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微生物によるバイオレメディエーション利用指針

  • 公布日:平成17年3月30日
  • 経済産業省・環境省告示4号

 微生物によるバイオレメディエーション利用指針を次のように定める。

目次
 第一章 総則
 第二章 浄化事業計画の作成
 第三章 生態系等への影響評価の実施
 第四章 浄化事業の実施及び終了
 第五章 経済産業大臣及び環境大臣による確認
 第六章 留意事項
第一章 総則
 第一 趣旨及び目的
  バイオレメディエーションは、微生物等の働きを利用して汚染物質を分解等することによって、土壌、地下水等の環境汚染の浄化を図る技術である。環境汚染浄化の技術的手法としては、物理的手法、化学的手法及び微生物機能の活用等生物学的手法が存在するが、微生物を利用するバイオレメディエーションは、多様な汚染物質への適用可能性を有し、投入エネルギーが理論的には少なく、一般的に浄化費用も低く済む可能性があり、将来の主要技術の一つと考えられている。微生物を利用するバイオレメディエーションの中でも特に、バイオオーグメンテーションについては、主に難分解性化学物質の汚染に対し、近年、環境汚染浄化技術としての注目が高まっており、今後の利用拡大が期待されているところである。
  微生物の開放系利用となるバイオレメディエーションは、安全性評価を十分踏まえつつ実施することを前提にすれば、汚染された土壌、地下水等の浄化が進められることによって、全体として生態系への影響及び人への健康影響を低減することが期待できるものである。
  特に、バイオオーグメンテーションは、一般的には、自然環境から分離した特定の微生物を選択して培養されたものを意図的に一定区域に導入することによって、汚染された土壌、地下水等の浄化を図ろうとするものであるが、生態系への影響及び人への健康影響を与えるおそれがないとはいえないことから、あらかじめ安全性の評価を実施してから利用することが適当な手法として位置付けられるものである。しかしながら、この安全性評価は、事業者にとっていまだ経験が浅く、その統一された評価手法が存在していないのが現状である。
  この微生物によるバイオレメディエーション利用指針(以下「指針」という)は、微生物を利用するバイオレメディエーションの中でも特に、バイオオーグメンテーションを実施する際の安全性の確保に万全を期すための指針である。本指針は、生態系への影響及び人への健康影響に配慮した適正な安全性評価手法及び管理手法のための基本的要件の考え方を示し、バイオレメディエーション事業の一層の健全な発展及びバイオレメディエーションの利用の拡大を通じた環境保全に資することを目的とする。
 第二 用語の定義
  本指針の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。
   1 「バイオレメディエーション(Bioremediation)」とは、微生物等の働きを利用して汚染物質を分解等することによって、土壌、地下水等の環境汚染の浄化を図る技術をいい、本指針は、微生物によるバイオレメディエーションを対象とする。
   2 「バイオオーグメンテーション(Bioaugmentation)」とは、バイオレメディエーションのうち、外部で培養した微生物を導入することによるものをいう。
   3 「バイオスティミュレーション(Biostimulation)」とは、バイオレメディエーションのうち、栄養物質その他添加剤(以下「栄養物質等」という。)又は酸素を加えて浄化場所に生息している微生物を活性化することによるものをいう。
   4 「微生物」とは、細菌、古細菌及び菌類をいい、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)第2条第2項に規定される「遺伝子組換え生物等」は含まない。
     なお、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則(平成15年財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省令第1号)第2条第1号に規定する技術及び同施行規則第3条に規定する技術以外の生物の細胞を融合する技術の利用により得られた生物は、「遺伝子組換え生物等」の定義から除外されていることから、本指針の「微生物」に含める。
   5 「生態系等への影響」とは、作業区域及びその周辺における生態系への影響及び人への健康影響をいう。
