法令・告示・通達

特定工場における公害防止組織の整備に関する法律の施行について

  • 公布日:昭和46年10月15日
  • 46保局444号

大蔵省大臣官房長・厚生省薬務局長・農林省農林経済局長・通商産業省公害保安局長・運輸省官房長から各都道府県知事(市町村長)あて

 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(以下「法」という。)は、第65回国会において成立し、昭和46年6月10日法律第107号をもつて公布され、法第3条から第6条までの規定を除き、即日施行された。これに伴い、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行令(以下「令」という。)が昭和46年8月11日政令第264号をもつて、特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則(以下「規則」という。)が昭和46年8月13日大蔵省・厚生省・農林省・通商産業省・運輸省令第3号をもつて公布され、令については第6条から第9条までの規定を除き、規則については第2条から第12条までの規定を除き、それぞれ即日施行された。法の規定により公害防止管理者等の選任の届出の受理、解任命令等の事務の施行は都道府県知事(市町村長)に委任されているが、その施行にあたつては、下記の事項に留意のうえ、円滑適正な運用を図られたい。
 なお、下記の事項以外の事項たとえば公害防止管理者等の選任の届出、解任命令、公害防止管理者等の資格認定講習等の事項で法の施行に必要な事項については別途通達する。

第1 特定工場について

 1 対象業種について

   法の対象業種は、製造業(物品の加工業を含む。)、電気供給業およびガス供給業である(令第1条)がそれぞれの範囲は、原則として日本標準産業分類によるものとする。したがつて、たとえば採石業は鉱業であり、自動車整備業はサービス業であるから、いずれも法の対象業種ではない。ただし、ある工場が同時に2以上の業種に属し、かつ、それらの業種の一部が法の対象業種である場合には、その工場は、法の対象工場となるものとする。すなわち、ある工場が採石業(鉱業に属する。)と砕石業(製造業に属する。)を兼業している場合には、その工場は、砕石業に属する工場として法の対象となる。

 2 特定工場の範囲について

   工場とは、社会通念上、一個の単位として生産活動が行なわれている場所をいい、原則として同一敷地内にあり、かつ、組織上、生産工程上密接な関連があるものをいう。ただし、同一敷地内になくても、道路、河川等をへだてている等近接しており、かつ、組織的関連、生産工程上の関連等からみてそれぞれが一個の工場としての独立性がなく、全体を一工場として取り扱つた方が公害防止組織の機能をより効果的に発揮できると認められる場合には、全体を一工場として取り扱うものとする。
   具体的事例については、以上の考え方に基づきつつ、次に示す例示を参考として、判断することとされたい。

  1.   〔例1〕 同一会社のA工場とB工場が離れた場所にある場合には、別個の工場とする。この場合、A工場とB工場が組織上、生産工程上密接な関連がある場合も同様に取り扱うものとする。
    図:〔例1〕
  2.   〔例2〕 同一会社のA工場とB工場が道路または河川等をへだてて設置されているが近接しており、組織上、生産工程上、密接な関連があると認められる場合には、A工場とB工場を一括して一工場として取り扱つてさしつかえない。
    図:〔例2〕
  3.   〔例3〕 同一敷地内に異なる製品を生産する複数の工場があるが、全体の組織上、生産工程上密接な関連があると認められる場合には、全体を一括して一工場とする。
    図:〔例3〕
  4.   〔例4〕 同一敷地内にA社の工場とB社の工場がある場合には、別個の工場とする。この場合、B社がA社の子会社であつても同様とする。
    図:〔例4〕

