法令・告示・通達

国立公園に係る法定受託事務の実施について

  • 公布日:平成12年6月1日
  • 環自国330号

   第一章 総則

 (通則)
第一

  自然公園法(昭和三二年法律第一六一号。以下「法」という。)附則第九項及び同項の委任に基づく自然公園法施行令(昭和三二年政令第二九八号。以下「令」という。)附則第三項から第五項までに規定する国立公園に係る法定受託事務に関しては、法、令及び自然公園法施行規則(昭和三二年厚生省令第四一号。以下「規則」という。)の規定によるほか、この実施要領による。

   第二章 特別地域、海中公園地区内行為の許可(令附則第三項第一号及び第二号関係)

 (申請書様式)
第二

  規則第一〇条第一項の規定による申請書は、「国立公園の許可、届出等取扱要領」(平成一二年三月三〇日付け環境庁自然保護局長通知、以下「許可、届出等取扱要領」という。)別記様式第一によるよう、申請者を指導するものとする。この場合において、各様式中「環境庁長官」とあるのは「都道府県知事」と読み替える。

 (許可申請内容の事前指導)
第三

  許可申請に関し相談を受けたときは、申請に係る行為の内容及び申請書の内容が法、令、規則及び本要領に照らし適切なものとなるよう指導に努めるものとする。なお、指導に際しては、行政手続法(平成五年法律第八八号)第三二条から第三六条までの規定に留意するものとする。

 (標準処理期間)
第四

  都道府県知事が行う許可又は不許可の処分は、都道府県知事に申請書が提出された日から起算して原則として一月以内に行うものとする。ただし、申請書に不備又は不足するものがある場合であって申請書の補正を求めている場合は、この限りでない。
  なお、都道府県において知事の処分に係る申請の処理期間について別に定めている場合は、この限りでない。

 (許可に関する審査基準)
第五

  1.  一 許可申請の許可の適否の審査に当たっては、規則第一一条に規定する許可基準、同条第三〇項の規定に基づき環境庁長官が定める許可基準の特例のほか、同条各項に規定する基準の内容を地域の自然的、社会的条件に応じて具体化した国立公園管理計画(「国立公園管理計画作成要領について」(昭和五五年七月二一日付け環自保第三三一号自然保護局長通知)に基づき定められた国立公園管理計画をいう。)の風致景観の管理に関する事項の許可、届出等取扱方針(三において「取扱方針」という。)によるものとする。
  2.  二 規則第一一条に規定する基準の解釈及び運用に当たっては、別途通知する「自然公園法の行為許可の基準の細部解釈及び運用方法について」において定める細部解釈及び運用方法(三において「細部解釈等」という。)によるものとする。
  3.  三 取扱方針及び細部解釈は、行政手続法第五条第一項に規定する審査基準として取り扱うこととし、これらについては、同条第三項の規定により、都道府県庁その他都道府県において国立公園に関する事務を行う事務所において備付けその他の適当な方法により公にするものとする。

 (許可に際しての条件)
第六

  法第一九条の規定による条件は、付された条件が履行されない場合は、法第二一条の規定による原状回復命令等あるいは法第五〇条の規定による罰則が適用され得ることから、具体的かつわかりやすい表現を用い、原則として許可、届出等取扱要領別表に掲げる例文によるものとする。

 (各種行為の主従の判断)
第七

  工作物を新築しようとする際に木竹の伐採、土地の形状変更等を伴う場合など、許可申請の内容に、法第一七条第三項各号、第一八条第三項各号及び第一八条の二第三項各号に掲げる行為のうち複数の行為が含まれている場合であって、行為の主従の判断が可能なものにあっては、主たる行為を許可対象行為とし、その他の行為は関連行為として申請書にその旨明記させるものとする。ただし、次に掲げる場合及び主たる行為以外の行為として申請されている内容が、主たる行為に伴って通常必要とされる行為の範囲を超えると判断される場合には、それぞれの行為を許可対象行為とする。

  1.  (一) 工作物の新築のための敷地を造成するために水面を埋め立てる場合には、水面の埋立及び工作物の新築として取り扱うものとする。
  2.  (二) その高さが一三メートル以上であり、かつ、容易に移転し、又は除却することができない構造の鉄塔(やぐら)を設けボーリングを行う場合は、工作物の新築及び土石の採取として取り扱うものとする。

 (相関連した諸行為の取扱い)
第八

  地質調査ボーリングとダム等の建設、発電所建設と送電線架設、温泉ボーリングと給湯管布設等一定の計画に基づいて行う相関連した諸行為については、あらかじめ当該計画の概要を当初の許可申請書に添付させ、計画全体につきその適否を判定することにより、当初の申請に係る行為とその後の申請に係る行為に対する処分が矛盾しないよう措置するものとする。