   6 「浄化事業」とは、バイオレメディエーションを利用する事業をいい、「事業者」とは、浄化事業を実施する者をいう。
   7 「作業区域」とは、利用微生物を取り扱う場所として設定される区域をいう。
   8 「利用微生物」とは、バイオオーグメンテーションにおいて、浄化事業のため浄化場所に導入する微生物をいう。
   9 「単一微生物」とは、分類学上の株レベルで分類及び同定された微生物をいう。ただし、株レベルの分類及び同定が不可能な場合は、生態系等への影響評価が可能な場合に限り、種又は属レベルにより分類及び同定したものを含む。
   10 「複合微生物系」(コンソーシア)とは、複数の種類の微生物が混在している状態のものをいう。
   11 「浄化事業計画」とは、浄化事業の内容及び方法を定めた計画をいい、浄化事業計画を記載した書面を「浄化事業計画書」という。
   12 「モニタリング」とは、浄化事業計画に定める必要な項目を監視することをいう。
 第三 指針の対象
   1 本指針は、バイオオーグメンテーションを対象とする。
   2 本指針が対象とする利用微生物は、単一微生物と複合微生物系とする。このうち、第五章に規定する経済産業大臣及び環境大臣による確認の対象とする利用微生物は、利用微生物の種類ごとに生態系等への影響についての科学的知見に基づいた適切な評価が可能なものとし、具体的には、次のとおりとする。
    (1)分類及び同定された単一微生物又はそれらを混合した微生物系
    (2)自然環境から採取された複合微生物系を基にして、特定の培養条件で集積培養された複合微生物系であって、高度に限定された微生物で構成され、その構成が継続的に安定していることが確認されたもの
     また、自然環境から採取された複合微生物系を基にして培養された複合微生物系((2)のものを除く。)は、第五章に規定する確認の対象としないが、浄化事業計画の作成及びその実施に当たり、本指針の考え方を参考にし、事業者自らが適切な安全性の点検を行い、適切な安全管理の下にバイオオーグメンテーションを実施するよう努めること。
   3 浄化対象物質
     環境汚染浄化の対象物質は、石油類、揮発性有機化合物(トリクロロエチレン等)、多環芳香族化合物(ダイオキシン類等)及び金属類を代表的なものとするが、これらの物質に限定しない。
   4 浄化対象環境媒体
     浄化作業が行われる環境媒体は、自然条件下の限定された区域の土壌、地下水等とする。
第二章 浄化事業計画の作成
 事業者は、浄化事業の実施に当たって、あらかじめ浄化事業の内容及び方法を明確にしてから実施するものとし、以下に掲げる事項を含む浄化事業計画を作成すること。
 なお、浄化事業を個別に限定された場所で実施しようとするのではなく、浄化事業の適用条件を想定した上で未確定の複数の場所で実施しようとする場合は、浄化事業計画には、その想定する適用条件を記載すること。
   1 利用微生物の種類の名称
   2 浄化事業の内容
    (1)浄化対象物質の名称及び想定される濃度(浄化対象物質以外の汚染物質がある場合は、その物質の名称及び濃度)
    (2)浄化対象物質の浄化目標濃度
    (3)浄化事業期間
     a 浄化作業期間(浄化作業準備開始から浄化対象物質が浄化目標濃度に達するまでの期間)
     b 浄化事業終了確認期間(浄化作業期間終了後から浄化事業の終了を確認するまでの期間)
   3 浄化事業の実施方法
    (1)作業区域(範囲並びに浄化対象の面積及び土壌等の量)の設定
    (2)作業区域及びその周辺の概要
    (3)浄化技術の概要
    (4)利用微生物の導入方法等
     a 利用微生物の導入方法
     b 導入する利用微生物の菌密度及びその量
     c 利用微生物と同時に導入する栄養物質等
    (5)モニタリングの実施方法
    (6)浄化事業の終了方法
   4 安全管理の方法
    (1)利用微生物の拡散防止対策
    (2)栄養物質等の拡散防止対策
    (3)浄化対象物質(必要に応じ、中間生成物を含む)の拡散防止対策
    (4)安全管理体制の整備
    (5)記録等の保管
    (6)緊急時の対応及び事故対策
第三章 生態系等への影響評価の実施