 3 汚水等排出施設が設置されている工場について

  1.   (1) 汚水等排出施設が設置されている工場が法第2条第2号に定める特定工場となるためには、その工場から公共用水域に水が排出されていることが要件となつている(令第3条第2項、法第3条第1項第2号ロ)。したがつて、工場から水が全量終末処理場を有する公共下水道に排出されている場合には、その工場は法第2条第2号に定める特定工場とならない。ただし、汚水等排出施設から排出される水が全量終末処理場を有する公共下水道に排出されていても、その工場の他の施設から排出される水が公共用水域に排出されている場合には、その工場は法第2条第2号に定める特定工場となる。
  2.   (2) 汚水等排出施設が設置されている工場から排出される水が直接公共用水域に排出されず、他の工場の排水溝または排水処理施設に排出される場合の取り扱いは、水質汚濁防止法および昭和46年9月20日付環境庁水質保全局長通達の趣旨に沿つて次の例により行なうものとする。
    1.    ① 汚水等排出施設が設置されているA工場から排出される水が全量B工場の排水溝に排出されている場合であつても、A工場は法第2条第2号に定める特定工場となる(第1図)。
      図:A工場は法第2条第2号に定める特定工場となる
    2.    ② ①において、B工場の排水溝または共同排水溝から公共用水域への排出口にB工場の汚水等の処理施設がある場合には、A工場は法第2条第2号に定める特定工場とならない(第2図)。

 4 研究所の取り扱いについて

  1.   (1) 工場から地域的、組織的に独立した研究所は、工場ではないので、法の対象となる特定工場にはならないものとする。
  2.   (2) 工場に組織的に附属している研究所で工場の敷地内に設置されているものは、工場の一部として取り扱うものとする。

 5 排出ガス量および排出水量について

図:排出ガス量および排出水量

  (1) 排出ガス量

    排出ガス量とは、特定工場内に設置されているばい煙発生施設のそれぞれにおいて発生し、大気中に排出される気体の1時間当りの量を温度が零度で圧力が1気圧の状態に換算したものの最大値を合計したものであり(令第2条第2項第2号)、個々のばい煙発生施設の排出ガスの量ではない。この値の具体的な算出は、次により行なうものとする。

  1.    ① 特定工場内に設置されているばい煙発生施設のそれぞれについて、その工場における通常の原燃料または電力の使用条件に従い、当該施設を定格能力で運転するときの排出ガスの量を温度0℃、圧力1気圧の状態に換算して算出する。これらの量の算定は、湿りガスで行なう(昭和46年8月25日付環境庁大気保全局長通達参照)。この場合、令第2条第1項に規定するばい煙発生施設以外の施設は対象とならない。
         工場のばい煙発生施設であれば、常時使用されていないものであつても、また、工場内の研究所、食堂等に設置されているものであつても、すべて対象となる。
  2.    ② ①により算出された値を合計する。
  3.    ③ なお、実際には、②により算出される値は、大気汚染防止法に基づく届出を行なう際にすでに算出されているはずであるから、その値を用いることが適当である。

  (2) 排出水量

    排出水量とは、特定工場から公共用水域に排出される水の1日当りの平均的な量であり(令第3条第2項第2号、法第3条第1項第2号ロ)個々の汚水等排出施設から排出される水の量ではない。この値の具体的な算出は、次により行なうものとする。

  1.    ① 公共用水域に排出される水について、正常に操業している時点において1日1回週3日以上操業状態が異なる時期を含むようにして流量測定を行ない、次式により求める。なお、季節的に大幅に排水量が変動する場合は、通常の操業時間を対象とする(昭和46年9月20日付環境庁水質保全局長通達参照)。
         Q=q1t1+q2t2+......+qntn/n
        ただし、Q:排出水量(m3/day)
            qn:実測流量(m3/sec)
            tn:qnの測定を行なつた日の実質操業時間(sec)
            n:測定回数
        とする。
  2.    ② ①において、流量測定の対象は、特定事業場から公共用水域に排出されているすべての水である。したがつて、終末処理場を有する公共下水道に排出される水は対象とならないが、公共用水域に排出される水であれば、工場内の研究所、食堂等から排出される水であつてもすべて対象となる。
  3.    ③ 特定工場において年間を通じほぼ恒常的な操業が行なわれ、かつ、使用水が水道だけである場合には、①にかかわらず、次式によることができる(昭和46年9月20日付環境庁水質保全局長通達参照)。
         Q=Qt-Qo/n
        ただし、Q:排出水量(m3/day)
            Qt:1ケ月間の水道使用量
            Qo:製造過程等で明らかに消費される水量(実測または生産量によつて明らかに消費水量が把握できる場合に限る。)
            n:1ケ月の操業日数
        とする。
  4.    ④ なお、実際には、排出水量は、水質汚濁防止法に基づく届出を行なう際にすでに算出されているはずであるから、その値を用いることが適当である。
  5.    ⑤ 甘しよでん粉製造工場については、年間の排水期間が極めて短く、特殊な操業形態をとつているものが多いので、このうち排水期間が年間2ケ月以下のものについては、当分の間、上記の算出方法により得られた値に年間の操業日数を365日で除した数値を乗じたものをもつて排出水量とする。

