法令・告示・通達

環境影響評価法施行令の一部改正等について

  • 公布日:平成10年8月31日
  • 環企評281号

環境庁企画調整局長から各都道府県知事・各政令市長あて通知
 環境影響評価法施行規則(平成10年総理府令第37号)が平成10年6月12日に、環境影響評価法施行令及び電気事業法施行令の一部を改正する政令(平成10年政令第273号)が平成10年8月12日に公布され、また、環境影響評価法附則第2条第2項の規定に基づく書類の指定について平成10年6月12日に告示されたところである。
 これらの規定の内容は下記のとおりであるので、貴職におかれては、環境影響評価法(以下「法」という。)の施行について、下記の事項に十分御留意の上、格段の御協力をお願いするとともに、貴管下市町村にも周知方お願いいたしたい。

1 環境影響評価法施行令の一部改正について
 (1) 都道府県知事の意見提出期間
   環境影響評価方法書(以下「方法書」という。)又は環境影響評価準備書(以下「準備書」という。)について都道府県知事が意見を述べる期間は、都道府県知事が環境の保全の見地からの意見を有する者の意見の概要の送付を受けてから、方法書については90日、準備書については120日とした(第7条第1項及び第8条第1項)。ただし、意見を述べるため実地の調査を行う必要がある場合において、積雪その他の自然現象により長期間にわたり当該実地の調査が著しく困難であるときは、方法書については120日を超えない範囲内において、準備書については150日を超えない範囲内において都道府県知事が定める期間とした(第7条第1項ただし書及び第8条第1項ただし書)。
   これは、都道府県知事は意見を述べるに当たり実地の調査を必ず実施する必要があるわけではないが、事業によっては実地の調査を行うことが必要と判断される場合があるため、その際には、実地の調査を行うための期間は、積雪その他の自然現象により長期間にわたり実地の調査が著しく困難な状況が生じた際にも確保されるべきとの考え方のもとに規定したものである。ここで、「実地の調査」とは、現地の状況を確認する程度の簡略な調査を想定している。
   なお、「長期間にわたり」とは、数ケ月間以上の期間にわたることを指すものである。また、「実地の調査が著しく困難である」とは、交通の途絶により現地に到達できない場合及び現地に到達はできたとしても、現地の状況を確認する程度の簡略な調査が困難な場合という、極めて例外的な場合を指すものである。具体的には、北海道の山間部や本州の豪雪地帯において積雪により入山禁止となる場合などを想定しており、これ以外の場合は通常は想定し難いものである。例えば、植物が積雪下にあるために植物の分布や生育状況が確認できないことは、「実地の調査が著しく困難である」ことには当たらない。
   また、意見提出期間は上限として定められる性格のものであり、都道府県知事は、早期に意見を提出することができる場合(意見がない場合を含む。)には、意見提出期間の末期を待つことなく、可能な限り早期に意見を提出するべきである。
 (2) 意見提出期間を定めた場合の通知
   都道府県知事は、(1)により意見提出期間を定めたときは、事業者に対し、遅滞なくその旨及びその理由を通知しなければならないこととした(第7条第2項及び第8条第2項)。また、当該通知について、都市計画に定められる対象事業等に関する手続の特例、対象港湾計画に関する手続及び電気事業法(昭和39年法律第170号)第46条の4に規定する特定対象事業に関する手続の特例を定めた(第9条及び第11条並びに電気事業法施行令第6条の2)。
   都道府県知事は、意見提出期間を定めるかどうかの判断を可能な限り早期に行うべきであり、通常は、意見提出期間を定めた旨の通知は、方法書又は準備書に対する意見の概要の送付を受けてから30日程度以内に行うべきである。なお、やむを得ずその後に通知を行う場合においても、意見提出期間を定める前の意見提出期間(方法書であれば90日、準備書であれば120日)内には行わなければならないものである。
 (3) 法附則第3条第1項第3号の国の計画
   国の計画であって、法の施行日に定められていた場合には当該国の計画に基づいて実施される事業に対して法の第2章から第7章までの規定が適用されないこととなるものは、特定多目的ダム法(昭和32年法律第35号)第4条第1項に規定する基本計画及び土地改良法(昭和24年法律第195号)第87条又は第87条の2に規定する土地改良事業計画(農林水産大臣が定めるものに限る。)とした。
 (4) 施行期日
   この政令は、法の施行の日(平成11年6月12日)から施行することとした。
   なお、都道府県知事は、法附則第5条第4項の規定により、法第5条から第12条までの規定の例による手続を行う場合にあっては、(1)及び(2)の規定の趣旨を踏まえて手続を行うよう御協力をお願いしたい。
2 環境影響評価法施行規則について
 (1) 公告の方法