 事業者は、浄化事業の実施に当たって、あらかじめ利用微生物の種類ごとに科学的かつ適正な生態系等への影響評価を実施し、その結果を記載した図書(以下「生態系等への影響評価書」という。)を作成すること。生態系等への影響評価を実施するに当たり、第一に掲げる評価に必要な情報を収集すること。ただし、これらの情報の一部を用いる必要がないと考える合理的な理由がある場合には、この限りではない。この場合において事業者はその理由を示すこと。また、これらの情報以外の情報を収集する必要が生じた場合には、追加して収集すること。
 事業者は、生態系等への影響評価について、第一に掲げる評価に必要な情報を用いて、第二の1に掲げる評価の項目ごとに、必要に応じ、第二の2に掲げる評価の実施方法に従って行い、その評価結果を踏まえ、浄化事業の実施に伴う生態系等への影響の総合的な判断を行うこと。また、事業者が行った判断については、その根拠を明らかにすること。
 なお、浄化事業を個別に限定された場所で実施しようとするのではなく、浄化事業の適用条件を想定した上で未確定の複数の場所で実施しようとする場合は、その想定した適用条件を満たす場所での情報を収集することによって生態系等への影響評価を実施すること。
 また、生態系等への影響評価の実施に当たっては、最新の科学的知見による情報を用いること及び用いた情報の出典(当該情報が学識経験者又は評価を行う者の有する知識又は経験に基づくものである場合はその旨)を明らかにすること。
 第一 生態系等への影響評価に必要な情報
  1 利用微生物の情報
    利用微生物について、以下に掲げる情報を収集すること。収集に当たっては、まず、各種データベース、文献等既知の情報の十分な調査を行い、情報が不足している場合には、必要に応じ、実験室等で利用微生物を使用し、結果を収集すること。
    (1)分類学上の位置付け及び分離源(微生物を採集した場所)
    (2)使用の歴史及び現状
    (3)生理学的及び生態学的特性
     a 基本的特性
     b 好適生育環境の条件(利用微生物の生存が有利になる又は生存を制限する条件)
     c 寄生性又は共生性
     d 生活環(接合、胞子形成等)
     e 病原性(主要な動植物及び人に対する影響)
     f 有害物質の産生性(主要な動植物及び人に対する影響)
     g 利用微生物の特性に応じて、その他必要な情報
    (4)利用微生物の検出及び識別の方法並びにそれらの感度、特異性及び信頼性
  2 浄化技術の情報
    計画している浄化技術について、以下に掲げる情報を収集すること。収集に当たっては、まず、文献等既知の情報の十分な調査を行い、情報が不足している場合には、必要に応じ、実験室等で利用微生物等を使用し、結果を収集すること。
    (1)浄化技術の内容
     利用微生物の土壌、地下水等への導入方法及び導入条件並びに基本的な技術的原理。
    (2)分解生成物、分解経路等
     想定される分解生成物の有無及び分解経路について、文献等既知の情報の調査又は実験室等での利用微生物の使用の結果により確認すること。分解生成物の存在が認められる場合には、その性状を調査すること。なお、浄化対象物質以外の汚染物質がある場合、その物質の性状等を調査すること。
    (3)作業区域における利用微生物の特性等
     a 生存能力、増殖能力及び生残性
     b 拡散の特性
     c 分離源区域と作業区域の生存環境の比較、作業区域における増殖促進等のための条件
     d 他の微生物群集への影響
    (4)栄養物質等を添加する場合は、その情報
     a 名称(CAS番号)、化学構造式、分子量
     b 性状、分解性、毒性等安全性
     c 導入の目的
     d 導入量、導入濃度及び導入頻度
     e 環境基準又は既存の法律等による規制等に関する情報
     f 二次的な汚染の可能性がある場合は、その情報(物質名、毒性、予想される残留性、残留濃度、拡散性等)
     g その他副次的な影響
  3 作業区域及びその周辺の情報
    作業区域及びその周辺について、以下に掲げる情報を収集すること。作業区域を限定しない場合においては、浄化事業の適用条件を具体的に想定して情報を収集すること。
    (1)作業区域等の特徴
     a 位置
       作業区域の位置、周辺状況等。
     b 現場における汚染原因等
       汚染原因、現在の汚染状況等。
     c 水文地質学的特性
       作業区域及びその周辺の水文学的特性(帯水層の分布、地下水の水位等)及び地質条件(土壌種、有機物含量、物理・化学特性等)。