第2 公害防止統括者の選任について

 1 公害防止統括者を選任すべき事由の発生について

   公害防止統括者の選任は、公害防止統括者を選任すべき事由が発生した日から30日以内にしなければならないこととされているが(法第3条第1項、規則第2条)、「公害防止統括者を選任すべき事由が発生した日」を具体的に例示すると、次のとおりである。

  1.   (1) 法第3条の規定が施行される日(昭和47年9月10日)において特定工場である工場については、その施行される日。
  2.   (2) 死亡、退職、人事異動等により公害防止統括者に選任されている者が特定工場においてその事業の実施を統括管理する者でなくなつた日。
  3.   (3) 法第10条の規定に基づく都道府県知事の解任命令により公害防止統括者が解任された日。
  4.   (4) 特定工場が設置された日(ばい煙発生施設等の新設または増設により既設の工場が新たに特定工場となつた日を含む)。
  5.   (5) 令第1条から第5条までまたは大気汚染防止法施行令別表第1もしくは別表第2、水質汚濁防止法施行令別表第1の改正による対象業種、対象施設または特定工場の範囲の拡大、騒音規制法第3条第1項に基づく指定地域の拡大等により特定工場の範囲が拡大され、特定工場となつた日。
        なお、(5)の場合には、法第13条に基づく経過措置がとられることが考えられるが、その場合には、その経過措置により定められるところに従い、公害防止統括者の選任を行なうものとする。

 2 公害防止統括者の選任を要しない小規模事業者について

   常時使用する従業員の数が20人以下である小規模事業者は、公害防止統括者を選任する必要はないが(法第3条第1項、令第6条)、この場合の従業員の数は、事業者が使用する従業員のうち個々の工場に配置されている従業員の数でなく、事業者が常時使用する従業員の総数である。したがつて常時使用する従業員の数が20人以下の工場であつても、その事業者に別に工場がありその事業者が常時使用する従業員を合計すると21人以上になる場合には、その事業者は、それぞれの工場について公害防止統括者を選任しなければならない。

 3 公害防止統括者の要件について

   公害防止統括者は、特定の資格を有する者であることを要しないが、当該特定工場においてその事業の実施を統括管理する者でなければならない(法第3条第2項)。「当該特定工場においてその事業の実施を統括管理する者」とは、当該特定工場における事業の実施について最高の権限と責任を有する者のことであり、名称は工場ごとに異なるにせよ、いわゆる工場長に該当する者をいう。