   方法書を作成した旨の公告は、以下の方法のうちから、事業者が適切な方法を選択して行うこととした(第1条)。
  ① 官報への掲載
  ② 関係都道府県の協力を得て、関係都道府県の公報又は広報紙に掲載すること。
  ③ 関係市町村の協力を得て、関係市町村の公報又は広報紙に掲載すること。
  ④ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙への掲載
   これは、「今後の環境影響評価制度の在り方について」(平成9年2月10日付け中央環境審議会答申)Ⅱ6(3)において、事業者による周知の地域的範囲を定めることが必要であると指摘されたことを踏まえ、公告の方法として、関係地域内において誰でも容易に入手できる出版物への掲載の方法を定めたものである。なお、地方公共団体の公報又は広報紙については、掲載するかどうかは当該地方公共団体が判断するものであるため、掲載に当たってはその協力を得ることが必要であることとしている。
   また、準備書、環境影響評価書(以下「評価書」という。)を作成した旨などの公告についても同様の方法により行うこととした(第5条、第9条第1項、第13条、第16条、第17条、第18条、第19条、附則第2条)。
   なお、②の「関係都道府県」、③の「関係市町村」とは、手続が方法書の段階にある事業については法第6条第1項の環境影響を受ける範囲であると認められる地域がある都道府県又は市町村を指し、手続が準備書以降の段階にある事業については法第15条の関係地域がある都道府県又は市町村を指すものである。また、④の「日刊新聞紙」とは、関係地域内において一般に販売されている新聞を指し、全国紙に限られるものではない。
 (2) 縦覧の場所
   方法書を縦覧に供する場所は、以下の場所のうちから、できる限り、意見を述べるために方法書を縦覧する者の参集の便を考慮して事業者が定めることとした(第2条)。
  ① 事業者の事務所
  ② 関係都道府県の協力が得られた場合にあっては、関係都道府県の庁舎その他の関係都道府県の施設
  ③ 関係市町村の協力が得られた場合にあっては、関係市町村の庁舎その他の関係市町村の施設
  ④ ①から③までに掲げるもののほか、事業者が利用できる適切な施設
   なお、地方公共団体の施設については、これを利用させるかどうかは当該地方公共団体が判断するものであるため、利用に当たってはその協力を得ることが必要であることとしている。
   また、準備書、評価書の縦覧についても同様の場所において行うこととした(第6条、第14条)。
 (3) 公告する事項
   方法書について公告する事項は、方法書を作成した旨のほか、以下の事項とした(第3条)。
  ① 事業者の氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
  ② 対象事業の名称、種類及び規模
  ③ 対象事業が実施されるべき区域
  ④ 法第6条第1項の対象事業に係る環境影響を受ける範囲であると認められる地域の範囲
  ⑤ 方法書の縦覧の場所、期間及び時間
  ⑥ 方法書について環境の保全の見地からの意見を書面により提出することができる旨
  ⑦ 法第8条第1項の意見書の提出期限及び提出先その他意見書の提出に必要な事項
   準備書について公告する事項は、方法書の場合と同様の事項とし(第7条第1項)、評価書について公告する事項は、方法書の場合から意見書の提出に関する事項を除いたものとした(第15条第1項)。また、その他の場合の公告について、公告する事項を定めた(第9条第2項、第16条第2項、第17条第2項、第18条第2項、第19条第2項)。
 (4) 意見書の提出
   方法書についての意見書には、以下の事項を記載すべきこととした(第4条第1項)。
  ① 意見書を提出しようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
  ② 意見書の提出の対象である方法書の名称
  ③ 方法書についての環境の保全の見地からの意見
   ③の環境の保全の見地からの意見については、日本語により、意見の理由を含めて記載すべきこととした(第4条第2項)。また、準備書についての意見書についても、同様の事項を記載すべきこととした(第12条)。
   なお、意見書の記載事項の一部に不備があったとしても、方法書又は準備書に対する環境の保全の見地からの意見が記載されていると認められる場合は、有効な意見書として取り扱われるべきである。
 (5) 説明会の開催
   説明会の日時及び場所は、できる限り、説明会に参加する者の参集の便を考慮して事業者が定めることとし、関係地域に2以上の市町村の区域が含まれることその他の理由により事業者が必要と認める場合には、2以上の区域ごとに説明会を開催することとした(第8条第1項)。
   その他、説明会の開催を要しないこととなる事由(第10条第1項)、説明会の開催を行わなかった場合の準備書の記載事項の周知の方法(第11条第1項)を定めた。