     d 生息又は生育する主要な動植物
       作業区域及びその周辺に生息又は生育する主要な動植物。特に、保護の対象となる動植物及び利用微生物の病原性又は毒性によって影響を受けやすいことが知られている動植物については、詳細な情報。
     e 土地利用の状況
       作業区域及びその周辺の土地利用の状況について、工業地、商業地、住宅地等の別。在住人口及び労働人口についての情報。河川水及び地下水の飲料用水、工業用水、灌漑用水等としての利用の状況についての情報。
     f その他作業区域周辺の特徴
    (2)浄化対象物質の情報
     浄化対象物質の名称(CAS番号)、化学構造式、分子量、性状、分解性、毒性等安全性の情報。また、環境基準又は既存の法律等により当該物質に関係する規制等がある場合には、その基準値等参考となる情報。
    (3)汚染状況
     浄化場所に存在する浄化対象物質の、水平分布及び垂直分布に関する情報。浄化対象物質以外の汚染物質がある場合は、その水平分布及び垂直分布に関する情報。
 第二 生態系等への影響評価の項目及び実施方法
  1 生態系等への影響評価の項目
    事業者は、第一に掲げる評価に必要な情報を用いて、以下に示す評価の項目ごとに、評価を行うこと。
    (1)利用微生物が浄化作業の終了後に増殖する可能性。必要に応じ、作業区域外への影響に配慮した効果的な措置。
    (2)作業区域における他の微生物群集への影響。
    (3)作業区域及びその周辺における主要な動植物及び人に対する、利用微生物の病原性、有害物質の産生性その他有害な影響を及ぼす可能性。必要に応じ、生態系等への影響に配慮した効果的な措置。
    (4)浄化作業に伴う浄化対象物質(必要に応じ、中間生成物を含む。)の拡散の可能性。必要に応じ、作業区域外への影響に配慮した効果的な措置。
    (5)浄化作業に当たって栄養物質等を添加する場合は、浄化作業の終了後の当該物質の有意な残留の可能性。必要に応じ、作業区域外への影響に配慮した効果的な措置。
    (6)浄化作業の終了後の有害な分解生成物等の有意な残留の可能性。必要に応じ、作業区域外への影響に配慮した効果的な措置。
  2 生態系等への影響評価の実施方法
    生態系等への影響評価の実施方法としては、1の(1)から(6)までに関係する既知の情報を十分に収集し、活用した上で行うこと。
    なお、情報が不足している場合には、必要に応じ、実験室等での利用微生物等の使用の結果を収集して行うこと。
    また、必要に応じ、以下に定めた評価の実施方法に沿って評価を行うこと。
    (1)1の(2)中、他の微生物群集への影響は、浄化作業終了時点において、利用微生物により他の微生物群集が影響を受けたことによって、本来あるべき土壌等としての機能が失われ、かつ、その状態が長期間継続的に維持されることが予想されるかどうかを評価する。この場合、作業区域に類似した土壌等を選定し、当該土壌等の物質循環に深く関与している微生物のうち特定の種を選定して評価し、又は適切な手法によって得られた微生物群集の構成変化(プロファイル変化)に基づき評価する。微生物の特定の種を選定して評価する場合は、一般細菌、硝化菌、脱窒菌等を選定して当該菌数の増減を測定し、又は土壌の呼吸活性(例えば、二酸化炭素発生量)、硝化活性、脱窒活性等を測定することによって評価する。
    (2)1の(3)中、主要な動植物に対する有害な影響は、作業区域及びその周辺で影響を受ける可能性のある動植物の種を選定して、受ける影響の具体的内容及び影響の生じやすさについて評価し、生態系への影響が生ずるおそれの有無について評価する。
第四章 浄化事業の実施及び終了
 第一 浄化事業の実施
  事業者は、生態系等への影響評価書を踏まえ、浄化事業計画書の内容に従って、適切な安全管理の下に浄化事業を実施すること。
 第二 モニタリングの実施
  浄化事業計画に基づき、浄化事業期間内に、以下に掲げる項目についてモニタリングを実施すること。
   1浄化対象物質
   2利用微生物(必要に応じ、他の微生物を含む。)
   3分解生成物(必要に応じ、中間生成物を含む。)
4栄養物質等
5浄化事業の内容に応じて、その他必要な事項
 第三 浄化事業の終了
  浄化事業計画に定めたモニタリングの実施方法及び浄化事業の終了方法に従って、以下の1から5までについて第二のモニタリングの実施によって確認してから浄化事業を終了すること。
   1 浄化対象物質が、浄化作業の終了後に浄化目標濃度に達したこと