第3 公害防止管理者の選任について

 1 公害防止管理者の選任方法について

  1.   (1) 公害防止管理者の選任方法は、法第4条第2項、令別表第2および規則第1条に規定されているとおりであるが、これを一表にして示せば、次のとおりとなる。
        この表において、公害防止管理者の種類の欄には該当する施設の区分について選任される公害防止管理者の種類が掲げられており、資格者の種類の欄には該当する公害防止管理者になり得る資格者が掲げられている。
施設の区分
公害防止管理者の種類
資格者の種類
① 令第7条第1項第1号に掲げるばい煙発生施設(大気汚染防止法に規定する有害物質を発生するばい煙発生施設)で排出ガス量が4万m3以上の工場に設置されるもの
大気関係第1種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者
② 令第7条第1項第1号に掲げるばい煙発生施設(大気汚染防止法に規定する有害物質を発生するばい煙発生施設)で排出ガス量が4万m3未満の工場に設置されるもの
大気関係第2種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者または大気関係第2種有資格者
③ 令第7条第1項第2号に掲げるばい煙発生施設(いおう酸化物およびばいじんのみを発生するばい煙発生施設)で排出ガス量が4万m3以上の工場に設置されるもの
大気関係第3種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者または大気関係第3種有資格者
④ 令第7条第1項第2号に掲げるばい煙発生施設(いおう酸化物およびばいじんのみを発生するばい煙発生施設)で排出ガス量が4万m3未満の工場に設置されるもの(注)5
大気関係第4種
公害防止管理者
大気関係第1種有資格者、大気関係第2種有資格者、大気関係第3種有資格者または大気関係第4種有資格者(注)1
⑤ 令第7条第2項第1号に掲げる汚水等排出施設(水質汚濁防止法に規定する有害物質を排出する汚水等排出施設)で排出水量が1万m3以上の工場に設置されるもの
水質関係第1種
公害防止管理者
水質関係第1種有資格者
⑥ 令第7条第2項第1号に掲げる汚水等排出施設(水質汚濁防止法に規定する有害物質を排出する汚水等排出施設)で排出水量が1万m3未満の工場に設置されるもの(注)6
水質関係第2種
公害防止管理者
水質関係第1種有資格者または水質関係第2種有資格者
⑦ 令第7条第2項第2号に掲げる汚水等排出施設(BOD、SS等のいわゆる生活環境項目が問題となる汚水等排出施設)で排出水量が1万m3以上の工場に設置されるもの
水質関係第3種
公害防止管理者
水質関係第1種有資格者または水質関係第3種有資格者
⑧ 令第7条第2項第2号に掲げる汚水等排出施設(BOD、SS等のいわゆる生活環境項目が問題となる汚水等排出施設)で排出水量が1万m3未満の工場に設置されるもの(注)7
水質関係第4種
公害防止管理者
水質関係第1種有資格者、水質関係第2種有資格者、水質関係第3種有資格者または水質関係第4種有資格者(注)2
⑨ 騒音発生施設
騒音関係公害防止管理者
騒音関係有資格者(注)3
⑩ 粉じん発生施設
粉じん関係公害防止管理者
大気関係第1種有資格者、大気関係第2種有資格者、大気関係第3種有資格者、大気関係第4種有資格者または粉じん関係有資格者(注)4

  1.  (注) 1 大気関係第4種有資格者とは、大気関係第4種公害防止管理者試験に合格した者または令別表第3の4の項の下欄に掲げる者をいうものとする。
  2.  (注) 2 水質関係第4種有資格者とは、水質関係第4種公害防止管理者試験に合格した者または令別表第3の8の項の下欄に掲げる者をいうものとする。
  3.  (注) 3 騒音関係有資格者とは、騒音関係公害防止管理者試験に合格した者または令別表第3の9の項の下欄に掲げる者をいうものとする。
  4.  (注) 4 粉じん関係有資格者とは、粉じん関係公害防止管理者試験に合格した者または令別表第3の10の項の下欄に掲げる者をいうものとする。
  5.  (注) 5 令第7条第1項第1号に掲げるばい煙発生施設が設置されていない工場で排出ガス量が1万m3未満のものは法の対象とならない(令第2条第2項第2号)。
  6.  (注) 6 令第7条第2項第1号に掲げる汚水等排出施設が設置されている工場で排出水量が500m3未満のものについては、設置されている汚水等排出施設について選任される公害防止管理者およびその代理者は、昭和51年3月31日までは資格を有する者でなくてもよい(令附則第2項)。
  7.  (注) 7 令第7条第2項第1号に掲げる汚水等排出施設が設置されていない工場で排出水量が1,000m3未満のものは、法の対象とならない(令第3条第2項第2号)。

  したがつて、たとえば特定事業者が③の施設について公害防止管理者を選任する場合には、大気関係第1種有資格者または大気関係第3種有資格者のうちから選任しなければならず、選任された公害防止管理者は大気関係第3種公害防止管理者となる。この場合、大気関係第3種公害防止管理者はいわばポストであり、大気関係第1種有資格者および大気関係第3種有資格者は、大気関係第3種公害防止管理者のポストにつき得る資格を有する者である。