   なお、第11条第1項第1号の規定により、求めに応じての要約書の提供の方法により周知を行う場合、事業者は、対応できないほどの大量請求に応じる義務を負うものではない。
 (6) その他
   (1)から(5)までのほか、法施行前に方法書の手続を行う場合に主務大臣へ届け出る事項、環境庁組織規則の一部改正について定めた。また、(1)から(5)までの事項について、都市計画に定められる対象事業等に関する手続の特例、対象港湾計画に関する手続を定めた。
   なお、都市計画に定められる対象事業等に関する環境影響評価その他の手続については、都市計画決定手続と併せて行うものとなることから、公告の方法、縦覧の時間・場所等は、都市計画決定手続の運用実績を踏まえ、両手続の整合がとれるように定められることとなるよう御協力をお願いしたい。
 (7) 施行期日
   環境影響評価法施行規則は、方法書の手続に関する部分は公布の日(平成10年6月12日)から、残りの部分は法の全面施行の日(平成11年6月12日)から施行することとした。
3 法附則第2条第2項の規定に基づく書類の指定について
  法附則第2条では、法の対象となる事業について、法の施行時に条例、行政指導等の定めるところに従って作成された一定の書類があるときは、これを法の手続を経た書類とみなすことにより、法の手続を途中から開始できることとする経過措置を設けている。
  法附則第2条第2項の規定に基づく書類の指定は、条例、行政指導等の定めるところに従って作成されたどの書類が、法のどの手続を経たものとみなされるかを指定するものである。指定は、条例又は地方公共団体の行政指導等に係る書類については環境庁長官が、国の行政指導等に係る書類については主務大臣が、都市計画に定められる事業に関する国の行政指導等に係る書類については建設大臣が行い、以下のとおり告示された。
 〇 環境影響評価法の経過措置に係る書類であって作成の根拠が条例又は地方公共団体の行政指導等であるものを指定する件(平成10年環境庁告示第29号)
 〇 環境影響評価法の主務大臣が環境庁長官である事業について同法の経過措置に係る書類を指定する件(平成10年環境庁告示第28号)
 〇 環境影響評価法附則第二条第二項の規定に基づき書類を指定する件(平成10年厚生省告示第172号)
 〇 環境影響評価法附則第二条第二項の規定に基づき、同条第一項各号に掲げる書類であってその作成の根拠が国の行政機関に係る行政指導等であるものを指定した件(平成10年厚生省・農林水産省・通商産業省・建設省告示第1号)
 〇 環境影響評価法附則第二条第二項の規定に基づき、同条第一項各号に掲げる書類であってその作成の根拠が国の行政機関に係る行政指導等であるものを指定した件(平成10年農林水産省・運輸省・建設省告示第1号)
 〇 環境影響評価法附則第二条第二項の規定に基づき、同条第一項各号に掲げる書類(通商産業大臣が同法の主務大臣である事業に係るものに限る。)であってその作成の根拠が国の行政機関に係る行政指導等であるものを指定した件(平成10年通商産業省告示第320号)
 〇 環境影響評価法附則第二条第二項の規定に基づき、同条第一項各号に掲げる書類であってその作成の根拠が国の行政機関に係る行政指導等であるものを指定した件(平成10年運輸省告示第288号)
 〇 環境影響評価法附則第二条第二項の規定に基づき、同条第一項各号に掲げる書類であってその作成の根拠が国の行政機関に係る行政指導等であるものを指定した件(平成10年建設省告示第1346号)
 〇 環境影響評価法附則第二条第二項の規定に基づき、同条第一項各号に掲げる書類であってその作成の根拠が国の行政機関に係る行政指導等で都市計画に係るものを指定した件(平成10年建設省告示第1347号)
  なお、法附則第2条第2項の規定に基づき、条例、行政指導等の定めるところに従って作成された書類を法の手続を経た書類とみなすに当たっては、以下の事項に留意する必要がある。
 (1) 法附則第2条第1項第1号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第7条の手続を経た方法書」とみなされるため、(2)から(9)までの書類が作成されていない場合は、事業者は法第7条の手続を行う必要はないが法第8条の規定により、法の施行の日から起算して2週間を経過する日までの間は、当該書類について環境の保全の見地からの意見を有する者は、事業者に意見書を提出することができることとなり、当該期間中は、事業者は法第9条の規定による方法書についての意見の概要の送付の手続を行うことができない。
   なお、法附則第2条第1項第1号に掲げる書類について条例又は行政指導等に定めるところに従って提出された環境の保全の見地からの意見があるときは、当該意見は、以降の手続において法第8条第1項の規定により提出された意見と同様に取り扱われるべきであり、事業者は、その概要を法第9条の規定により都道府県知事及び市町村長に送付すべきである。