   2 利用微生物が、浄化作業の終了後に増殖し、又は高濃度に残留しないこと
   3 分解生成物が、浄化作業の終了後に有意に残留しないこと
   4 栄養物質等が、浄化作業の終了後に有意に残留しないこと
   5 この他、浄化事業計画に定めた事項が遵守されていること
第五章 経済産業大臣及び環境大臣による確認
 事業者は、バイオオーグメンテーションを実施する際、浄化事業計画が本指針に適合しているか否かについて、広範かつ高度な科学的知見に基づいた判断を必要とすることから、経済産業大臣及び環境大臣へ確認を求めることができる。事業者は、経済産業大臣及び環境大臣の確認を受けようとする場合には、生態系等への影響評価書とともに、氏名及び住所並びに浄化事業計画を記載した申請書を経済産業大臣及び環境大臣に提出すること。
 経済産業大臣及び環境大臣は、以下に掲げる観点から、生態系等への影響評価書が添付された浄化事業計画書の内容が、本指針に適合しているか否かについて、確認を行うこととする。
   1 生態系等への影響評価書に照らし、浄化事業計画に従って浄化事業を行った場合に生態系等に影響を及ぼすおそれがないことについて十分な科学的知見に基づき適正に評価されたと認められる浄化事業計画であること。
   2 利用微生物の特性又は浄化事業計画の内容及び方法に応じ、既知の十分な情報又は実験室等での利用微生物等の使用の結果を収集することにより、生態系等への影響を評価するための必要な情報が得られていること。
   3 利用微生物の特性又は浄化事業計画の内容及び方法に応じ、生態系等への影響の評価に際し勘案した生態系等への影響の効果的な防止に資する措置が確実に講じられるものであること。
なお、経済産業大臣及び環境大臣は、確認の日以降の科学的知見の充実により、確認を受けた浄化事業計画に従って浄化事業が行われる場合においてもなお生態系等への影響が生ずるおそれがあると認められるに至った場合は、確認を取り消すとともに、必要に応じ、その知見について関係者へ周知する。
第六章 留意事項
 第一 緊急時の対応及び事故対策
  事業者は、浄化事業の実施中に、生態系等に影響が及ぶおそれのあることを示すモニタリング結果が得られた場合又は事故が発生した場合には、生態系等への影響を防止するために必要な措置を講じること。また、経済産業大臣及び環境大臣による確認を受けている場合にあっては、生態系等に影響が及ぶおそれのあることを示すモニタリング結果が得られた旨又は事故が発生した旨を速やかに経済産業大臣及び環境大臣に連絡すること。
 第二 安全管理体制の整備
  安全で的確な実施を確保するため、事業者は安全管理体制を整備すること。このため、事業者は、浄化事業ごとに、経験を有する全体の管理を行う者及びその者を補佐する者を配置し、安全管理業務を遂行させるとともに、安全及び環境管理について助言を行う委員会を設置するよう努めること。また、微生物の取扱いに関する教育訓練及び事故時における連絡体制の整備を行うよう努めること。
 第三 記録等の保管
  事業者は、浄化事業の実施状況、安全及び環境管理に関する委員会の審議内容等当該事業に必要と考えられる事項に関する記録を行い、その保管に努めること。また、浄化事業期間に導入した利用微生物について、適切な期間、適切な管理の下に保管すること。
 第四 バイオスティミュレーションの扱い
  バイオスティミュレーションについては、添加する栄養物質等又は酸素の供給の停止とともに、浄化場所に生息している活性化された微生物は減少すると考えられることから、本指針の対象としないが、浄化事業の計画及び実施に当たり、栄養物質等の添加等本指針の考え方を参考にしつつ、事業者自らが適切な安全性の点検を行い、適切な安全管理の下に実施するよう努めること。
 第五 周辺住民等への情報の提供
  本指針にのっとったバイオレメディエーションは、利用微生物等に係る科学的知見に基づく安全性評価及び安全管理が適切に行われることによって、安全性の確保に万全を期して進められるものであるということに関する周辺住民等の一層の理解を得るために、事業者は必要に応じ、周辺住民等に対して十分な情報の提供を行い、周辺住民等とのコミュニケーションを進めること。
 第六 指針の見直し
  本指針は、微生物によるバイオレメディエーションに関する今後の科学的知見の充実又は当該技術の進展及び普及等を踏まえ、必要に応じて見直しを行う。

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