  1.   (2) 公害防止管理者は、施設の区分ごとに選任しなければならない(令第8条)。たとえば、ある工場において有害物質を発生する施設(排出ガスの量が1万Nm3/h)とボイラー(排出ガスの量が3万5千Nm3/h)が設置されている場合にはその工場の排出ガス量が4万5千Nm3/hとなるので、これらの施設の区分は、それぞれ(1)の表の①および③に該当することとなり、この工場の特定事業者は、大気関係第1種公害防止管理者および大気関係第3種公害防止管理者を選任しなければならないこととなる。
        ただし、この場合、それぞれの公害防止管理者に同一人を選任することはさしつかえないものとする(第5を参照)。
  2.   (3) 公害防止管理者は、施設の区分ごとに選任すればよいから、同一の施設の区分について複数の施設がある場合であつても、施設の区分につき1名の公害防止管理者を選任すればよい。同一の施設の区分について複数の公害防止管理者を選任してもさしつかえないが、その場合には、それぞれの公害防止管理者が管理すべき業務の範囲を明確にし、選任の届出を行なう際に届出書に業務の範囲を記載しておくことが必要である。

 2 公害防止管理者を選任すべき事由の発生について

   公害防止管理者の選任は、公害防止管理者を選任すべき事由が発生した日から60日以内にしなければならないこととされているが(法第4条第1項、規則第5条第1号)、「公害防止管理者を選任すべき事由が発生した日」の意味は、概ね、公害防止統括者の選任の場合(第2の1参照)と同様とする。なお、第2の1の(1)から(5)までに掲げる場合のほか、ばい煙発生施設等の新設、増設等により施設の区分が変つた場合にも、新たに公害防止管理者の選任が必要となる。
   なお、公害防止管理者が法第9条第1項の定めるところに従いその業務を誠実に行なうことができるためには、特定工場の従業員に対し公害防止に関し必要な措置を指示し得る立場にあることが必要であり、したがつて、そのためには原則として当該特定工場の従業員であることが必要である。
   当該特定工場の従業員でなくても所要の資格を有する者であれば、その者を当該特定工場の公害防止管理者に選任しても違法ではないが、その場合には、特定事業者は、その者が当該特定工場の従業員に対し公害防止に関し必要な指示をし得るような地位を与えるよう配慮することが必要であろう。

 3 中小企業者のための特例措置について

  1.   (1) 同一人が2以上の工場の公害防止管理者になることはできないこととされている(法第4条、規則第5条第2号)が、公害防止管理者の有資格者を確保することが困難な中小企業の立場を配慮して次のような特例が認められている。すなわち、①中小企業団体の組織に関する法律第3条第1項第1号に掲げる事業協同組合、同項第2号に掲げる事業協同小組合もしくは同項第8号に掲げる商工組合または水産業協同組合法第2条に規定する漁業協同組合もしくは水産加工業協同組合でその地区が都道府県の区域をこえないものが、②その事業として公害防止管理者の資格を有する者に公害の防止に関する指導を行なわせている場合において、③その組合の組合員で常時使用する従業員の数が50人以下のものが、④主務大臣の定める基準に従い、⑤その公害防止管理者の資格を有する者を自分の工場の公害防止管理者として選任する場合は、その者は複数の工場の公害防止管理者となることができる(規則第5条第2号)。
  2.   (2) (1)の②において「その事業として公害防止管理者の資格を有する者に公害の防止に関する指導を行なわせている場合」とは、当該組合の定款にその組合の事業として公害の防止に関する指導を行なうことが明記されており、かつ、実際に公害防止管理者の資格を有する者による公害防止のための技術指導等の事業が行なわれている場合をいうものとする。
  3.   (3) (1)の③において「常時使用する従業員の数」とは、令第6条の場合と同様、組合員である事業者が使用する従業員のうち個々の工場に配置されている従業員の数ではなく、当該組合員が常時使用する従業員の総数である。
  4.   (4) (1)の④の「主務大臣の定める基準」については、別に公示するところによるものとする。

第4 代理者の選任について

  特定事業者は、公害防止統括者、公害防止管理者または公害防止主任管理者が旅行、疾病その他の事故によつてその職務を行なうことができない場合にその職務を行なわせるため代理者を選任しなければならない(法第6条第1項)。この場合、代理者は、本人が事故によつてその職務を行なうことができなくなる場合に備えてあらかじめ選任しておかなければならないものとし、選任の方法、選任の時期等は、本人に準ずるものとする。また、公害防止管理者の代理者および公害防止主任管理者の代理者について要求される資格は、それぞれ本人について要求される資格と同一でなければならない。

