法令・告示・通達

自然環境保全法等の一部を改正する法律等の施行について

  • 公布日:平成2年10月2日
  • 環自企551号

環境庁自然保護局長から知事あて

 自然環境保全法等の一部を改正する法律(平成2年法律第26号。以下「改正法」という。)については、平成2年6月5日付けで公布されたところであるが、自然環境保全法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成2年政令第294号)が定められ、同年12月1日から施行されることとなつた。
 また、併せて、自然環境保全法施行令及び鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行令の一部を改正する政令(平成2年政令第295号)及び自然環境保全法施行規則等の一部を改正する総理府令(平成2年総理府令第50号)が本日付けで公布され、同年12月1日から施行されることとなつた。
 これらの内容等は次のとおりであるので、了知の上、その適切な施行に努められたい。

第1 今回の法律改正の趣旨

  優れた自然環境の保全を図るため、自然性の高い地域を自然環境保全地域等として指定し、その保全に影響のある一定の行為を制限する等の措置を講じているところである。
  しかしながら、近年、この制限の対象とならない、動植物を単に殺傷し、又は損傷する行為や四輪駆動車、スノーモービル等を無秩序に乗り入れる行為により、自然景観や動植物の生息・生育環境が悪化していることが問題となつたところである。
  このため、今般、自然環境保全法(昭和47年法律第85号)、自然公園法(昭和32年法律第161号)及び鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(大正7年法律第32号)の3法を改正し、(1)動植物を殺傷し、又は損傷する行為についてこれらを捕獲し、又は採取する行為と同様に制限し、(2)車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させる行為が制限される区域を拡大するとともに、(3)違反行為に対する罰則についても、その社会的抑止力の維持を図る等の見地から、物価動向に対応して罰金額を引き上げる等の措置を講ずることとしたものである。

第2 自然環境保全法の改正関係

 1 動植物の殺傷・損傷の制限

   自然環境保全法に規定する「捕獲」、「採取」及び「採捕」とは、動植物を自己の支配内に入れようとする一切の方法を行うことをいい、これらを単に殺傷し、又は損傷するにとどまり、自己の支配内に入れようとする態様でない行為は該当しない。しかし、自然環境への影響という面では、自己の支配内に入れようとする態様であるか否かには差異がない。
   こうした点に鑑み、自然環境保全法を改正し、原生自然環境保全地域並びに自然環境保全地域の野生動植物保護地区及び海中特別地区において、動植物を殺傷し、又は損傷する行為は、これらを捕獲し、又は採取する行為と同様に許可を要する行為とした。

 2 車馬の使用等の制限

  1.   (1) 改正後の自然環境保全法(以下第2において「法」という。)第25条第4項第4号の規定に基づき、自然環境保全地域の特別地区の道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境庁長官が指定する区域(以下「乗入れ規制地区」という。)内においては、車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させる行為は、原生自然環境保全地域の区域内と同様に許可を要する行為とした。     なお、乗入れ規制地区におけるこの許可の環境庁長官の権限は、2以上の都府県にまたがる場合を除き、都道府県知事に委任されているので、留意の上、許可制度の適切な運用に努められたい。
  2.   (2) 法、改正後の自然環境保全法施行令(昭和48年政令第38号。以下第2において「令」という。)及び改正後の自然環境保全法施行規則(昭和48年総理府令第38号。以下第2において「規則」という。)に規定する用語の定義は次のとおりである。
    1.    ① 「車馬」とは、牛、馬等の人を乗せることのできる動物及び人力、畜力、内燃機関その他の動力によつて移動する車をいい、自動車、原動機付自転車、スノーモービルのほか、自転車、荷車等が該当し、軌道車、小児車等は含まれない。
           「動力船」とは、内燃機関その他の動力によつて移動する船をいい、モーターボート等が該当し、手漕船等は含まれない。
           「航空機」とは、人が乗つて航空の用に供することができるものをいい、飛行機、ヘリコプター、グライダー、飛行船が該当し、ハンググライダー、パラグライダー等は含まれない。
           なお、これらの定義については、原生自然環境保全地域の区域内において車馬を使用すること等に関する規制についての取扱いと同様である。
    2.    ② 「道路」とは、車馬の運行の用に供される道をいい、道路法(昭和27年法律第180号)に規定する道路に限られるものではない。
           「広場」とは、多数の人の集合の用に供される土地をいう。
           「田」とは、主に稲を栽培する農地をいい、「畑」とは、主に野菜、果実等を栽培する農地をいう。
           「牧場」とは、牛、馬、羊等の家畜を放飼いにする土地をいう。
           「宅地」とは、建物の敷地をいう。
  3.   (3) 乗入れ規制地区における行為については、当該行為の方法及び規模が、行為を行う土地及びその周辺の土地の区域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないと認められる場合に許可すること。
  4.   (4) 工作物の新築等の行為に伴い車馬を使用すること等の必要がある場合、工作物の新築等の行為について一括して許可手続を行うことで足りるので留意されたい。
        また、車馬を使用すること等が継続して行われる場合、適正な規模及び期間の範囲内においては、包括的に許可を与えることも差し支えない。
  5.   (5) 許可制度の運用に当たつては、交通行政との連携を図るため、都道府県公安委員会との連絡を密にするよう努められたい。また、航空機を着陸させる行為について不許可処分を行う場合は、航空行政との連携を図るため、あらかじめ運輸当局と十分に連絡をとられたい。