 (許可後における内容の変更手続き)
第九

  規則第一〇条第一項第一号から第六号までに規定する申請内容又は法第一九条の規定による条件により確定された工事の着手若しくは完了の日の内容を、当該許可を受けた後に変更しようとする場合は、新たな申請を行わせるものとする。
  なお、この場合においては許可申請書の備考欄に、既に許可を受けたものの変更である旨、当該許可処分の日付及び番号並びに許可に付された条件その他必要な事項を記載させるものとする。
  ただし、第一号に掲げる事項の変更については、申請者が同一人である場合に限り当該事項を届け出ることによって足りるものとする。

 (知事権限に係る行為の判断に際しての留意事項)
第一〇

  1.  一 国立公園の特別地域又は海中公園地区内において行われる相関連する行為であって、その許可の権限が環境庁長官にあるものと、令附則第三項の規定により都道府県知事にあるものについて、一の申請書により許可の申請が行われたときは、環境庁長官が処分を行うべき行為について都道府県知事は処分を行うことができず、また、都道府県知事が処分を行うべき行為について環境庁長官は処分を行うことができないことから、環境庁長官が処分を行うべき行為に係る部分を申請内容から除外し、当該部分に係る許可については環境庁長官に申請するよう申請者に補正の指示を行うものとする。
  2.  二 令附則第三項第一号の規定により都道府県知事が行う事務に係る行為の区分については、次に掲げる事項に留意するものとする。
    1.   (一) 工作物の「高さ」とは、地上に露出する部分の最高部と最低部との差(建築物にあっては建築基準法第二条第三号に規定する「建築設備」を含めて算定する。)をいうものとし、「水平投影面積」とは、当該工作物の占める空間の水平投影面積をいうものとする。
          なお、道路にあっては、「高さ」は横断図の測点ごとの最高の法肩と最低の法尻の差のうち最大のものをいい、また、「水平投影面積」は路肩から路肩までの部分(側溝が接する場合にはこれを含む。)を算定するものとする(別添「工作物の高さ及び水平投影面積の測定例」参照)。
    2.   (二) 「住宅」とは、専ら日常生活の本拠として利用するために設置される建築物(居住の用に供する部分が延べ面積の二分の一以上である併用住宅を含む。)をいうものとするが、分譲又は貸付けを目的とした集合住宅、会社等の設置する従業員宿舎は「住宅」に含まないものとする。
    3.   (三) 「仮工作物」とは、その構造が、容易に移転し、又は除却することができるもの(自力で移動することができない廃車等を単に地上に置いて食堂等の施設として使用している場合を含む。)であって、かつ、設置期間が三年を超えない工作物をいうものとする。
          なお、「許可を受けた行為に必要な工事用の仮工作物」の新築、改築又は増築は規則第一二条第六号の規定により許可を要しない行為としているが、当該仮工作物は直接工事に関わる工作物をいうものとし、資材を他の場所から搬入するための仮索道等はこれに含まないものとする。
    4.   (四) 同一敷地内に数個の工作物をそれぞれ独立して設置する場合には、その行為が一括して申請された場合においても、個々の工作物がそれぞれ令附則第三項第一号イに定める規模を超えないものであれば、知事権限に係る行為として取り扱うものとする。
    5.   (五) 「土石を採取すること」とは、温泉ボーリング、地質調査ボーリング等も含め、土石を採取して行為地外に持ち出す行為をいい、「土地の形状を変更すること」とは行為後において行為地内における土石の総量が減少しない行為をいうものとする。
          なお、規則第一二条第一九号の規定により許可を要しないこととされている「土地の形状を変更するおそれのない範囲内で土石を採取すること」とは、小石を拾う程度の行為をいうものとする。
    6.   (六) 標識、案内板、広告塔、遭難慰霊碑、銅像等の工作物は、「広告物その他これに類する物」として取り扱うものとする。

   第三章 普通地域内行為の届出(令附則第三項第三号関係)

 (普通地域内における行為の届出書の様式)
第一一

  規則第一三条の四の規定による届出書は、「許可、届出等取扱要領」別記様式第三によるよう届出をする者を指導するものとする。この場合において、各様式中「環境庁長官」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。

 (普通地域内における行為の届出内容の事前指導)
第一二

  普通地域内における行為の届出に関し相談を受けたときは、届出に係る行為の内容及び届出書の内容が、法、令、規則及び本要領に照らし適切なものとなるよう指導に努めるものとする。なお、指導に際しては、行政手続法第三二条から第三六条までの規定に留意するものとする。