第5 兼務の可否について

  法において兼務が禁止されている場合は、次の場合である。

  1.  ① 同一人が2以上の工場の公害防止管理者またはその代理者を兼ねる場合(規則第5条第2号、第10条第2項)。ただし、この場合には、中小企業について特例が認められている(第3の3を参照)。
  2.  ② 同一人が2以上の工場の公害防止主任管理者またはその代理者を兼ねる場合(規則第8条第2号、第10条第3項)。
  3.  ③ 同一人が本人とその代理者を兼ねる場合。この場合についてはとくに法による規定はないが、代理者の選任の趣旨から当然兼務は認められていないものとする。
  4.  ④ 同一人がA工場の公害防止管理者とB工場の公害防止主任管理者を兼ねる場合。この場合についてはとくに法による規定はないが、①および②の趣旨から兼務は認められないものとする。

  以上の①から④までの場合以外においてやむを得ず同一人が2以上のポストを兼務することは、その者が所要の有資格者である限り違法ではない。したがつて、たとえば次のような場合は、兼務を認めてもさしつかえないが、その場合には、兼務することにより、その者が法に定める職務を誠実に行なううえで支障が生じないかどうかに十分留意して指導されたい。

  1.  ① 同一人が同一工場の大気関係第1種公害防止管理者と大気関係第3種公害防止管理者を兼ねる場合
  2.  ② 同一人が同一工場の大気関係第1種公害防止管理者の代理者と大気関係第3種公害防止管理者を兼ねる場合
  3.  ③ 同一人が同一工場の大気関係第2種公害防止管理者と水質関係第1種公害防止管理者を兼ねる場合
  4.  ④ 同一人が同一工場の公害防止統括者と公害防止管理者を兼ねる場合
  5.  ⑤ 同一人が同一工場の公害防止主任管理者と公害防止管理者を兼ねる場合
      なお、同一人が2以上の工場(異なる会社に属する工場を含む。)の工場長である場合には、法第3条第2項の趣旨から、その者がそれらの工場の公害防止統括者となるものとする。また、同一人が公害防止管理者等とその工場の他のポストを兼ねることは、法第9条第1項に定めるところに従い、公害防止管理者の職務を誠実に行なうことができる限り、さしつかえない。

第6 公害防止管理者等の資格について

 1 公害防止管理者等の資格について

   公害防止管理者、公害防止主任管理者およびこれらの代理者となる者には法により一定の資格が要求されている(法第4条第2項、第5条第2項)。すなわち、公害防止管理者およびその代理者となる者は、公害防止管理者の種類ごとに行なう公害防止管理者試験に合格した者または公害防止管理者の種類ごとに政令で定める資格を有する者でなければならず(法第7条第1項第1号)、また、公害防止主任管理者およびその代理者となる者は、公害防止主任管理者試験に合格した者または政令で定める資格を有する者でなければならない(法第7条第1項第2号)。
   「政令で定める資格」は、公害防止管理者およびその代理者については令別表第3に、公害防止主任管理者およびその代理者については令第11条にそれぞれ定められているが、その内容は一定の資格(技術士等の資格または学歴および実務経験)を有し、かつ、主務大臣が行ない、または指定する講習(以下「資格認定講習」という。)の課程を修了したこととなつている。ここで一定の資格(技術士等の資格または学歴および実務経験)とは、資格認定講習の受講資格である。なお、公害防止主任管理者には大気関係第1種有資格者または大気関係第3種有資格者であり、かつ、水質関係第1種有資格者または水質関係第3種有資格者である者もなることができる(令第11条第1号)。

 2 学歴および実務の経験について

  (1) 薬学、工学または化学の課程

    規則別表第1および別表第2の学歴の欄中「薬学、工学または化学の課程」とは、次のいずれかの学科をいうものとする。なお、学科の名称にかえて「部門」または「専攻」の名称を用いているものも学科とみなすものとする。

  1.    ① 薬学部に属する学科
  2.    ② 工学部に属する学科
  3.    ③ 理学部に属する物理化学科、無機化学科、有機化学科、応用化学科、燃料化学科、石油化学科等
  4.    ④ 農学部に属する農業化学科、農芸化学科、水産化学科等
  5.    ⑤ ①から④までの学科以外の学科で、授業科目の必須課目のうち薬学、工学または化学に関する課目が単位数において過半数であるもの
        なお、規則別表第1の学歴の欄の水質関係公害防止管理者の項中「農学(水産学を含み、農業経済学を除く。)の課程」とは、農学部に属する学科で農業経済学科以外のものおよび水産学部に属する学科とする。