 3 許可等を要しない行為

  1.   (1) 車馬を使用すること等の制限については、乗入れ規制地区において種々の人間活動が営まれていることも想定されるため、規則第18条及び第19条の規定に基づき、次のとおり公共性のある事業を行うための行為、国等の行う遭難者を救助するための行為等を許可を要しない行為とした。
       ① 第18条関係
         国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務(当該業務及び非常災害に対処するための業務に係る訓練を含む。)、犯罪の予防又は捜査その他の公共の秩序を維持するための業務、交通の安全を確保するための業務、水路業務その他これらに類する業務を行うために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
       ② 第19条関係
    1.     イ 砂防法(明治30年法律第29号)第1条に規定する砂防設備の管理若しくは維持又は同法第2条の規定により指定された土地の監視のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    2.     ロ 海岸法(昭和31年法律第101号)第3条に規定する海岸保全区域の管理のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    3.     ハ 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項に規定する地すべり防止区域の管理又は同項の規定による地すべり防止区域の指定を目的とする調査のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    4.     ニ 河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項に規定する河川その他の公共の用に供する水路の管理又はその指定を目的とする調査(同法第6条第1項に規定する河川区域の指定、同法第54条第1項の規定による河川保全区域の指定又は同法第56条第1項の規定による河川予定地の指定を目的とするものを含む。)のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    5.     ホ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域の管理又は同項の規定による急傾斜地崩壊危険区域の指定を目的とする調査のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    6.     ヘ 漁業取締のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    7.     ト 土地改良法(昭和24年法律第195号)第2条第2項第1号に規定する土地改良施設の管理のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    8.     チ 海上運送法(昭和24年法律第187号)第3条の規定により一般旅客定期航路事業の免許を受けた者、同法第20条の規定により不定期航路事業の届出をした者又は同法第21条の規定により旅客不定期航路事業の許可を受けた者が当該事業を営むために動力船を使用すること。
    9.     リ 国又は地方公共団体の試験研究機関が、試験研究のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること(あらかじめ、国の試験研究機関にあっては環境庁長官に、地方公共団体の試験研究機関にあっては都道府県知事に通知したものに限る。)。
  2.   (2) 規則第3条、第18条及び第19条、第21条、第24条及び第25条並びに第29条の規定に基づき、原生自然環境保全地域並びに自然環境保全地域の特別地区、野生動植物保護地区、海中特別地区及び普通地区においては、許可等を要しない行為に付帯する行為についても、許可等を要しないこととした。
        また、法第25条第4項第1号若しくは第3号に掲げる行為で森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項若しくは第2項の規定により指定された保安林の区域若しくは同法第41条の規定により指定された保安施設地区内において同法第34条第2項(同法第44条において準用する場合を含む。)の許可を受けた者が行う当該許可に係るものに付帯する行為又は法第25条第4項第2号に掲げる行為で同条第3項の規定により環境庁長官が指定する方法により当該限度内において行うものに付帯する行為についても、許可等を要しないこととした。