 (普通地域内における行為の届出書の受理等)
第一三

  都道府県知事は、普通地域内における行為の届出書が提出されたときは、当該届出書について不備又は不足するものがないことを確認し、不備又は不足するものがある場合には届出者に補正させた上で、当該届出書を受理するものとする。
  なお、この受理した日をもって法第二〇条第三項に規定する「届出があった日」又は同条第五項に規定する「届出をした日」と取扱うものとする。

 (普通地域内における各種行為の主従の判断)
第一四

  普通地域内における各種行為の主従の判断については、第七に規定するところによるものとする。

   第四章 違反行為の予防等及び原状回復命令等(令附則第三項第四号関係)

 (違反行為の予防及び発見)
第一五

  都道府県知事は、許可又は届出に関して次に掲げる方法により違反行為の予防及び発見に努めるものとする。

  1.  (一) 環境庁自然保護局自然保護事務所(以下「自然保護事務所」という。)及び関係地方公共団体と連携して国立公園内及び周辺地域の住民、事業者等に対し、法令の趣旨及び規定の内容を機会あるごとに周知させること。
  2.  (二) 公園の区域図及び公園計画図を常に整理し、関係者の求めに応じ随時供覧できるよう備えること。
  3.  (三) 巡視を励行すること。
  4.  (四) 申請者又は届出者に対し、許可処分を受ける前又は着手制限期間の経過前に行為に着手しないよう指導すること。
  5.  (五) 条件を付して許可された行為又は制限され若しくは必要な措置を命ぜられた行為については、当該条件又は制限若しくは措置命令の履行を監督すること。

 (違反行為に対する措置)
第一六

  都道府県知事は、許可又は届出に関して違反行為を発見したときは、次に掲げる措置を講ずるものとする。
  なお、国立公園に係る違反行為については、都道府県知事及び自然保護事務所長が相互に連絡を取り合い、対応を協議するものとする。

  1.  (一) 違反行為の中止を勧告すること。
  2.  (二) 都道府県知事は、令附則第三項の規定により行う事務に係る行為についての違反行為を審査し、必要と認めるときは原状回復その他必要な措置を命ずること。
       なお、原状回復その他必要な措置命令に従わない場合において、当該状況を放置することが公園の風致景観又は風景に著しく支障を与えるときは、行政代執行法(昭和二三年法律第四三号)の規定により必要な措置を行うこと。
  3.  (三) 行為の中止を勧告した時点で、当該違反行為により災害の発生の可能性があると認められる場合には、早急に災害防止のための応急措置がとられるよう取り計らうこと。

   第五章 事務の報告(令附則第四項、規則附則第五項関係)

(法定受託事務に関する報告)
 第一七

  都道府県知事は、令附則第三項に掲げる事務の処理後、速やかに規則附則第五項に規定する事項を記載した書類を、当該事務に係る国立公園を担当する自然保護事務所長を経由して環境庁長官に提出するものとする。

   第六章 書類の経由等(令附則第五項関係)

 (経由する書類の審査等)
第一八

  令附則第五項の規定により都道府県知事を経由して環境庁長官に提出されるべき協議の申出、認可、承認若しくは許可の申請(以下「協議の申出等」という。)又は届出に係る書類が提出されたときは、都道府県知事は、当該協議書、申請書又は届出書について不備又は不足するものがないことを確認し、不備又は不足するものがある場合には相当の期間を定め、それぞれ協議者、申請者又は届出者に補正させるものとする。

 (書類の経由の標準処理期間)
第一九

  令附則第五項の規定により都道府県知事を経由して環境庁長官に提出される協議の申出等に係る書類の環境庁長官への送付にあっては、当該書類が提出された日から起算して原則として一月以内に、届出に係る書類の環境庁長官への送付にあっては、当該書類が提出された日から起算して原則として十五日以内に行うものとする。ただし、協議書、申請書又は届出書に不備又は不足するものがある場合であって、補正を求めている場合はこの限りでない。

 (書類の経由の方法)
第二〇

  令附則第五項の規定により都道府県知事を経由して環境庁長官に提出される協議の申出等又は届出に係る書類については、都道府県から当該協議の申出等及び届出に係る国立公園を担当する自然保護事務所に送付するものとする。この送付の際に当該書類の処理について都道府県としての意見を付すことは妨げない。
  なお、書類の送付の実施方法の詳細については、規則附則第五項の規定によるほか、地域の実情に応じて都道府県と協議の上、自然保護事務所長が定めるものとする。

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