  (2) 主務大臣がこれと同等以上であると認める学力

    規則別表第1および別表第2の学歴の欄中「主務大臣がこれと同等以上であると認める学歴」については、別に公示するところによるものとする。

  (3) ばい煙発生施設またはばい煙を処理するための施設の維持および管理に係る実務等

  1.    ① 規則別表第1の実務の内容の欄中「ばい煙発生施設」とは令第2条第1項に規定するばい煙発生施設とし、「ばい煙を処理するための施設」とは法第2条第1号に規定する「ばい煙」を処理するための施設とする。「汚水等排出施設」とは令第3条第1項に規定する汚水等排出施設とし、「汚水等を処理するための施設」とは法第2条第2項に規定する「汚水または廃液」を処理するための施設とする。
         「騒音発生施設」とは令第4条に規定する施設とし、「騒音を防止するための施設」とは騒音規制法施行令別表第1に掲げる施設から発生する騒音を防止するための施設とする。「粉じん発生施設」とは令第5条に規定する粉じん発生施設とし、「粉じんを処理するための施設」とは法第2条第4号に規定する「粉じん」を処理するための施設とする。
  2.    ② これらの施設の「維持および管理に係る実務」とは、これらの施設を直接維持管理していることのほか、維持管理する者を指揮、監督していることも含まれるものとする。具体的には、たとえば、ばい煙発生施設等や処理施設の運転、維持補修、検査等の業務に直接従事している者、その者の監督者(たとえば製造課(部)長、工務課(部)長、公害課(部)長、施設課(部)長等)は、これらの施設の「維持および管理に係る実務」に従事している者となるが、研究所や設計部門において施設の設計等を行なつている者、これらの施設を使用して生産された製品の品質管理を行なつている者、本社や官公庁の公害関係部門に従事している者、施設の販売会社に勤務する者で販売先の施設のアフターケアを行なつている者等は、これらの施設の「維持および管理に係る実務」に従事している者とはならないものとする。

  (4) 技術的業務に係る実務

    規則別表第2の実務の経験の欄中「技術的業務に係る実務」には、②の施設の「維持および管理に係る実務」より広い範囲の業務が含まれるものとし、製造、設計、研究開発、施設の維持管理等技術的知識を要する業務であれば、これに該当するものとする。

  (5) 経験年数

  1.    ① 施設の「維持および管理」に関する経験年数の計算は、過去において施設の「維持および管理に係る実務」に従事した期間のすべてを合計して行なうものとする。したがつて、たとえば高等学校を卒業した者が大気関係第2種有資格者の資格認定講習の受講資格を得るためには、ばい煙発生施設またはばい煙を処理するための施設の維持および管理に関する実務に7年以上従事したことが必要であるが、この場合、継続して7年以上その実務に従事したことは必要でなく、また、同一工場において7年以上その実務に従事したことも必要でない。「技術的業務に係る実務」に関する経験年数の計算方法も同様である。
  2.    ② 公害防止主任管理者に関する実務の経験に関する経験年数の計算は、次のとおり行なう。すなわち、たとえば大学の工学部を卒業した者が公害防止主任管理者の資格認定講習の受講資格を得るためには、「ばい煙発生施設またはばい煙を処理するための施設の維持および管理に係る実務」および「汚水等排出施設または汚水等を処理するための施設の維持および管理に係る実務」のそれぞれについて5年、「技術的業務に係る実務」について10年の経験が必要であるが(規則別表第2)、この場合、「ばい煙発生施設またはばい煙を処理するための施設」および「汚水等排出施設または汚水等を処理するための施設」の両方にまたがる業務に5年間従事した場合には、両方の業務にそれぞれ5年間従事したものとして取扱う。また、この期間は、同時に「技術的業務に係る実務」に従事した期間でもあるものとして取扱うものとし、したがつて、この者は、この期間以外に5年以上技術的業務に係る実務に従事していれば、「技術的業務に係る実務」に10年以上従事したことになるものとする。

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