 4 自然保護取締官の権限の追加

   法第18条第2項(法第30条において準用される場合を含む。)の規定に基づき、環境庁長官は、自然環境保全地域等における違反行為に対し中止命令及び原状回復等措置命令を発することができるほか、迅速に必要な措置を講ずる見地から、自然保護取締官を命じて当該権限の一部を行わせることができることとされているが、乗入れ規制地区において制限される行為として車馬を使用すること等が追加されたことに伴い、令第4条の規定に基づき、当該行為に対する中止命令及び原状回復等措置命令を発する権限を自然保護取締官に委任することとした。

第3 自然公園法の改正関係

 1 動植物の殺傷・損傷の制限

   自然公園法に規定する「捕獲」、「採取」及び「採捕」とは、動植物を自己の支配内に入れようとする一切の方法を行うことをいい、これらを単に殺傷し、又は損傷するにとどまり、自己の支配内に入れようとする態様でない行為は該当しない。しかし、優れた自然の風景地の風致及び景観への影響という面では、自己の支配内に入れようとする態様であるか否かには差異がない。    こうした点に鑑み、自然公園法を改正し、国立公園又は国定公園の特別保護地区及び海中公園地区等において、動植物を殺傷し、又は損傷する行為は、これらを捕獲し、又は採取する行為と同様に許可を要する行為とした。

 2 車馬の使用等の制限

  1.   (1) 改正後の自然公園法(以下第3において「法」という。)第17条第3項第10号の規定に基づき、国立公園又は国定公園の特別地域の道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち環境庁長官が指定する区域(以下「乗入れ規制地域」という。)内においては、特別保護地区の区域内と同様、車馬を使用する行為については、許可を要する行為とした。
        また、乗入れ規制地域及び特別保護地区の区域内においては、動力船を使用し、又は航空機を着陸させる行為についても許可を要する行為とした。
        なお、乗入れ規制地域におけるこの許可の環境庁長官の権限は、2以上の都道府県にまたがる場合を除き、都道府県知事に委任されているので、留意の上、許可制度の適切な運用に努められたい。
  2.   (2) 法、改正後の自然公園法施行令(昭和32年政令第298号。以下第3において「令」という。)及び改正後の自然公園法施行規則(昭和32年厚生省令第41号。以下第3において「規則」という。)に規定する「車馬」等及び「道路」等の用語の定義は、第2の2の(2)と同様である。
  3.   (3) 乗入れ規制地域における行為については、当該行為の方法及び規模が、行為を行う土地及びその周辺の土地の区域における自然環境の保全等風致の維持に支障を及ぼすおそれが少ないと認められる場合等に許可すること。
        また、特別保護地区における行為については、当該行為が学術研究その他公益上必要であって当該地域以外の地域においてその目的を達成することができないと認められ、反復継続して行われるものでない場合に許可すること。
        なお、これらの許可の適否に関する審査指針については、別途通達する予定である。
  4.   (4) 工作物の新築等の行為に伴い車馬を使用すること等の必要がある場合、工作物の新築等の行為について一括して許可手続を行うことで足りるので留意されたい。
        また、車馬を使用すること等が継続して行われる場合、適正な規模及び期間の範囲内においては、包括的に許可を与えることも差し支えない。
  5.   (5) 許可制度の運用に当たっては、交通行政との連携を図るため、都道府県公安委員会との連絡を密にするよう努められたい。また、航空機を着陸させる行為について不許可処分を行う場合は、航空行政との連携を図るため、あらかじめ運輸当局と十分に連絡をとられたい。