 (2) 法附則第2条第1項第2号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第9条の手続を経た同条の書類」とみなされるため、(3)から(9)までの書類が作成されていない場合は、法第10条の規定により、法の施行の日から90日以内に、都道府県知事は事業者に環境の保全の見地からの意見を述べることとなる。
   なお、当該書類が法第9条に規定する都道府県知事及び市町村長の一部のみに送付されている場合は、送付されている団体が送付されていない団体に送付することにより、当該都道府県知事及び市町村長のすべてが当該書類を有することとなることが適当と考えているので、この旨御配慮願いたい。
   また、都道府県知事は、法の施行の日から90日以内に意見を述べることとなるが、当該書類の送付を実際に受けた時点から検討を始めることができることにかんがみ、事業者に過大な負担をかけないよう、法の施行前に検討を行っていた期間を勘案して迅速に事務を処理することが適当であるので、この旨御配慮願いたい。
 (3) 法附則第2条第1項第3号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第10条第1項の書面」とみなされるため、(4)から(9)までの書類が作成されていない場合は、法第11条の規定により、事業者は、当該書類の内容を勘案した上で環境影響評価の項目及び手法を選定することとなる。
 (4) 法附則第2条第1項第4号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第16条及び第17条の手続を経た準備書」とみなされるため、(5)から(9)までの書類が作成されていない場合は、事業者は法第16条及び第17条の手続を行う必要はないが法第18条の規定により、法の施行の日から起算して2週間を経過する日までの間は、当該書類について環境の保全の見地からの意見を有する者は、事業者に意見書を提出することができることとなり、当該期間中は、事業者は法第19条の規定による準備書についての意見の概要の送付の手続を行うことができない。
   なお、法附則第2条第1項第4号に掲げる書類について条例又は行政指導等に定めるところに従って提出された環境の保全の見地からの意見の取扱いについては、(1)と同様である。
 (5) 法附則第2条第1項第5号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第19条の手続を経た同条の書類」とみなされるため、(6)から(9)までの書類が作成されていない場合は、法第20条の規定により、法の施行の日から120日以内に、都道府県知事は事業者に環境の保全の見地からの意見を述べることとなる。
   なお、当該書類が法第19条の関係都道府県知事及び関係市町村長の一部のみに送付されている場合の考え方、都道府県知事の意見提出期間についての考え方については、(2)と同様である。
 (6) 法附則第2条第1項第6号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第20条第1項の書面」とみなされるため、(8)から(9)までの書類が作成されていない場合は、法第21条第1項の規定により、事業者は、当該書類の内容を勘案した上で準備書の記載事項について検討を加え、同項各号に定める措置をとることとなる。
 (7) 法附則第2条第1項第7号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第21条第2項の評価書」とみなされるため、(8)又は(9)の書類が作成されていない場合は、法第22条第1項の規定により、事業者は、当該書類を同項各号に定める者に送付することとなる。
 (8) 法附則第2条第1項第8号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第26条第2項の評価書」とみなされる。「法第26条第2項の手続を経た評価書」とみなされてはいないため、(9)の書類が作成されていない場合は、事業者は、法第26条第2項の手続を行う必要があり、当該書類、これを要約した書類及び法第24条の書面(免許等を行う者等の意見)を、関係都道府県知事及び関係市町村長へ送付することとなる。
 (9) 法附則第2条第1項第9号に掲げる書類について
   法の施行の日において「法第27条の手続を経た評価書」とみなされるため、当該書類に係る事業については、法第6章「評価書の公告及び縦覧後の手続」の諸規定が適用されることとなる。
   なお、法第33条から第37条までの規定、いわゆる横断条項の適用に当たり、免許等を行う者、特定届出を受理した者、交付決定権者、法人監督者、主任の大臣が当該書類の送付を受けていない場合は、これらの者は、これらの規定による審査を行うに当たって、事業者に当該書類の提出を求めることとなる。

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