロプロペンに係る土壌にあっては、凍結保存するものとする。

(2) 試料の作成

採取した土壌からおおむね粒径5mmを超える中小礫、木片等を除く。

(3) 試料液の調製

あらかじめかくはん子を入れたねじ口付三角フラスコに試料(単位g)と溶媒(水)(単位ml)とを重量体積比10%の割合となるようにとり(注1)(注2)、速やかに密栓する。このとき、混合液が500ml以上となるようにし、かつ、混合液に対するねじ口付三角フラスコのヘッドスペースができるだけ少なくなるようにする。

(4) 溶出

調製した試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1気圧)に保ちマグネチックスターラーで4時間連続してかくはんする(注3)。

(5) 検液の作成

(1)から(4)の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、上澄み液を共栓付試験管に分取し、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とする(注4)。

(注1)
使用するねじ口付三角フラスコに使用するかくはん子を入れ質量を測定する。これに水を満たして密栓し、その質量を測定する。前後の質量の差からねじ口付三角フラスコの空げき容量(単位ml)を求める。一度空げき容量を測定しておけば、同一容器及び同一かくはん子を用いることとすれば毎回測定する必要はなく、2回目以降はその空げき容量を用いてよい。
(注2)
試料1g当たりの体積(ml)を測定し、(注1)により求めた空げき容量からヘッドスペースを残さないように加える水の量を調整してもよい。
(注3)
試料と水が均一に混じってかくはんされるようマグネチックスターラーを調整すること。また、試料液が発熱しないようにすること。
(注4)
上澄み液の分取後測定までの操作中、測定の対象とする物質が損失しないように注意すること。

3 有機燐(りん)、チウラム、シマジン及びチオベンカルブについては、次の方法による。

(1) 採取した土壌の取扱い

採取した土壌はガラス製容器又は測定の対象とする物質が吸着しない容器に収める。試験は土壌採取後直ちに行う。試験を直ちに行えない場合には、凍結保存し、できるだけ速やかに試験を行う。

(2) 試料の作成

採取した土壌を30℃を超えない温度で風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕(注1)した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合する。

(3) 試料液の調製

試料(単位g)と溶媒(水)(単位ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が1,000ml以上となるようにする。

(4) 溶出

調製した試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1気圧)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して水平に振とうする。振とう容器は、溶媒の体積の2倍程度の容積を持つものを用いる。

(5) 検液の作成

(1)から(4)の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、3,000重力加速度で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmで直径90mmのメンブランフィルターで全量ろ過して(注2)ろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とする。

(注1)
土粒子をすりつぶす等の過度な粉砕を行わないこと。
(注2)
ろ過時間が30分以内の場合には、ろ紙の交換は行わず、30分を超える場合には、おおむね30分ごとにろ紙を交換すること。

4 ふっ素及びほう素については、次の方法による。

(1) 採取した土壌の取扱い

採取した土壌はポリエチレン製容器又は測定の対象とする物質が吸着若しくは溶出しない容器に収める。試験は土壌採取後直ちに行う。試験を直ちに行えない場合には、暗所に保存し、できるだけ速やかに試験を行う。

(2) 試料の作成

採取した土壌を30℃を超えない温度で風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕(注1)した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合する。

(3) 試料液の調製

試料(単位g)と溶媒(水)(単位ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにする。

(4) 溶出

調製した試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1気圧)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して水平に振とうする。振とう容器は、ポリエチレン製容器又は測定の対象とする物質が吸着若しくは溶出しない容器で溶媒の体積の2倍程度の容積を持つものを用いる。

(5) 検液の作成

(1)から(4)の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、3,000重力加速度で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmで直径90mmのメンブランフィルターで全量ろ過して(注2)ろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とする。

(注1)
土粒子をすりつぶす等の過度な粉砕を行わないこと。
(注2)
ろ過時間が30分以内の場合には、ろ紙の交換は行わず、30分を超える場合には、おおむね30分ごとにろ紙を交換すること。