 3 許可等を要しない行為

  1.   (1) 車馬を使用すること等の制限については、乗入れ規制地域にはかなりの集落地、農用地等が含まれ、農林漁業等の生業をはじめ種々の人間活動が営まれていること等に鑑み、規則第12条及び第13条の規定に基づき、次のとおり公共性のある事業を行うための行為、国等の行う遭難者を救助するための行為等を許可を要しない行為とした。
    1.    ① 第12条関係(乗入れ規制地域関係)
      1.     イ 森林施業のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      2.     ロ 漁業を営むために車馬若しくは動力船を使用すること。
      3.     ハ 漁業取締のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      4.     ニ 河川法第3条第1項に規定する河川その他の公共の用に供する行為の管理又はその指定を目的とする調査(同法第6条第1項に規定する河川区域の指定、同法第54条第1項の規定による河川保全区域の指定又は同法第56条第1項の規定による河川予定地の指定を目的とするものを含む。)のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      5.     ホ 砂防法第1条に規定する砂防設備の管理若しくは維持又は同法第2条の規定により指定された土地の監視のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      6.     ヘ 海岸法第3条に規定する海岸保全区域の管理のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      7.     ト 地すべり等防止法第3条第1項に規定する地すべり防止区域の管理又は同項の規定による地すべり防止区域の指定を目的とする調査のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      8.     チ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域の管理又は同項の規定による急傾斜地崩壊危険区域の指定を目的とする調査のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      9.     リ 土地改良法第2条第2項第1号に規定する土地改良施設の管理のために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      10.     ヌ 港則法(昭和23年法律第174号)第2条に規定する港の区域内において動力船を使用すること。
      11.     ル 海上運送法第3条の規定により一般旅客定期航路事業の免許を受けた者、同法第20条の規定により不定期航路事業の届出をした者又は同法第21条の規定により旅客不定期航路事業の許可を受けた者が当該事業を営むために動力船を使用すること。
      12.     ヲ 国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務(当該業務及び非常災害に対処するための業務に係る訓練を含む。)、犯罪の予防又は防止その他の公共の秩序を維持するための業務、交通の安全を確保するための業務、水路業務その他これらに類する業務を行うために車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
    2.    ② 第13条関係(特別保護地区関係)
      1.     イ 森林の保護管理及び森林施業を目的とする調査のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      2.     ロ 漁業を営むために動力船を使用すること。
      3.     ハ 漁業取締のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      4.     ニ 河川法第3条第1項に規定する河川その他の公共の用に供するための水路の管理又はその指定を目的とする調査(同法第6条第1項に規定する河川区域の指定、同法第54条第1項の規定による河川保全区域の指定又は同法第56条第1項の規定による河川予定地の指定を目的とする調査を含む。)のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      5.     ホ 砂防法第1条に規定する砂防設備の管理若しくは維持又は同法第2条の規定により指定された土地の監視のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      6.     ヘ 海岸法第3条に規定する海岸保全区域の管理のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      7.     ト 地すべり等防止法第3条第1項に規定する地すべり防止区域の管理又は同項の規定による地すべり防止区域の指定を目的とする調査のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      8.     チ 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域の管理又は同項の規定による急傾斜地崩壊危険区域の指定を目的とする調査のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      9.     リ 土地改良法第2条第2項第1号に規定する土地改良施設の管理のために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
      10.     ヌ 海上運送法第3条の規定により一般旅客定期航路事業の免許を受けた者、同法第20条の規定により不定期航路事業の届出をした者又は同法第21条の規定により旅客不定期航路事業の許可を受けた者が当該事業を営むために動力船を使用すること。
      11.     ル 国又は地方公共団体が法令に基づきその任務とされている遭難者を救助するための業務(当該業務及び非常災害に対処するための業務に係る訓練を含む。)、犯罪の予防又は捜査その他の公共の秩序を維持するための業務、交通の安全を確保するための業務、水路業務その他これらに類する業務を行うために動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
  2.   (2) 規則第12条、第13条、第13条の2及び第15条の規定に基づき、特別地域(特別保護地区を除く。)、特別保護地区、海中公園地区及び普通地域においては、許可等を要しない行為に付帯する行為についても、許可等を要しないこととした。

第4 乗入れ規制区域の指定

  乗入れ規制地区又は乗入れ規制地域(以下「乗入れ規制区域」という。)の指定について次のとおり行うこととする。

  (1) 乗入れ規制区域の指定基準について

    乗入れ規制区域としては、車馬を使用すること等による動植物の生息・生育環境の悪化を防止する必要がある地域で、次のいずれかに該当するものを指定するものである。

  1.    ① 現在車馬を使用すること等が相当程度行われている地域で、そのために植生、野生動植物の生息・生育環境の破壊等自然環境への影響が生じているか、そのおそれが大きくなっている地域
  2.    ② 現在車馬を使用すること等は行われていないが、それによる被害が将来生じることが十分に予想され、かつ、当該地域の植生、野生動植物の生息・生育環境等が特に脆弱又は貴重であり、厳正な保護を図る必要がある地域

  (2) 乗入れ規制区域の指定に当たっての手続について

    乗入れ規制区域の指定は、自然環境保全地域に関する保全計画又は国立公園若しくは国定公園に関する公園計画に位置付けるとともに、官報に公示して行うこととしている。
    自然環境保全地域の特別地区及び国立公園の特別地域については、とりあえず、現在車馬を使用すること等による自然環境への影響が生じている地域等について改正法の施行時を目途に乗入れ規制区域の指定を行い、順次、(1)の要件に該当する地域について指定を行う予定であるので、貴職におかれては、国定公園の特別地域について乗入れ規制地域の指定を行うための準備を進められたい。
    なお、国定公園の特別地域について乗入れ規制地域の指定を行う場合、他の環境庁長官決定に係る公園計画の変更の場合と同様、都道府県知事が環境庁長官に申し出ることとなるが、この申出に当たっては、あらかじめ関係部局と調整するとともに、農政局、営林局(国有林の区域と重複する場合に限る。)、運輸局、地方建設局等地元関係者と十分連絡協議されたい。

第5 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の改正関係

 1 鳥獣の殺傷等の制限

   鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に規定する「捕獲」及び「採取」とは、動植物を自己の支配内に入れようとする一切の方法を行うことをいい、これらを単に殺傷し、又は損傷するにとどまり、自己の支配内に入れようとする態様でない行為は該当しない。しかし、鳥獣の保護繁殖への影響という面では、自己の支配内に入れようとする態様であるか否かには差異がない。
   こうした点に鑑み、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律を改正し、鳥獣を殺傷し、又は鳥類の卵を損傷する行為は、これらを捕獲し、又は採取する行為と同様に制限することとした。

 2 用語の定義について

  1.   (1) 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律においては、「捕獲」及び「採取」の用語が種々用いられているが、鳥獣を殺傷し、又は鳥類の卵を損傷する行為も含めて制限できるよう、所要の規定の整理を行った。
        なお、捕獲し、又は採取する行為には捕獲し、又は採取しようとする行為が含まれる旨の従来の「捕獲」及び「採取」の用語に関する解釈に変更を加えるものではない。
  2.   (2) また、今般、「捕獲」の用語を全て「捕獲(殺傷ヲ含ム)」と改めたことに伴い、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律における「狩猟」又は「銃猟」の用語は、それぞれ、「法定猟具を使用して鳥獣を捕獲すること(殺傷することを含む。)」又は「銃器を使用して狩猟すること、すなわち銃器を使用して鳥獣を捕獲すること(殺傷することを含む。)」を意味するものとなる。

第6 その他

 1 都道府県自然環境保全地域条例及び都道府県立自然公園条例

   自然環境保全法第46条及び自然公園法第42条の規定に基づき、条例で都道府県自然環境保全地域、都道府県立自然公園等において動植物を殺傷し、又は損傷する行為をこれらを捕獲し、又は採取する行為と同様にこれを制限するとともに、車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させることを制限することができることとなったので、貴職におかれては、これらの趣旨に沿ってできるだけ速やかに現行条例の改正の手続を進められたい。

 2 「捕獲」、「採取」又は「採捕」の読替え

   すでに発せられている通達において「捕獲」、「採取」又は「採捕」の用語が用いられている場合には、今回の制度改正の趣旨を踏まえ、当面は、「殺傷」又は「損傷」の意味内容が含まれる旨の読替えが行われたものとして取り扱い、制度の適切な運用に努められたい。

ページ先頭へ